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「さわらび」という言葉を知った

「さわらび」という言葉を知った。

はじめは意味もわからないまま、その音の響きをただただ気にいっていた。 

文字だけで見るとやわらかな印象を受けるが、口に出してみるとそのやわらかさの中にしなやかな芯があることに気づく。
どこか鮮やかで華やかな雰囲気もある。

漢字では「早蕨」と書き、「芽を出したばかりの蕨」という意味の春の季語らしい。
なるほど、まさにそんな感じだ。

さわらび、さわらび、さわらび。

心の中で何度かか唱えると、むきだしの黒い土のような心から柔らかな芽が次々開いていくような心地がする。

雨が降ればすぐに倒れてしまうような小さな芽かもしれない。
でも、私の心に開いたさわらびは、何も知らずにただ春だけを夢見てのびてゆく。

あまりにもこの言葉を気に入ったのでさわらびで何か歌を詠もうと思ったのだが、なかなか上手くいかない。
きっと味噌汁に入ってるわらびにしか実際には触れたことがないからだろう。

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