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きな子
2017年10月3日 21:23
いつものように、二人分のコーヒーを淹れた真美は、僕の目を見ずに言った。「ねえ祐樹、別れようか」「…どうして?」 真美はコーヒーをすすって、小さく息を吐いた。 「他に好きな人が出来ちゃった」 コップを机に置き、君は立ち上がった。 「ごめんね、わがままで」 少しだけ、真美と目が合った。真美の瞳は、揺れていた。 おそらく君は気づいていたのだろう。僕の心の中に