見出し画像

実演! 即興執筆!パート2(動画付き)<小説の書き方>

 いやーやっぱりお酒を飲んだ翌日は集中力が出ないですね。

 良くないです。アルコール。

 というわけで懲りずに今回も実演してみます。


ルール

  • ノーアイデアでスタート。

  • AIにキーワードを3つ提案させる。

  • どれか1つを物語に絡める。

  • 制限時間30分。

  • 文字数制限なし。

  • タイマーが鳴ったら途中でも終了。

即興執筆

キーワード

  • 砂時計

  • 忘れられた街

  • 音のない雨

本文

 サラサラと天井から砂がこぼれ落ちてくる。

 この明かりのささない暗い洞窟で、砂だけが静かに時を刻んでいた。

 降り積もる砂が山となるが、砂山はすぐに崩れ、谷底へこぼれていく。

 ――ここは忘れられた町。古代の遺跡。

 私はいつからかここに住み着き、今も砂時計を見つめている。

 いつからだったっけ? もう、遠い昔のような、つい最近のような。

 私は誰で、名前は何だったのか。

 それを教えてくれる人は居ない。

 いつまでもいつまでも、私は静かに降り積もる砂時計を見守り続けた。


「――サラ!」

 背後から大きな声が反響し、辺りに木霊していた。

 サラ? 誰?

 私はゆっくりと振り向いた――その先に、ゴーグルをつけた小さい女の子。薄汚れたコートにハーフ丈のパンツを付けた、なんだかワイルドな少女だ。

 ――でもなぜだか、彼女には見覚えがあった。

「サラって誰の事ですか?」

 少女はヅカヅカと私の前に大股で歩み寄ってきて告げる。

「あんたよ、あんた! サラ! 今までどこに行ってたの!」

「どこと言われても……私は最初から、ここに居ましたよ?」

 少女が懐から四角い機械を取り出して私に向け、なにやら右手で捜査を始めた。

 ピコピコという音が洞窟に響き渡り、彼女の真剣な顔を私は見つめた。

「……間違いない、登録番号R2-260。私のサラだ。
 崖から落ちたあと、ずっと探してたんだけど……まさか、記憶障害?」

「はぁ……何のことでしょう? 私はずっとここで砂を見守っていたのですが」

 少女がため息をついて私の背後に回り、私の首の後ろに何かをくっつけた。

「動かないで。今スキャンするから」

 私は黙って彼女の言う通りにしていた。

 身体を動かさず、落ちてくる砂だけを見つめ続ける。

 やがて少女がため息とともに告げる。

「――はぁ。やっぱりね。記憶系の回路に障害が出てる。帰ってパーツ交換しないと直りそうにないわ。サラあんた、ちゃんとついてきなさい」

「え、いやですよ。知らない人について行っちゃいけないって、昔――そう、遠い昔に誰かに教えられました」

 少女は顔を真っ赤にして私に声を上げる。

「そりゃそう言ったのは私だけど! あんたは故障してるの! 直さないと駄目って理解して!」

「はぁ……でも、私はこの砂時計を見守らないといけません」

 少女が小首を傾げて私に尋ねてくる。

「そんな砂を見て、何が面白いのよ」

「わかりませんが、見て居なければいけないような、そんな気がして」

 少女がため息交じりで告げる。

「そんなのはもういいから! 行くわよ!」

 少女は私の腕を引っ張り、洞窟の中をずんずんと進んでいった。

 私は背後の砂山を名残惜しい気持ちで見続けていた。


 少女と一緒に洞窟を抜けると、一台のバギーが止まっていた。

 二人乗りのそのバギーはなんだか懐かしくて、思わず手でさすってしまった。

『姉さん。いきなりボディタッチはマナー違反ですぜ』

「あっ、ごめんなさい」

 私は弾かれるようにバギーから手を離した。

 ……バギーって、しゃべれるんだっけ?

 少女が苛立たしそうに私に告げる。

「ほら急ぐよ! あの洞窟の崩落がそろそろ始まる! この付近にいると巻き込まれるからね!」

 少女は私をバギーの助手席に押し込めると、自分は運転席に飛び乗って勢いよくエンジンをかけ、アクセルをふかした。

『ヒャッホー! フルスロットルとはご機嫌だな! リサ!』

「いいからあんたは全力で突っ走れ! ぼろバギー!」

 勢いよく走り出したバギーの淵に掴まり、私たちを乗せたバギーは砂漠を疾走し始めた。

 ――遠くで何かが崩れる音が聞こえる。

 少女が焦ったように声を上げる。

「急げバギー! 崩落が始まった!」

『あいよ、リサ! 俺っちの全速力を超えた全速、見せてやるぜ!』

 ますます速度を増すバギーに、私はもう景色を見る余裕もなかった。

 やがて砂漠から大きな音がして、砂がこぼれ落ちていく音が聞こえ始めた。

 私はなんとか音のする方向に目をやると、遠くに大きな穴が開いていた。

 砂漠の大穴はみるみる大きさを増して、私たちの乗るバギーに迫ってくる。

 少女は無言でアクセルを踏み付け、まっすぐ前を睨み付けながら歯を食いしばっていた。

 私は静かな心で――ああ、あの町が砂に沈んだんだな、と理解した。


 町に辿り着いたバギーが勢いよく停車する。

 少女がふわりとバギーから飛び降り、私を助手席から降ろした。

「サラ、こっちだよ!」

 彼女に腕を引かれ、私は家の中に連れていかれた。

 台の上に寝かされ、少女の言葉を静かに聞く。

「いいかい、あんたの記憶回路を取り換える。
 長期記憶以外はリセットされちまうけど諦めるんだ。
 あの町の記憶は、もう持ち越せない」

 そうなのか。なんだか残念だな。

 やがて少女が私の首元にあるスイッチを押し、私の意識はそこで途切れた。

 閉じていた私の目から、一粒の雨が静かにこぼれ落ちていった。


 ここから追記パート! 本文は無修正なので誤字脱字残ってるよ!

実演動画(8倍速で2分52秒)

最初の44秒

 タイマーをスタートさせ、AIにキーワードを3つ出させてます。

次の38秒

 集中してイメージが浮かんでくるまで、無心で待ちます。
 ただキーワードを睨み続けてるだけで、何も考えてません。

次の1225秒

 イメージが湧いてきたので、執筆を開始します。

次の26秒

 時間が大幅に余ってるのを確認してからタイマーを止め、暇だから推敲を始めてます。直す気はなかったです。

次の22秒

 キーワードの1個が物語に組み込まれて居ないのに気づいて、ラスト一行を追加しています。

最後の17秒

 念のため、ざっと目を走らせて推敲してます。
 誤字脱字なんて、この時は目に入ってません。
 
うーん、やる気のなさが推敲に現れている……。


  • 時間:推敲含めて1332秒。22.2分でした。

  • 総文字数:1995文字。

  • 速度(推敲込み):約89.86文字/分、約5391.6文字/時

 集中力が出ない分は文章の質が落ちてるのかな。多分。

まとめ

 やっぱり飲むと駄目ですねぇ……。

 途中からアクセル踏めた感じはするけど、深く潜れた感じが足りない。

 いつもはもっと頭のてっぺんまで妄想に潜れるんだけどなぁ?

 まぁでも、「即興執筆って案外簡単だな?」って思ってもらえるきっかけになれば幸いです。

 パート3はこちら


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?