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回復をデザインする
昔、すごいパワハラな上司に当たってしまい、だいぶメンタル的に強いと思っていた自分でも、参ってしまうということがありました。
会社に入ってはじめて、産業カウンセラーの人に話を聞いてもらったものの、申し訳ないのですが全く効果はなく、会社は儀式的にこういうことをやってるんだと感じただけでした。
結局その上司から離れることで緩和したのですが、それでも同じフロアで働いていたし、仕事上の関わり合いは続いていて、その頃は空を見上げるのも億劫な感じになっていました。
だいぶダメージが溜まっていたんだと思います。
マネジメントする立場になり、メンタルダウンする人に向き合う機会もありましたが、一連の経験を通じて痛感したのは、メンタルダウンした状態になってしまうと回復するのは容易ではない、かなりの時間の損失になるということです。
こういった状態にならないためにどうしたらいいのか、考えた結果到達したのがダメージと回復のデザイン、しかもそれを時間単位で考え、1日をプラスで終わるようにケアするという考え方でした。ダメージ、疲れに自覚的になるのです。
若い時は無理がききますが、中年になると体力の低下に伴い気力が低下します。気力をあげるために体力づくりをするという努力は意識してやるようにしてました。
自分の場合、ダメージの発生源として
通勤電車、準備不足の会議、オプションに不安のある交渉ごと、他人の見通しの甘さからくる割り込み、約束の不履行とそのリカバリー、得意でない仕事、嫌いな仕事などがあります。
そういった内容に対して、まずは、発生させない、その次に緩和、予測の未来的、空間的な拡張をすることによる仕事の先取り、人からの仕事をまたず、自分できめるリード・ザ・セルフなど予防線を張りますが、それでもダメージは受けます。
予測の未来的、空間的拡張とは周りの人がやっているタスクや、組織がやるべきタスクでタイミング的に本来やるべきなのに放置されていることはないかサーチすることです。これはどこまでというのがありますが、逆に言うとこの時間的、空間的なサーチを広くとれる良い状態に自分をおいておく余裕を作り出すことが大事です。
ダメージを受けやすいパターンを知り、あらかじめ予定の作り方にそれを反映しとくのも大事です。私は外部のミーティングを月曜日にすると心の準備で週末が侵食されたり、内容をロードするオーバーヘッドが大きいので避けてます。朝一にも、ミーティングを入れないようにしてます。制御と同じで、1日の予定はソフトスタート、ソフトストップという感じです。
また、若い頃は嫌と言わない、なんでも自分でやるというスタンスでしたが、40代になると自分の嫌いなことに自覚的になり、外部とのミーティング調整や自分でなくてもできるファシリテーション、ルーチンのセットアップと実行はアシスタントの人やデリゲートできる人にお願いするようにしてます。
仕事の終わり方として、可能なら16時以降は打ち合わせはあっても、インターナルなものに寄せて神経を使わないようにする、次の日にやることを少し着手、準備して終わるように心がけます。
ダメージを受ける想定の予定の後は、回復する時間を設けます。下手に仕事を詰め込まず、負荷の軽いルーチンや、ゆとりを持って考える時間、コーヒーブレイクなどで意図的にブロックしときます。ダメージをほぐさないまま次にまたストレスがたまる予定に突入すると疲れが倍、3倍にキャリーオーバーされます。きちっと緩和するイメージを持つことが大事です。
あと1日の終わりにハードシングスを入れないようにしましょう。人間の脳はよくも悪くもいい加減なので、感情が上向く行為、創作、雑談、戦略雑談などなど人それぞれワクワクすることで締めくくるように意識がけると良いでしょう。そして急ブレーキではなくソフトランディングで終わるのです。
こういった工夫を取り込み、無理にダメージを我慢して凌ぐということを取り除く努力を継続した結果、心理的に落ち込むということがほぼなくなりました。
こういった取り組みは一種のジョブクラフティングと呼ばれるものだと思いますが、人の好き、嫌いでいろんなパターンがあると思います。
自分が好きなパターンを見つけて、毎日をデザインし、日々のハッピーな収支がプラスになるように生きると決めると前向きになれるのでおすすめです。