「目を閉じて食事に集中」という至高のスパイス――これだけで食事の価値5割増し
1.目を閉じて食事?
私はここ最近雑穀米にお熱なのでよく炊いて食べるのですが、その雑穀米のパッケージに生姜をいっしょに入れてみるのもおすすめと記載があったので、試してみました。すりおろした生姜を加えただけのシンプルなアレンジです。
炊きあがった後に食べてみたのですが、思ったより風味が弱い。口に入れる瞬間は香るけれど、その後はその香りを追うのが難しいな~、という感じでした。普段の私は食事をしながら何かしら動画・音楽を再生することが多かったので、
「動画も音楽も再生せず、目を閉じてとにかく食事に集中して味と風味を最大限感じ取れるようにしよう!」
と思い立ちました。やっていることは五感のうち視覚・聴覚をシャットアウトしただけに過ぎませんが、実践したら思いのほかスゴい効果があって感動したので、その勢いでこの記事を書いています。
2.どうスゴいのか
・香りに対して敏感になる
目を閉じてご飯を食べるとしょうがの風味をよく感じられるところまでは予想できましたが、その生姜の香りが鼻腔を通っていくのもわかりました。こんないい香りしてたんだ、と軽く衝撃を受けたレベルです。
その後、比較のために漫画を読みながら食べたり、動画を見ながら食べたりしましたが、そうすると生姜の香りは全く追えません。目を閉じずに集中して食事しても生姜の風味は感じ取れましたが、目を閉じるとより敏感になりました。この事実に気づかなかったら、きっとこの生姜の更なる魅力には一生気づいていなかったことでしょう。
・味がなんでも濃厚に感じられる
味についても同様でした。食べているものは生姜が入った以外普段と変わらない雑穀米のはずなのですが、
・米の甘さがものすごくよく感じられるようになる
・雑穀の食感がより面白く感じられる
という感じで、普段よりとても美味しく感じられました。
これは米に限らずおかずに対しても同様です。作り置きとしてよく食べている鮭の味噌漬け焼きを例に挙げると、
・鮭の味がより濃厚に感じられる
・味噌の味はもちろん、香りもよく感じられる
という感じ。総じて、食事に集中するだけで味がものすごく豊かな感じになりました。
3.いわゆる「ながら食べ」って食べすぎもそうだけど塩分過多になるのでは説
「今年の食生活に関する調査2020」によれば、25.2%の人が何かをしながら食事をしているそうです。逆に、36.1%の人は全く何もしない(食事に集中している)とのこと。それ以外の人が毎日ではないにしても「ながら食べ」していることになります(年代別等の詳しいデータをリンク先を参照してください)。
こういったながら食べのデメリットとしてよく聞くのが、「よく噛まないから食べすぎて太りやすくなる」ことですが、前項で抱いた感想から、
食事に集中しないと味や香りに鈍感になるので、
濃い味を求めるようになり、塩分過多になる
という仮説を思いつきました。比較してみたらよーくわかったのですが、食事以外に意識を向けると露骨に味覚と嗅覚の感度が悪くなります。ならば、ながら食べをして味覚と嗅覚が鈍感な状態であっても美味しく食べるにはどうすればよいでしょうか?調味料を足して味付けを濃くすればよいのです。
何が言いたいかというと、同一人物であっても「ながら食べ」をすると濃い味付けになってしまうということです。
もしかすると、これを読んでいる人になかにも「減塩しろ」と言われ、塩分の多い食事・調味料を控えるという対策を取っている人もいるかもしれません。味を決めるのは塩分以外にもたくさんありますから、減塩を考慮したメニューでも満足な食事はとれます。しかし、人によっては減塩メニューだと味か薄くて不満足、ということがあっても不思議ではありません。減塩のためにストレスをためてしまっては元も子もありませんね。
そういった人たちは、とにかく食事に集中してみるのも一手かもしれません。スマホも見ず、音楽の類も流さず、とにかく食事に集中することが、最高のスパイスなのです。目も閉じるとより味覚・嗅覚に集中できますよ。