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長編小説の書き方<小説の書き方>

 パンツァー(即興執筆特化型)作家が長編小説の書き方を指南します。

 指南? なんだか偉そうですね?


はじめに

 これを読んでる人は「掌編/短編小説なら書ける」という人を前提とします。
 つまり、自分流のキャラクターの動かし方を理解してる人です。

 それができない人は細かい説明をしないので覚悟して呼んでください。

 まぁ私も処女作で7万文字超えたので、いきなり書けない訳じゃないと思うけど。10万文字超えるのは大変じゃないかなぁ。

長編小説はマラソンなのか

 なんだか検索してみると良く見るフレーズ。

 「長編小説の執筆はマラソンである」

 私の感覚はちょっと違いますね。

 スクーバで海に潜ってるのと似た感覚です。

 エアボンベ装着して、すいすいと空想の海を漂います。

 ボンベが尽きる前に浮上して、ちょっと休憩したらボンベを交換してまた潜ります。この繰り返し。

 楽に思える? でもね~スクーバって体力使うんですよ!

 喉もからっからになるし、思ってるより大変。

 平坦な道を走るマラソンっていうより、私はいろんな移り行く景色を眺めるスクーバが体感的に近いと思います。

 海の中って、時間と共にすぐ変化するからね!

 何より私の長編執筆、ゴールなんて特に決めてないしね!

 ゴールを決めるのは主人公。
 彼らが納得するまで潜り続けます。

長編小説の始め方

 まず頭の中の地球儀を回します。

 地球儀を眺めながら時代を動かして、どんな時代のどんな地域にするかなーって考えます。

 地球儀の上には空想の大陸が映り込むこともあります。

 というかそのパターンがほとんどですね?

 そしたらその地域に住む、誰か素敵な人を考えます。

 主人公に相応しい、長い物語を紡げる人ですね。

 このインスピレーションは文字で降ってくる事もあります。

 たとえば「愛の魔物(の前身である短編)」とか「魔王の娘」って文字が振ってきました。
 「魔王の息子は書いたし、魔王の娘もいいな?」ってなりました。

 あとは「魔王の娘」にインスピレーションで肉付けしていきました。

 ただの魔王の娘じゃドラマがない。

 主人公になるからにはドラマが必要です。

 めちゃめちゃ強い、けど弱さも抱えてる。

 よし、魔族なのに愛と平和を愛する心を持つことにしよう!

 ……これはまぁ、ありきたりなパターン。

 そこから「それだけじゃつまらないな」って空想していくと、「粛清担当」だとかいう不穏な設定が出てきました。

 心に愛を持つのに、粛清担当?

 矛盾していて、いい感じですね。

 そんな感じで肉付けされたのが「前略~」の主人公エフィーリアです。
 その子をベースにさらに肉続けしたのが「愛の魔物」の主人公、リーゼロッテとなります。心に愛を持ち、愛と平和を愛するのに、無能な同族を粛正する義務を負わされる魔王の娘。

 親への愛を一方通行で抱き、父親から愛して欲しいと願う子。

 心から愛を欲するのに、人間たちから食料として愛を食べないと生きていけない。
 愛を受けても食料として食べてしまうから、心が愛を受け取れない。
 だから彼女は「愛されること」を知りません。

 心が慈愛に溢れ、他人からの愛に飢えてる、愛を渇望しながら愛を捕食する魔物。
 そんな矛盾の塊みたいな娘です。

 いいですね! これなら長編が書けそうです!

 というわけで愛の魔物は最終的にルビ込みで60万文字になりました。

 長いですね!

長編小説の進め方

 実は出だしは結構苦労しました。

 「なろう小説」は出だしのフックが肝要です。

 なんとかインパクトのある場面を作ろうと、2回か3回書き直しました。
 冒頭シーンだけ。

 イメージはもう頭の中にあるので、言い回しを変えてみただけでしたけどね。私はキャラクターに忠実なので、彼らの言いたくないこと、やりたくないことはさせません。

 あとはもう、頭の中に居る主人公や脇キャラたちが思うままに動かしてやるだけです。

 なんせ魔族なので、野心とか嗜虐心が豊富です。

 放っておいても彼らがドラマを作っていく。

 キャラの数だけ思惑があり、それらが交差していく。

 あとはそれを忠実に文章で表現してあげるだけです。

 一貫性のなさやキャラの矛盾は、「キャラに忠実」であるかぎり起こりません。
 もし起こるとしたら、それは脳内でキャラが固まってないからでしょう。

 細部を決めなくても「そのキャラの魂(個性の根底)」をしっかりイメージできてれば、彼らがぶれることはないですから。

長編小説の終わり方

 これはとっても簡単です。

 主人公が「もう人生に満足」ってなったら終わりです。

 オープンエンドにすることもあります。

 希望のある未来を感じて主人公が満足しちゃうパターン。

 「霧の国へようこそ」なんかは、続きが50万文字未公開ですが。

 あれは公開した方が良いのかなぁ?
 エピローグが決まらないんだよな。

 悩むところです。

 ハイファンタジーのくせにFSSやり始めるしな?! 誰得?!

まとめ

 パンツァー(感覚型)作家流の「長編の書き方」はいかがでしたか。

 プロッターだとゴールまでみっちりプロットを練るらしいですね。

 私はそれをできないし、仮にプロットを立てられても書けないので、プロッターが見てる世界がどうなってるのかはわかりません。

 でもパンツァーが見てる世界ってのも覗いてみませんか?

 と思ったので記事にしてみました。

 え? 掌編作ってるのと何が違うのか?

 事前に主人公を選別してます!(キリッ)

 違いはそこぐらいですね。

 主人公が決まったら1時間4000文字くらいのペースで時間が許す限り書き綴っていきます。

 だいたい1~2週間で完成するので、ウェットスーツを抜いで「できたー!」とか喜びましょう。

 クルーザーが港に着いたら投稿してお終いです。

 あとは読者の反応を釣りを楽しむように待ちましょう。

 

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