「この本を盗む者は」読み終わったぁ。

一度目は一章で読むこと挫折した。何か読みづらく、「なんでこんな変で、読みにくい文章が」と。
数カ月後、再度チャレンジし、読み進めていく中で「ああ、そういう事と!」と、アマチュア作家のような章毎の物語と、読みづらさにも意図があったんだと納得した。なので読む人は、最初は頑張ってほしい。なかなか独特の世界観を堪能できます。
内容は、個人収集家の蔵の希少本が200冊盗まれたことが発端で、主人公の祖母がその対策として「ブックカース」という呪いをかけたことが発端。祖母が亡くなってから数年後に、父の入院中に活字嫌いの主人公(深冬)がなせかその呪いに巻き込まれてしまう。
要は、万引き対策なのである。が、現実に本屋、図書館が頭を痛める万引きを主題として見ると、本書は作者から万引きする人への痛烈な呼びかけであり、対策の提案と感じた。(万引きする人は狐になって永遠異世界に行ってしまえと) 今ネット販売が拡大するも、紙面の文庫は好きだし無くしてほしくない。そのためには、万引きが根絶されることを祈るばかりだ。
万引きを考える人は、作者になって売る側、作る側に一度なってみたらいいのに。


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