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高校生の就職活動を「先生頼り」から「自分決定」へ支援したい

今年も7月1日から高校生の新卒採用の求人情報が解禁となります。
新型コロナウイルス感染症による影響を受けて、選考期日は10月5日応募10月16日選考開始1ヶ月後ろ倒しとなりましたが、昨年までの売り手市場とは様子が変わってきそうです。

不況期には新卒採用や採用全体が落ち込みます。また新型コロナウイルス感染症のような疫病との闘いによるこれほどの世界的な不況は、現代を生きている人にとってはほぼ初めてのことであり、先行きが分からない、不安な状況が続きます。
先が分からない不安な時に、人は守りに入りやすいものです。マズローの欲求5段階説でも伝えられている通り、「安全の欲求」で安全を求めてしまい、活動を控えてしまうのです。

そんなウィズコロナ時代の高校生の就職活動で、改めて私たちが高校生の就職支援をしている理由についてや、就職活動で大事にする点についてお伝えができればと思います。

高校生の就職活動の仕組み「学校斡旋」のメリットデメリット

高校生は毎年約18万人が就職しており、高校を介して応募を行う「学校斡旋」での紹介が就職活動の主な方法です。
学校斡旋には7月1日からの求人開始、最初の応募から一定の期間は一人一社しか応募ができない、求人票からの情報でしか企業研究ができないなどのルールがあります。

学校斡旋での就職活動にはメリットとデメリットがあります。
学校斡旋のメリットの一つは内定率が高いことです。先生が高校生の代わりに企業との関係性をつくり、多くの高校生は先生から先輩の入社した企業の紹介を受けます。企業側のメリットは毎年安定して高校生という若者、そして製造業における職種(ブルーカラー職)が採用できることでした。

しかしこのメリットは今年のような不況時には活かされません。
なぜなら、学校斡旋では先生の知っている企業や学校に届く求人が主に紹介されています。県外の求人情報も集まりにくいですし、学校の先生としては、これまでに紹介実績の無い企業への斡旋をどうしても紹介しにくいからでもあります。
求人が減り、買い手市場になった際には学校に届く地元の求人情報が減ってしまいます。そうなると、高校生にとって内定が取れない生徒も増えますし、県外の求人情報があまり取れないなどのデメリットが生じます。

コロナ禍での就職活動

今年は新型コロナウイルス感染症により、就職活動を落ち着いて行える状態ではなくなってしまいました。選考期日は10月5日応募、10月16日選考開始と、例年のスケジュールから1ヶ月後ろ倒しの決定が発表されましたが、通常であれば7月8月の職場見学を行う期間も今年は授業に充てられます。
学業を優先しなければならない高校生にとって、短い期間で企業研究を行うことは非常に厳しい状況です。

また、対面での職場見学が実施しにくい環境でもありますし、特に県外企業への職場見学については、非常に参加が難しくなってしまいます。

高校生の就職支援の事業を始めた理由

これからの日本は少子高齢化により経済環境がドンドンと厳しくなる中、挑戦する環境、何か新しいサービスなどを創造する環境を創ることで社会貢献をしたいと考えていました。

厳しい時代に入れば入るほど人は安定志向になり、皆が守りに入れば社会は縮小してしまいます。誰かが挑戦や失敗をしなければ社会は成長しません。
誰が挑戦しやすいのかで考えると大卒よりも高卒だと考えたのです。
国公立大学や有名私立大学に入った学生がドンドンとベンチャーへの挑戦や起業などの挑戦などをすれば素晴らしい事ですが、やはりせっかく入った国公立、有名私立大学の進学目的自体が、安定した公務員や有名企業への就職などを目指して勉強してきた大学生にとって、わざわざ安定した大企業や公務員ではなく、中小ベンチャー企業への入社や創業することを選択する人は少数となってしまうと思うのです。
一方、高校で就職する人ももちろん有名企業に入社できるのですが、その場合、工場などのいわゆるブルーカラー職に就く職種しかほとんどありません。
私の例で言うと、学歴もなく、大学進学についても経済的に難しい家庭だったので、勉強する気にもならず、学力もない中で、高校卒業後は結局トラックの運転手に就きました。何もなかったからこそ、「何か挑戦しなければ貧乏なままだ、起業しなくては。」と奮闘し、起業してから22年が経ちました。もし私も大卒だったら有名企業に入ってサラリーマンをしていたかもしれません。

