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こんにちは、「笑顔工学」の専門家、木村光範です。
笑顔工学って何??という方は、ぜひ自己紹介をご覧ください!

近年、電子帳簿保存法 の改正や各種業務のデジタル化が進み、書類のやり取りも紙ではなく「電子データ」で行える場面が増えています。しかし、まだまだ「紙」のまま管理している企業も多いのではないでしょうか。

私も色々な会社を支援する中で、紙資料を残さなければいけない、残すべきだ、紙の方が便利だ、今までのやり方を変えたくない、紙で保存することが求められている、などなど、、、さまざまなご意見をいただく中で、丁寧に少しずつ、皆が笑顔になるような形でのペーパーレス化を推進してきました。

今回は、そんな「ペーパーレス化」を進めるメリットや成功のコツを、簡単にお伝えしていきます。ポイントは「楽に始める」です。

ペーパーレス化のメリット

そもそも、今動いている業務のやりかたを変えてまで、なぜペーパーレス化を推進する必要があるのでしょうか。ペーパーレス化のメリットについてまとめてみます。

いつでもどこでもアクセスできる

紙で保存していると、出先や別拠点から確認したいときに、「現物が手元にない!」となりがちです。

  • クラウドやNAS に電子データを保存すれば、場所や時間を問わずアクセスでき、検索も簡単にできます。

  • バックアップ さえ適切に取っておけば、災害などで紙が紛失するリスクを大幅に低減できます。

リモートワークや多拠点業務にも最適

リモートワークが増える中、「紙がオフィスにしかない」 ために情報が確認できない、という状況は非効率の極みです。

  • 電子データなら社外にいてもすぐ照会可能です。

  • 誰かがファイルを持ち出していて他の人が見られない、というトラブルも減ります。

セキュリティ上のメリット

紙の書類を紛失すると大きなリスクですが、電子データなら権限設定 でアクセスを制限でき、取得した記録も残せます。

  • 適切に管理すれば、無断コピーや持ち出しを防ぎやすいです。

  • 「紙で置いていて誰でも見られる」より安全な場合が多いのです。

FAXを自動取り込み

いまだに広告FAXなどがジャンジャン来る会社も多いと思いますが、受信FAXを自動でPDF化 して、定められたフォルダに格納しておけば、不必要なものは印刷不要です。

  • 必要な情報は印刷せずに社内チャットなどで電子的に共有するだけで済むケースも多いです。

  • いちいち紙でチェックしないのでゴミが減り、経費削減にもなります。

「電子帳簿保存法」への対応

近年の改正により、電子帳簿保存法 は企業の「証憑(しょうひょう)保存」において、電子データでの保存を原則とする 方向へとシフトしています。これには「紙に印刷した書類は証拠として認められない」ケースが増える可能性も含まれています。

つまり、ペーパーレスにしなければならないという要請が高まっているのです。

  • 電子保存を義務化する流れ
    国税関係書類や取引情報の一部については、紙での保存から電子データ保存への移行が求められ始めています。印刷物を保管していても法的に無効扱いになるおそれがあり、従来の「紙ファイルを棚に並べる」手法ではリスクが生まれます。必須となる一部の情報だけ電子保管をすると、情報が分散し、管理が難しくなります。

  • 法的リスクの低減
    きちんと電子データで保管しておけば、「証拠としての適正性」 を満たしやすくなると同時に、税務調査などの際にもスムーズな対応が可能です。逆に言えば、紙ベースのままだと、法的要件を満たせずに罰則や追徴のリスクが高まる可能性もあります。

  • 「電子化しない」という選択肢が通用しなくなる
    今後さらに改正や実務上の運用が進めば、紙を保管し続ける理由が法的にも通用しなくなっていくと考えられます。結果として、ペーパーレスが半ば強制的に進む可能性が高いため、早めに取り組んでおくほど移行コストや社内負担を抑えることができるでしょう。

このように、国の制度としても「ペーパーレス化」が後押しされる時代になりつつあります。単なる効率化やコスト削減だけでなく、法的リスクをコントロールする上でも、ペーパーレスは回避できない選択となり始めているわけです。

ペーパーレスを阻む要因

「紙で保存する決まり」がある??

多くの企業では「法律上、紙で7年間保管しなければいけない」とか「ハンコが必要」など、既存ルールを無批判に守る文化が根付いています。

  • 電子帳簿保存法や電子取引データの取り扱いについては、制度が変わりつつあり、PDFや電子保管でよいケースが拡大しています。行政関係の文書についても電子保管を原則とする動きが急速に進んでいます。

  • 「ただの慣習でハンコが求められてる」だけの可能性もあるため、一度ルールの本質を見直してみることが重要です。

トップの意向と中間管理職のジレンマ

「社長はペーパーレス化したいって言ってるのに、中間管理職が「指示がないから」とペーパーレス化を具体的に決められない、なんて状況が非常に多いです。

  • 実際はトップが明確な方針やルールを出していないのに、「現場に任せる」と言っているだけのことが多いです。

  • 最終的にはトップの責任でルールを整備しなければ、現場は動きづらいものです。

人のせいにして変革を諦める

「ウチの上司がハンコ文化だから」「経理の人が紙じゃないとダメと言っている」と言い訳して変われないケースもあります。

  • しかし、本質を考えれば、周囲を納得させるだけのメリットや具体案を示すことで動かしやすいものです。

  • いつまでも「他人のせい」では何も変わりません!

