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デジタル時代の千年企業とは??

皆様、こんにちは。「笑顔工学」の専門家、木村光範です。前回は千年企業が大切にしている「公利公益」の精神や、「伝統と革新」についてお話ししました。今回は、デジタル時代における千年企業の智慧、特に「変化と不変の調和」について、カイゼンの観点も交えながら深掘りしていきます。

「笑顔工学って何?」と思われた方は、自己紹介の投稿を是非ご覧ください・・・。

デジタル革命と経営環境の激変

私たちは今、Industry5.0とも呼ばれるデジタル革命の渦中にいます。AI、IoT、ビッグデータ、クラウドなどの技術革新により、ビジネスの在り方が根本から変わりつつあります。こうした変化は今後さらに加速するでしょう。

Industry 5.0は、人間と機械が協力し合い、技術の進化が単なる効率向上だけでなく、人間の幸福や創造性の向上を目指すもので、日本でも「人間中心の産業社会」を目指す取り組みが進められています。「2023年版ものづくり白書」でも指摘されている通り、デジタル技術と人間の協調を重視した取り組みが現代社会において重要視されています(経済産業省, 厚生労働省, 文部科学省 (2023)『2023年版ものづくり白書』)

このような激動の時代において、企業が生き残り、持続的に成長するためには、「変化」に適応する能力と、「不変」の価値を守り抜く力、その両方が求められる、というのは前回の記事でお伝えした通りです。
IT業界に27年身を置いている私としては、今回「デジタル化」にフォーカスして、千年企業がどうあるべきなのか、紐解いていきたいと思います。

デジタル技術を活用したカイゼン

千年企業も時代の変化に合わせて進化を続けています。その一つの形が、デジタル技術を活用したカイゼン(改善)活動です。トヨタ生産方式で知られるカイゼンの考え方は、日本のものづくりの強みとして世界的に認知されています。

デジタル時代においても、このカイゼン精神は健在です。例えば、IoTセンサーやAIを活用することで、生産ラインの異常を早期に検知し、効率的な改善活動につなげている事例があります。

デジタル時代のカイゼンについては「カイゼン5.0」として、また別の機会にご紹介しますね。

しかし、これらの技術や改善の実践だけでは、企業の長期的な存続は保証されません。デジタル技術の導入と共に、企業のあり方や社会との関わりを見直し、持続可能な価値を創造し続けることが求められます。

変化と不変の調和:デジタル時代の経営哲学

デジタル時代における千年経営の智慧とは、「変化」と「不変」の調和を保つことにあります。新しい技術やビジネスモデルを積極的に採用しながらも、企業の根幹を支える価値観や強みを守ること。それこそが、長期的な成功と持続可能性をもたらす最大の鍵です。CultureGoodsさんの記事でもDXを成功させるには、デジタル技術の導入だけでなく、企業文化そのものを変革することが重要だと紹介されていました。まさにここが重要です。

すなわち、企業が長く存続するためには、技術だけに頼るのではなく、経営哲学や価値観の共有が重要です。企業が持つべき基本的な問いとして、「私たちは何のために存在するのか」という問いが挙げられます。この問いに対する明確な答えこそが、変化の中で企業が一貫して持続し続けるための羅針盤となります。

また、持続可能な組織作りには、経営理念の共有だけでなく、変化に対応する柔軟性と持続的な改善活動が不可欠です。トヨタの「カイゼン」に象徴されるように、全従業員が日々の業務で改善を意識し、より良い結果を目指すことが、組織全体の競争力を高める基盤となります。このような文化を育むことは、企業がデジタル技術の進展に伴う変化に適応し、持続可能な成長を遂げるために必要です。

千年企業を目指すための視座

企業が永続するためには、技術革新と人間性のバランスが鍵となります。技術の導入は効率向上や新しい価値創造を可能にしますが、それと同時に、企業が社会的価値を提供し続け、地域コミュニティとの絆を強固にすることが長期的な存続の基盤となります。

たとえば、日本政府が提唱する「人間中心の産業社会」を目指す取り組みは、まさに技術と人間性の融合を目指したものです。また、マッキンゼー・アンド・カンパニーの2023年の調査によれば、COVID-19パンデミックをきっかけに加速したデジタル化の傾向は続いており、多くの企業がデジタル技術への投資を重要な優先事項と位置づけています(McKinsey & Company. (2023). "The state of AI in 2023: Generative AI's breakout year")。技術革新に積極的であることは、企業の競争力維持にとって欠かせない要素です。

しかし、技術の導入のみならず、企業の価値観や理念の深化も同時に進めることが求められます。「私たちは何のために存在するのか」という問いに向き合い、社会と共に成長することが、千年企業を目指すための視座となります。技術の進化に適応する一方で、社会への貢献と地域社会との共存を大切にする姿勢が、企業の持続的な発展を支える鍵となります。

おわりに

デジタル時代において、企業が長期的に成功するためには、変化への適応力と不変の価値観の両方が必要です。デジタル化の前に大きな波としてあった「産業革命」を乗り越えてきた「千年企業」の智慧は、この両者のバランスを取ることの重要性を私たちに教えてくれています。

Industry 5.0の時代において、企業は単なるデジタル技術の導入だけでなく、「人間中心の産業社会」を目指す必要があります。これは、技術と人間性の融合を意味し、効率性の向上だけでなく、人々の幸福や創造性の向上にも焦点を当てることを意味します。千年企業を目指す上で重要なのは、以下の点です:

  1. 変化に適応する柔軟性と、不変の価値観を守る強さのバランス

  2. デジタル技術を活用したカイゼン活動の継続

  3. 「私たちは何のために存在するのか」という問いへの明確な答え

  4. 社会的価値の提供と地域コミュニティとの絆の強化

  5. 技術革新と人間性のバランスの追求

これらの要素を統合し、企業文化として根付かせることが、長期的な存続と成功の鍵となります。

次回以降は、千年企業における「人材育成」と「組織文化」について深く掘り下げていきたいと思います。デジタル社会において、どのように人材を育て、組織の文化を守り、さらに発展させているのか。そこには、現代企業が学ぶべき多くのヒントが隠されています。

ぜひ次回もお楽しみにしていただければ幸いです。

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