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【山形ワイン旅】世界のコンテストで金賞の高畠ワイナリー、10月3連休に収穫イベントを開催!
世界の銘醸地に並ぶ「プレミアムワイナリー」を目指し、数々の受賞歴を誇る山形県の高畠ワイナリー。今年も世界最大級のワインコンテストで、地元・上和田地区で栽培されるシャルドネを原料としたワインが国内で唯一、金賞を受賞。「高畠Takahata」の地名がまた海外の人々に認知されることに。今回のワイナリー見学では受賞をもたらした上和田地区の栽培家 大浦亮一氏にも出会えました。10月の収穫イベントも要チェック!
“シャルドネの高畠”の代表格になっている受賞多数のワイナリー
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東京から山形新幹線で2時間ちょっと。高畠駅から徒歩10分(車で5分)の場所に、東北を代表する有名な高畠ワイナリーがあります。「日本ワイナリーアワード2023」で5つ星を獲得した16カ所の一つにもなっています。
「シャルドネの高畠」とも言われる山形県東置賜郡高畠町は、ワインに使用されるシャルドネとデラウェア品種のぶどう出荷量が市町村単位では日本一というぶどう生産地。
この地で高畠ワイナリーは1990年から世界の銘醸地に並ぶ「プレミアムワイナリー」になることを目指してこだわりの栽培、醸造を貫いています。
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高畠ワイナリーは今年、毎年イギリスで開催される世界最大級のワイン・コンペティッション「IWC International Wine Challenge」で国内唯一、金賞受賞の快挙を遂げました。
その注目ワインが「2021 高畠レ・トロワ・シゾー・ド・オオウラ エン・カミワダ・シャルドネ」。限定品のため、受賞後、まもなく完売。ワイナリーを訪問した時には、限定数量にてワイナリーストック分からこの幻のワインもテイスティングできました♪
受賞ワインやヴィンテージものも含め最大12種類も試飲が可能!
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ワイナリー内では無料で自由に見学ができる他、飲食スペース「ゴッツォナーレ」でピザやパスタ、おつまみ、アイスクリーム、ワインの試飲(最大12種類)も楽しめます。コーヒーやソフトドリンクも準備されているので、ドライバーやお子様も楽しく過ごせます。
ワインテイスティングはグレードの高いワインを特別価格でサーバーから自分で注いで楽しめる「サーバーワイン」(1杯50ml 税込500円、6種)と、「スタンダードワイン」(1杯50ml 税込350円、3杯セット1,000円)が用意。
訪問時の「サーバーワイン」6種は以下。高単価な受賞ワインが勢ぞろいで、わざわざ山形まで来たかいがあると思いました。
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【白】
1. 2021 高畠レ・トロワ・シゾー・ド・オオウラ エン・カミワダ・シャルドネ(IWC2023金賞受賞)
2. 2020高畠フニクリ・フニクラ・デ・木村シャルドネ(JWC2022 同ワイン2019ヴィンテージで銀賞受賞)
3. 2021佐藤清吉シャルドネ
【赤】
4. 2017 高畠ゾディアック カベルネソーヴィニヨン(2022デキャンタワールドワインアワード 2018ヴィンテージで銅賞受賞、GI認定)
5. 2018 高畠アルケイディア セレクトハーベスト(2023サクラワインアワード受賞 GI認定)
6. 2019高畠ゾディアック ピノ・ノワール(JWC2022 同ワイン2019ヴィンテージで銀賞受賞)
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注目の受賞ワイン「2021 高畠レ・トロワ・シゾー・ド・オオウラ エン・カミワダ・シャルドネ」は、白桃や洋梨などのやさしいフルーツの香りに、蜂蜜やトーストのような香りも広がりました。
しっかりとした酸味と凝縮感のある果実の味わい。日本ワインとは思えないほどリッチな重層感やコクがあり、エレガントで厚みがありました。ワイナリーの担当者は次のように説明してくれました。
「2021年は特に、果汁糖度が24度と過去最高の糖度を記録したグレートヴィンテージ。濃密で濃厚な味わいに仕上がりました。昨年に続いて今年も受賞することで、さらに高畠 Takahata という地名の認知度を世界に高めることにつながりました」
