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【山梨ワイン旅】国の登録有形文化財にも認定!伝統的な「石蔵発酵槽」で醸造するルミエール
近年人気が高まっている日本ワイン。国産ブドウを100%使って国内で製造されたワインは、各地の風土(テロワール)が感じられるものばかりでその個性が魅力。今回は山梨県笛吹市にある有名ワイナリー「ルミエール」の見学ツアーに参加しました。ブドウ畑に囲まれたワイナリーの地下には、国の登録有形文化財にも認定されている巨大な「石蔵発酵槽」があり、西洋と東洋が融合したユニークなワイン造りが繰り広げられていました。
アメリカ大統領来日のお食事で採用された「シャトールミエール」
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タクシーでルミエールワイナリーに向かうにつれ、辺りにはブドウ畑が増えていき、ブドウの葉が緑の雲のように連なって見えてきます。
約4ヘクタールもの自社のブドウ畑ほか、ルミエールワイナリーの契約農家さんが愛情を込めてブドウを手入れして栽培。ブドウ畑の遠く先を望めば真っ青な南アルプスが眺められ、緑と青のコントラストが美しい景観が広がります。
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ルミエールワイナリーには醸造所の他にワインショップや地下ワインセラー、そしてレストラン「ゼルコバ」が併設されています。
1885年の創業時は、社名は降矢醸造所でしたが、1992年にルミエールに変更、1996年には「シャトールミエール」がアメリカ大統領の来日の際、午餐会(ごさんかい)に採用され、現在もフラッグシップ・ワインとして人気を誇ります。
さっそくブドウ畑から案内いただきました。ショップ前のメルローの木は一文字型に仕立てられていて、ブドウが一直線に並ぶため、収穫がしやすい栽培法。一方、隣に広がる日本固有のブドウ品種、甲州はX字型仕立てに木を剪定していました。それらの木には少しだけ縦長で卵形の育成中のブドウの実が緑色に輝いています。
あえて雑草は生やしたまま。木のたくましい生命力を呼び覚ます
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ガイドさんいわく、「甲州は樹勢力が非常に強い品種で、メルローのように整然と一文字型になるように枝をコントロールするのが難しいのです。生命力があふれる品種で、縦横無尽に力強く枝を伸ばしていきます。なのでX字型仕立てなのです」。
甲州の白ワインはシャルドネなどの欧州品種に比べて穏やかな風味なので、性格もおとなしい木なのかと思っていたら意外に真逆。生命力があふれる、個性が豊かなたくましい品種であることを知り、一層、甲州に愛着がわいてきました。
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少しだけ歩くと、スペインなどで栽培されるテンプラニーリョの木で、こちらは垣根仕立て。その隣には遅め(10月中頃)に収穫するカベルネ・ソーヴィニヨンが同じく垣根仕立てで広がっています。
驚いたのは北米原産の珍しい品種、ミルズ。昔から山梨県で多く栽培されていた品種のようですが、栽培が難しいなどの理由でその量は徐々に減り、現在は山梨県内でもほんのわずかしか栽培されていない大変に希少な品種とか。
甲州とは違ってまん丸のブドウの実が付く木なのですが、こちらは枝を上から下まで、まるでしだれ柳のように垂れさせる「カーテン仕立て」という珍しい栽培法で育てられていました。品種の特性に応じて、栽培法をいろいろ変えながら育てているのです。
ルミエールではこれらの畑で「不耕起草生栽培」(ふこうきそうせいさいばい)を実践しています。これはあえて雑草を抜いたりして土を耕したりしない栽培法。雑草などとともに育つことで、よりそれらに負けまいとたくましく育つので、結果的に生命力の強い木に育ち、良いブドウが実り、おいしいワインになるというわけです。
ブドウが浮き沈みする石造りの蔵。伝統的な醸造法がおもしろい!
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次にご案内いただいたのは1901年に作られた石蔵発酵槽。この石蔵は花崗(かこう)岩で作られているため耐酸性に優れ、大量の仕込み用のタンクとして建設されたもの。
日本遺産、および国の登録有形文化財にも認定されています。 100年以上たって、ステンレスタンクが登場した現在もなお、10基あるうちの1基は年に1度使われ、その伝統は脈々と受け継がれています。
毎年9月になるとお客様を集めてこの石蔵発酵槽を使った仕込み体験イベントが開催され、1年後にそのワインが自分の元に届くという思い出の深い体験ができます。 申込開始とともに毎年予約が殺到する人気イベント。
詳細はそろそろ公開されます。ワイナリーのホームページでチェックしてくださいね。
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