現代は政府も大学進学を進める施策を講じており、高校を出て就職する人はどちらかというと経済的に豊かではない家庭の高校生が多くいます。そういう意味では変なプライドもなく、親の反対も少なく、「挑戦したい」と思ったらしやすい環境なのではないかと思います。
「私には何もない」と感じる高校生の中から「挑戦したい!」と思う人が増えたら良いなと考えていました。

高校生の就職活動の仕組みは先述した通りですが、限られたルールの中で就職活動をすることで、働き始めた後どういう自分になっていくのか、仕事を通じてどのような喜びややりがいが待っているのか、高校生にとっての社会に対する夢や希望は、現状のままでは持ちにくいと思っていました。
実際に、入社して1年間の早期離職率は大卒の11.4%と比較し、高卒は17.4%と高い水準です。(新規学卒就職者の離職状況(平成28年3月卒業者の状況)厚生労働省)

3年以内離職率グラフ(平成28年3月) 5年分

企業側の二極化もますます大きくなります。中小企業やベンチャー企業は採用がどんどん厳しくなります。中小・ベンチャー企業にこそ若い人材を採用できるようにしなくてはという側面からも、高校生の採用が面白いのではないかと思いいたりました。

高校生に夢や希望を与えるような就職活動をするためには民間サービスが必要だと思い、ポテンシャルのある高校生と企業をマッチングする高校生の就職支援の事業、ジョブドラフトを始めることにしました。

自己決定を支援するサービスを目指して

「職業」は人生の幸せを決める、自分自身で選択する大きな柱のうちの一つです。
先生にどう言われるか、親にどう言われるかではなく、大事なことは、自分で知り、自分の意思で決め、自分で実行することです。

就職先を探す上で重要なことは「条件」ではないと思っています。条件とは働く時間、給与、場所、職種、会社の規模などです。条件以上に大事なのは、その会社の価値観や会社の社風、今で言えばウィズコロナという環境下での働き方などもそうです。

株式会社ジンジブでは、たくさんの仕事の選択肢を見る事が出来る、そして就職先を探す上で重要にしたいこと(社風、人間関係、会社の価値観など)を、本日全面リニューアルした、高校生自身がスマートフォンを利用して気になる企業を探し研究できる求人サイト「ジョブドラフトNavi」や、直接企業の人事担当と話し会社の社風や価値観に触れることのできる合同企業説明会「ジョブドラフトFes」、オンライン職場見学の実施サポートなどで伝えられるようにしていきたいと考えています。


今後は遠方(沖縄・北海道に移住就職したい!海外へ移住就職したい!)の求人情報があっても良いと思っています。日本全国だけではなく、世界各国の会社がジョブドラフトで求人を出していたらなど考えると面白いですね。


『高校生(保護者・先生)の皆さまへ』

今年は新型コロナウイルスの影響で、地域でも、全国的にも厳しい就職活動になることを予想しています。私たちのような民間サービスも高校生の就職サポートをしており、就職先は多くあります。限られた情報だけで大切な就職先を決めるのではなく、たくさんの会社の雰囲気や考え方、目指す姿、働き方、条件を見ること、全国の企業も含め就職活動をすれば、自分に合った良い企業は必ず見つかります。ジョブドラフトを頼っていただければ精一杯ファーストキャリアのお手伝いをさせていただきます。頑張りましょう。


『企業の皆さまへ』

私自身も経営者ですから新型コロナウイルスによる不況の中で今まで味わったことがないような厳しい環境下が続くと予測しております。そのような状況だからこそ大事なのは企業経営の中でも未来を見据えて前向きにやっていくことだと思っています。厳しい今を乗り越えるためにもやらなければならないことも多くありますが、「未来を見据えること」が大事です。そのためにも「若い人材」の確保は諦めずに続けるべきだと思っています。是非ポテンシャルのある高校生という若手にチャンスをあげて欲しいと願うと共に、自社の未来を築き上げていただきたいと思います。




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