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高畠ワイナリーの自社畑ではメルローやカベルネソーヴィニヨンなどを栽培しており、それらは「高畠ゾディアック」を冠したワイン名で売られています(上記の赤ワイン名参照)。
一方、契約しているブドウ農家は現在63軒。中でもシングル・ヴィンヤード(単一畑)で、特に秀でた品質のぶどうを圃場(ほじょう)ごとに仕込んだ極少量のプレミアムなワインも展開。
今年の受賞ワイン「上和田」という地名もその一つで、圃場ごとにぞれぞれストーリーがあるようです。今回は特別に上和田地区にも連れて行って頂きました。
上和田地区の有名ブドウ栽培家 大浦氏とシャルドネ畑で初対面
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高畠町でも標高が高く、昼夜の寒暖差が大きい上和田地区。向かうまでの道のりには「熊に注意」の道路標識もあり、猿やハクビシンなども出没するのだとか。畑のすぐ背後には大きな山がそびえています。
ちなみにお米のコンクールなどで上位に入賞し、全国的に有名な「上和田有機米」もこのエリアで作られています。
先ほど試飲した受賞ワインには、「カミワダ」だけでなく「オオウラ」とも表記されていましたが、これは上和田地区の栽培家 大浦亮一氏の名字。親子三代で高品質なブドウ栽培に取り組んでおります。偶然に取材時には畑に大浦氏が!その強いこだわりの一端をおうかがいできました。
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「今年は猛暑で、天気が良すぎて蜂がたくさん飛んでいます。今年は暑いので熟すのが早く、全体的に1週間ほど早く収穫することになりそう。2020年よりも今年は天候が良く、今年はヴィンテージになりそうです」と大浦さん。
取材時の畑は気温35度以上。日差しが強く、すぐに肌がヒリヒリとしました。日照時間が長いのはブドウにとっては良いことですが、猛暑につきものなのは突然の雷雨、天候の不安。ブドウにとって雨は天敵なのです。
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大浦さんはこう続けます。「雨ができるだけ当たらないように畑の上面にはシートをかぶせて、だが風通しはいいように側面はシートで覆わないのです。」
いわゆるサイドレス(上の写真参考)のハウスで、棚仕立てで栽培していました。ブドウの実や土壌に雨が当たらない仕組みにより果粒の肥大を防ぎ、糖度が高く、ミネラルが豊富で凝縮感のある実ができあがるのだそう。
また風通しがいい栽培法なので病気になりにくく、低農薬栽培が可能とのこと。最後に大浦さんは40年来のシャルドネの古木まで見せてくれました。受賞の裏には愛情を込めた丁寧な手入れと知恵、長年の忍耐が詰まっているのだとよくわかり、感謝の気持ちでいっぱいになりました。
9月10月はワイナリーでイベントが続々!ナイトハーベストも
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ぶどうの実がたわわに実り、いよいよ収穫の秋。高畠ワイナリーでは9月30日(土)に収穫体験ナイトハーベストが開催されます。当初は10月14日に予定されていましたが、大浦さんの話にもあるように今年は収穫時期が早まることに。
2005年からスタートしたナイトハーベストは、日中に蓄えた高い糖度を保っている夜に最高の状態でブドウを収穫するイベントで、早朝4時から朝7時にかけて実施されます。先着35名のようですので、興味のある方は早めに申し込んでみてください。
参加費は税込500円。また10月は7日(土)、8日(日)、9日(月・祝)の3連休で「2023 高畠ワイナリー ハーベスト・フェスティバル」が開催されます。入場無料、雨天決行。
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最寄駅であるJR高畠駅には山形新幹線も停車し、全国でも珍しい温泉のある駅としても有名。近くには日本三文殊の亀岡文殊堂や、犬や猫を祀(まつ)る「犬の宮」「猫の宮」、童話でおなじみの浜田広介記念館など、多くの名所や旧跡が点在しており、観光も楽しめます。秋のおでかけにおすすめです。
高畠ワイナリー
所在地:山形県東置賜郡高畠町糠野目2700番地1
アクセス:JR高畠駅よりタクシー5分、徒歩約10分
営業時間: (4月~11月)9:00~17:00/(12月~3月)10:00~16:30
電話:0238-40-1840(代)
ワイナリー内のショップ定休日:年末年始および1月~3月の水曜日
ワイナリー内店舗「ゴッツォナーレ高畠」の営業時間:10:00~16:00まで通年営業
*最新情報はホームページでご確認ください
https://www.takahata-winery.jp/