見出し画像

海賊の本棚

海賊の歴史

海賊は古代フェニキア人にまでさかのぼるとされていますが、詳しいことは分かっていません。
歴史上、最初に有名な海賊は北欧のノルマン海賊でしょう。

西暦800年頃にはアメリカ大陸を知っていたノルマン海賊

アニメ化もされた幸村誠『ヴィンランド・サガ』は、西暦800年頃の史実を元に描かれた作品です。
ノルマン海賊でありながらイングランドの国王となったクヌート王も登場します。


『ヴィンランド・サガ』のタイトルにある「ヴィンランド」とはアメリカ大陸のことです。

コロンブスが発見するより700年ほど前に、既にノルマン海賊はアメリカ大陸の存在を知っていたのでした。

なぜ日本に鉄砲を伝来させたのがポルトガル人だったのか

1492年のコロンブスによる「新大陸発見」以降、当日大きな力を持っていたスペインとポルトガルにより探索・植民地化が始まります。

この際、ローマの教皇の下で「大西洋より西側(アメリカ大陸側)はスペイン、東(アジア側)はポルトガルに権利がある」と取り決めたのが1494年のトリデシリャス条約です。

このため南米の国々の多くは現在もスペイン語を話します。

一方、日本にキリスト教を伝えたフランシスコ・ザビエルや、鉄砲を伝えたのがポルトガル人であったことはこの条約によるもので、単なる偶然ではなかったのです。

世界一周就航を世界で初めて行った船長はマゼランではなく、海賊

現在の教科書は分かりませんが、私の場合は、学校の世界史で、世界で初めて世界一周就航をしたのはマゼランと習いました。
しかしこれは正確ではありません。
なぜならマゼランは就航中に死亡しており、一周したのはあくまで「マゼラン船団」だからです。

では、船長として初めて世界一周をしたのは誰でしょうか。

それはイギリス海賊のフランシス・ドレイクです。

上記タイトルの副題に「イギリスを救った海の英雄」とあります。
どういうことでしょうか。

彼がイギリスを救ったといえる点は少なくとも2つあります。

1つめは、世界一周就航により、イギリス国家予算の何倍もの財産を持ち帰り、イギリス王室に寄付したことです。
これによりドレイクは海賊でありながらナイトの称号を受けます。

2つめは、その後、実質的なイギリス海軍の指揮官としてスペインの無敵艦隊アルマダを破り、これによりイギリスが制海権を握ったことです。
結果、産業革命やアヘン戦争に繋がる貿易のきっかけを作りました。

紅茶で有名なトワイライトの創業者も元は海賊とされています。
当時、紅茶は貿易の主要商品の1つでした。

日本に渡り徳川家に仕えた海賊ウィリアム・アダムス(三浦按針)

PlayStationのゲーム『仁王』の主人公で、三浦按針(みうら あんじん)を名乗ることになるウィリアム・アダムスは既に述べたスペイン無敵艦隊との戦いに参加した歴史上の実在の人物です。
意図せず日本に漂着し、徳川家に仕えたとされています。
なお『仁王』には織田信長に仕えたとされる黒人「弥助(やすけ)」も登場します。

カリブ海の海賊

海賊といえばもう1つ思いつくのが、「パイレーツ・オブ・カリビアン」や「ONE PIECE」などのモチーフになっているカリブ海(北米と南米の間)の海賊版です。

『ONE PIECE』に登場するキャラクターの名前の多くは実在のカリブ海の海賊に由来しています。

現代の海賊

海賊は現代にも存在します。
石油タンカー船などを略奪したり、人質にして身代金を要求するなどしているのです。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?