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笑顔あふれる職場づくり 〜アイデアソンのすすめ〜

こんにちは。笑顔工学の専門家、木村光範です。
笑顔工学って何??という方は、ぜひ自己紹介をご覧ください!

今回は、職場の活性化と従業員の幸福度向上に役立つ「アイデアソン」を中心に、その運営方法や効果について詳しくご紹介します。
その前に、少し「幸福学」の紹介をしておきます。

「幸福学」について

笑顔工学では、関わる人たちの笑顔、すなわち幸福度を高めることを目指し、情報通信工学と経営工学の手法を用いて科学的に実践をしていきます。
この1つの基盤に、前野隆司教授(慶應義塾大学) が提唱する「幸福学」があります。幸福学では「幸せの4つの因子」を下記の通りとしています。

  • 「やってみよう」因子(自己実現と成長)

  • 「ありがとう」因子(つながりと感謝)

  • 「なんとかなる」因子(前向きと楽観)

  • 「ありのままに」因子(独立性と自分らしさ)

笑顔工学は、これら4因子を基に、職場環境のカイゼンに取り組むための手法です。前野教授の『幸せのメカニズム 実践・幸福学入門』(2013) では、これらの因子が幸福度にどれほど重要な役割を果たすかが示されています。

リモートワークを含む多様な働き方が進む現代においては、情報通信技術がこれらの因子の浸透を支えています。たとえば、社内チャット(Slack、Chatwork、Teams、Google Chat、LINE、Messengerなどなど) を活用することで、リモートワーカーもリアルタイムで議論に参加し、意見を交わすことが可能です。離れた場所にいる社員も、感謝のメッセージを受け取ったり、他の部署の成功体験をすぐに共有できるため、職場全体に一体感が生まれます。(リモートワークでの一体感醸成については別の記事で今度触れますね)

アイデアソンとは?なぜ必要なのか?

さて、今回のテーマはアイデアソンです。
これは「アイデア」と「マラソン」を組み合わせた言葉で、一定の時間内に参加者がアイデアを出し合い、問題解決や新たな発想を生むことを目的としたイベントです。組織内でアイデアソンを行うと、各社員が主体的に参加し、他部署の人と協力しながら改善策を考えたり新しい企画を練ったりする機会が得られます。

なぜアイデアソンが必要なのか?
アイデアソンが求められる理由は、現代の企業が抱える多くの課題と直結しています。特に以下の3点が重要です:

  1. 多様なアイデアの必要性
    従来の経営手法やアイデアだけでは解決しづらい複雑な問題が増え続ける中、異なる部門や視点からのアイデアが新しい解決策を生むことが期待されています。アイデアソンは、職場内でのオープンイノベーションを促進し、全社的な課題解決の可能性を広げます。たとえば、製造部門の課題に対して営業部が提案をすることで、新たな視点からの改善策が生まれることがあります。こうした取り組みは、「やってみよう」因子を高め、社員の挑戦意欲や成長意欲を引き出す場ともなります。
    また、社員同士が部門の壁を越えてアイデアを出し合うことで、会社全体に「ありがとう」因子が芽生えます。異なる部署からの視点が加わることで、気づかなかった課題が浮き彫りになり、意見を交わしながら共通の目標に向かうことで感謝と協力の気持ちが育まれます。

  2. 社員の主体性と成長意欲を高める
    アイデアソンに参加することで、社員は自分のアイデアが会社に貢献できることを実感し、自信を深めます。「自分がこの企業でどれだけ貢献できるか」という実感が得られる場があることで、社員の主体性が引き出され、会社全体の成長に繋がるのです。このプロセスにより、社員は「なんとかなる」因子を感じ、困難な状況でも前向きに取り組む姿勢を持ち続けることができます。社員が「アイデアを出してもいいんだ」「仮に失敗しても、学びがある」と感じられる環境は、柔軟で前向きな組織づくりに不可欠です。

