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アメリカ南部テネシー州 暗黒の最下層世界からの脱却!
暗黒の日々
え?生まれ育った街では結構モテて来たんですけど、、、
高校を卒業しアメリカ南部、テネシー州の大学へ入学した。
東京の大学には高校時代に遊んでもらった先輩達もいたからこそ、そこに行く自分の未来が楽しいものだと簡単に想像出来てしまい、このままでは遊びまくって終わる!とも確信できた。
そしてそんな陽気な先輩どころか日本人がいないであろう場所へ軽い気持ちで飛んだ。のが、地獄の始まりYo!、、、
アメリカには何度か旅行と交換留学などで訪れたことはあったが、言っておきますが、州が違うと国が違うくらいに違う!そしてその州1つ1つが日本よりデカイ!
人種の坩堝とか言いますが、坩堝ってない!完全なる棲み分けだ。混ざってなんかない。
そんな中、高校出たての世界を知らぬ僕ちゃんが選んだ場所はアメリカ南部のテネシー州という皆さんも聞いたことあるかも!くらいの州だ。
テネシー州といえば、テネシーワルツ、エルビスプレスリー、ジャックダニエルなどが有名か?大きな都市はメンフィスとナシュビル。ちょうどその中間地点に大学はあった。
南部は奴隷制度賛成!の土地柄、KKKなど差別が横行した地域だ。
そんな中、アジアのちびっ子がカーストのどの位置で存在していたのか!
ジャン!
圧倒的最下層世界!
ヒエラルキー的には、
白人→黒人→ラテン系→アジア
アジアの中でも日本人の男は最下層確定
理由は簡単
背が低い、英語が下手、レディーファーストの素地が無い、ユーモアがない、暗い、顔が子供、ダンスパーティーなどで積極性がない、アメフトできない、などなど
生まれてこの方、友達を作る努力、彼女を作る努力などしてこなかった、勉強もスポーツもコミュニケーションも全て適度にこなし、ちょっとスカして世の中を斜めから見てるようなやつだった人間が、突然の最下層世界での生活が強制的に始まった。
え、友達ってどうやって作るの?寮のルームメートは徴兵制から逃げてきたイカれたロシア人で、間違った日本の文化好きで、特にX japanと忍者が好きで、通販で手裏剣を購入し、おまえも持ってるんだろ?と言われ、ドアにズドン!と投げていた。人生で初めて折り紙ではない手裏剣を見たし、そんなに重いとは思ってもなかった。このイカれたロシア人は勝手に卒業アルバムから可愛い子の写真を切り取り、勝手に手紙を送ったり(当時は恐ろしいことに住所が記載されていた)、寝る前に食べているガムを壁にくっ付けて、次の日に剥がしてまた食べたり、お前は日本人だからX Japanを弾いてくれ!と言われてなぜかX Japanに詳しくなったりもした。
そうだ。僕はギターが弾けるんです。
それは置いておいて、相変わらず夢見ていた国際的なキャンパスライフどころか友達も出来ず、くっそツマラナイ大学生活を送っていた。
「ああああ、帰りたい」
白人はもう僕なんて人間が存在なんてしていないものの如く徹底的な無関心
黒人はからかってくる
なるほど
「こんな世界観で小中高を過ごす人もいたんだな」と初めてそんな環境の人の気持ちがわかった気がした。かと言って凹みもしなかった。
「ここから見える景色はこんなんなんだな。あんまり色がないな。」
変わらぬ日々が何日も続いたある日
突然、そのおっちゃんがやってきた。
留学生の時期でもないのに、ちっちゃな日本人のおっちゃんが授業に参加していた。下手くそな英語でガンガン発言をし、自分の部屋でホームパーティーを開き、一瞬で人気者になった。
なんなんだ!このおっちゃんは!
その人は学生闘争をゴリゴリでやってきて、今は大蔵省のお偉いさんだった
なんでわかったかって?
読売新聞と週刊何とかが取材に来たから
びっくりしたのはそのおっちゃんは日本の新聞の1面に載っていた
大きな何かを犯して、こっちに身を隠してたらしい
その内容はどうでも良いとして、そのおっちゃんの滞在期間2週間程度
その2週間でおっちゃんは強烈な印象を残していった
見た目、英語の上手い下手、差別、
どうでもいいんだ
圧倒的な自信が人を惹きつける
その自信は人種も国境も越える
そのちっちゃなおっちゃんがその時はかっこよかったもんな
気付いたんだ
今、僕は生まれた国ではない国にいて、わざわざ、君の名前は?誕生日は?趣味は?好きなタイプは?など聞いてこない。そう、聞いて欲しければ自分を自分がアピールしていかなくてはいけないんだ。
甘えていたんだ。楽しませてもらおうと。
そんな時、「ギターを弾いてみないか?」と先生に誘われた。
今までの僕なら、「いや、別に〜」などと、やりたいのに断っていただろう。
仕方ねーなーって言いたい中二病でしたからね。
しかし、ちっちゃなおっちゃんに感化されまくっていた僕は、人生で初めて積極性を出し、
「やらせてください!」と言ってみた。
その日はやってきて、教会で、リハーサルとは違う、ニルバーナを爆音で弾いてやった!
先生達はびっくりし、アンプの電源を抜かれたが、観客は大盛り上がりで、日本の細っこい僕は初めて『人』として認識された。
先生には怒られたが、学生からは一気に声をかけられるようになった。
「へい!また弾いてくれよ!」「メタリカやろうぜ!」
あの選択をしたから、世界が変わった。
最下層世界に居たと思っていたけど、どうやらそうではなかった
自分を出すことの大切さ。
怖くない
一気に世界が色付き始めるから