本質を考え、ルールを作り直す

どの書類が本当に紙で必要なのか、棚卸しをしてみる

実際に紙で保存せねばならない法的義務のある書類は意外と少なく、一部は「電子でOK」になってきました。

  • 全書類のリストアップ → 「これは本当に紙か?」→「法的根拠は?」「誰がいつ見る?」と確認してみましょう。

  • PDF化で問題無いものが大半なケースが多いものです。

「紙から電子」へ移行する行動ルール

トップが実践的なルールを明文化すると、現場は動きやすくなります。

  • 「FAXはすべて自動でPDF化する」

  • 「業者との契約書は可能な限り電子締結を推奨する」

  • 「紙保管が必要なものは「紙保管必須」とわかるシールを貼って保管場所を統一する」

こうしたガイドラインを設けると、中間管理職も迷わずに進められます。

バックアップと適切なアクセス許可設定を徹底する

電子データに移行すると言っても、バックアップアクセス権限管理 は必須です。

  • クラウド を利用する場合は、万一に備えたローカルへのコピーも検討しましょう。

  • NAS (社内のネットワークストレージ)を使うなら、定期的に外部ディスクにバックアップを取る仕組みを用意します。

  • フォルダごとにアクセス権を設定し、「閲覧だけOK」「編集は特定メンバーのみ」などを細かく決めていきます。

小さく楽に始めるペーパーレス

紙の書類を電子化するためには、スキャナという装置が必要ですが、オフィスにある複合機にはスキャナ機能が付いていますので、こちらを活用するのが良いでしょう。

まずは使いやすいファイル置き場の準備

ポイントは、まず「どのように整理するか」をきちんと決定してから始めることです。このステップをいいかげんにしてしまうと、後から大変使いづらいものになってしまいます。

会社の内部の管理方法や業種によっても異なりますので、可能であれば全員で議論をしてから進めるのが良いでしょう。
例えば、年度→部署→書類名、であったり、顧客名→年度→書類の種類→書類名、が良いとなったりします。

運用を始めて3ヶ月間は、できるだけ月に2回程度、ファイル名の命名規則やフォルダ構造について全員で議論し、使いやすい構造を決めていきます。その後固定して、1年後に見直しをしていく、というのが良いでしょう。

すべての関係者が、紙書類をスキャンして保存する、という業務フローにしておくことも大切です。誰か担当者を決めてスキャンするのではなく、すぐする、ということが重要です。

ペーパーレス化の進捗を簡単に報告。「今月は紙消費が先月比20%減です!」など盛り上げていくことも効果的です。成功事例や課題を共有し、社内で知見を蓄えていきましょう

「メモが取りにくい」はどうする?

「でも紙の資料にメモを書き込むのがラク」という声を、よく聞きます。たしかに手書きのスピード感は魅力ですが、下記の方法で「電子ならでは」のメリットを活かすことを考えて、実践してみるのはいかがでしょう。

  • PDFに直接注釈を入れる
    例えばAdobe Acrobat Readerや無料のPDF注釈ツールを使い、ハイライトやコメントを手書き風に書き込むことができます。

  • 画面で見ながら音声入力でメモ
    音声入力を活用するのも電子ならではです。簡単にテキスト化が可能です。

  • タブレット端末 + ペン
    紙に近い書き味のデバイスも増えているので、もし頻繁に手書きが必要なら検討してみてください。

「手書きじゃないとダメ」という思い込みを捨て、慣れれば楽だという段階まで練習するのも大事です。

リモートワークの推進にもつながる

ペーパーレス化 が進めば、紙を扱うためにわざわざ出社する必要が減り、リモートワーク がしやすくなります。さらに拠点が複数ある企業では、書類共有のための郵送コストや時間が不要 になり、管理もスムーズになります。
「紙の山を捜索する」などの非効率をなくせば、従業員のストレスも減り、本当に必要な業務へ集中しやすくなります。

変われないのは、人が「決めない」だけ

ペーパーレス化の障壁としては、制度や書式、習慣…などいろいろありますが、本質は人間の意識や組織の意思決定 にある場合がほとんどです。「誰かのせい」「昔からそうだから」と考えている限り、いつまでたっても紙で右往左往するままです。

  • トップが方針を示す

  • 現場が具体的にルール化し実行

  • 定期的に振り返り・改善

このサイクルを回せば、ペーパーレス化は十分に可能。紙というメディアが便利な場面もありますが、それを超えるメリットをみんなで見いだし、新しい働き方に踏み出す勇気を持つことが大切です。

さあ、一歩を踏み出そう

もし「紙の書類が多すぎる」「リモート化が進まない」とお悩みなら、今日からできる小さなアクションを考えてみてください。FAXの自動PDF化だけでも、劇的に楽になるかもしれません。
最初は戸惑いや反発があるかもしれませんが、ペーパーレス化はコスト削減や利便性だけでなく、社員が働きやすい環境づくりにも直結する取り組みです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

今回お話ししたステップが、少しでも皆さんの導入のヒントになれば嬉しいです。わからない点や「ウチではこうしてるよ」という事例があれば、ぜひコメントでシェアしてください。ともに学び合い、紙に縛られない快適な仕事環境を作っていきましょう!

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