  3. リモートワーク下での一体感を強化
    リモートワークが普及する中で、アイデアソンは全社員が参加しやすいフォーマットを提供します。オンラインで実施されるアイデアソンは、場所を問わず誰もが参加できるため、リモートワーカーも積極的に意見を交わし、全社的な一体感を育てるのに役立ちます。とくに、リモートワークでは業務連絡に終始しがちなコミュニケーションが増える中で、アイデアソンは業務以外の考え方を共有する場となり、社員間の信頼感を醸成する機会となります。社員が自身の「ありのまま」を発信し、他の社員もその価値を認め合うことで、多様な働き方や意見を尊重する企業文化が形成されます。

上記に示した通り、アイデアソンの取り組みには、随所に幸せの4因子がちりばめられ、幸福度が上がっていき笑顔になることがおわかりいただけたのではないでしょうか。

実際に私が関わる企業でも定期的に行っており、笑顔が増えているように思います。離職率が低下したというデータも出てきています。

アイデアソンの運営方法:リモートワークでも効果的に実施

1. テーマ設定と事前準備
アイデアソンは「業務効率化」「職場環境の改善」「新製品アイデア」など、会社の課題やニーズに合わせたテーマ設定から始まります。テーマを明確にすることで、提案が具体的で実現可能なものになりやすくなります。また、開催の1週間前から、社内チャットでアイデアを募集し、リモートワークの社員も含め全員が意見を自由に投稿できるようにします。

2. 当日のプレゼンとディスカッション
当日は、各社員が自分のアイデアを3~5分で簡潔にプレゼンし、他の社員とディスカッションを行います。デジタルホワイトボードやオンライン会議ツールを活用することで、リモートワーカーもスムーズに参加でき、場所を問わずに全員で活発な意見交換が行われます。別の部署の社員から意外な視点が加わることで、提案がより創造的で実行可能なものに仕上がるケースも多く、全社的なイノベーションが自然と進んでいきます。

3. アイデアの評価と即時実行
ディスカッションの後、全員の投票でアイデアの評価を行い、支持を集めた提案には即実行のための予算を割り当てます。「自分の提案が実現に向かう」という体験は、社員の達成感や自己成長に直結し、リモートワーカーも含めた全社員が次の挑戦に意欲を持てるようになります。

4. 成果のフィードバックと感謝の共有
アイデア実行後には、進捗や成果を社内チャットや進捗管理ツールで共有し、リモートワーカーも含めた全員がその成果を実感できるようにします。また、「ありがとう」のメッセージが集まる仕組みを整えることで、職場全体に感謝の気持ちが広がり、社員の一体感が深まります。報告会などを開かず常に共有ができるのがデジタルツールを活用するメリットでもあります。


アイデアソンがもたらすイノベーション

アイデアソンは、かつてから日本企業で行われてきた「QCサークル」とも通じる取り組みです。QCサークルが小集団での改善活動に重点を置くのに対し、アイデアソンは全社的に取り組むことで、部署を超えたアイデアが生まれ、イノベーションの場となる特徴があります。たとえば、ある部署の業務改善に対して、別部署の社員が新しい視点から提案を加えることで、思いがけないイノベーションが生まれることがあります。

こうした多角的な視点は、リモートワーカーを含む幅広い従業員の参加によってさらに強化され、職場の活性化に繋がります。社員一人ひとりが、自分の提案が全社に影響を与える可能性を感じ、貢献しているという実感を持てる環境が構築されます。


笑顔工学でリモートワークにも対応する一体感のある職場へ

アイデアソンを通じた笑顔工学の取り組みは、リモートワークを含めた全社員が一体感を持ちながら働くことを可能にします。情報通信技術を活用することで、リモートで働く社員も即座にフィードバックを得たり、提案を受け入れられる環境が整い、全社的に活力のある職場づくりが実現されます。

皆さんの職場でも、ぜひアイデアソンを活用し、笑顔あふれる職場を目指してみてください。まず一度試してみていただければ楽しいと思います。ぜひ結果を教えてくださいね!

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