姿勢を正す
私のお気に入りの韓国ドラマに「今日のウェブトゥーン」というドラマがあるのですが、こちらの作品の原作が実は日本の漫画だということを最近知り、ドラマが好きだったこともあり読んでみました。
それが、重版出来という漫画です。日本でもドラマ化されていますが、この漫画の主人公の黒沢心のキャラクターがキム・セジョンさんにピッタリで、ストーリーも韓国でよく読まれるウェブトゥーンの編集部という形でリメイクされているのですが、キャラクターのキャストに全く違和感がありません。韓国ドラマの脚本力恐るべしなのですが、今回はそういうことを言いたいのではなくて重版出来の中であまりにも素晴らしい台詞がでてくるので、そちらを紹介したいと思います。
主人公黒沢心の職場は漫画の編集部、編集の仕事は作家の仕事を編集し、世に送りだすことです。
自分の仕事に矜持を持てているのか。
ドキッとしたセリフです。
黒子に徹する職人さん達。そういった勤勉な名もなき人達の仕事がこの国を下支えしているのだと再認識した言葉です。
好きという力の可能性は巨匠水木しげる先生も「好きの力を信じる」と幸せになるための7箇条で話してますよね。
作家さんのお仕事は、自分の作品が好きで仕方ない人しか残るのが難しい世界ではないでしょうか。不安の中で、挫折しそうな中でも大好きだったから向き合ってきた時間が自分を高めてくれるのだと思います。
一度は、漫画家の道を離れた作家さんが、また自分自身でその道に戻ってきた。
作家さんは、本意でない創作活動でメンタルを崩し、漫画家から少し離れていました。
でも他の仕事をしながら、やっぱり諦めずに漫画を描き続けていた。そこで掴んだチャンス。
「もしもあのとき違う選択をしていたら」
「もしもあのミスがなければ」
そんな後悔ですべてを諦めずに、あのとき選んだ選択も、ミスも乗り越えて大切なものに向き合っていたら、夢はわたしを待っていてくれた。
強くなった彼女は確かな確信と共に再び漫画の道に戻ってくる。
ちょっと感動したエピソードでした。
こんな台詞がさらっとでてきます。
仕事には何よりも誠実でなければいけない。
それがなければ成立しない。なんと崇高な美意識。思わず姿勢を正しました。
重版出来にはこんな素晴らしい仕事感を持った人がたくさん登場し、そしてエモい言葉を残していきます。名作です。ぜひ読んだことがない方は読んでみてください。