Mitsuharu A.

真空管アンプ作成が趣味です.

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  • 低電圧における真空管のモデル作成

    • 3本

    真空管を12V程度の低電圧で用いたときの特性を実際に調べて、そのデータを示します。

  • 真空管を用いた増幅回路

    • 5本
  • LTspiceXVIIの設定および使い方

    • 5本

    電子回路シミュレーターLTspiceXVIIのインストール方法から簡単な使用方法まで,Windows版とmacOS版の両方で共通して参照できるように書いています.

  • 低電圧ハイブリッド真空管アンプのシミュレーション

    • 5本

    ここでは,低電圧で動作するハイブリッド真空管アンプを構成し,その動作をシミュレーションします.

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これまで記事で書いてきた内容が本にまとまりました.

    • 4. KORG Nutubeを用いたハイブリッド真空管アンプ

      本節では、Nutube 6P1をバッファアンプと組み合わせたハイブリッドヘッドフォンアンプの回路図を示し、動作のシミュレーションを行ないます。 Nutube 6P1 (電源12V)とオペアンプを用いたハイブリッドヘッドフォンアンプ ここでは、オペアンプと組み合わせてハイブリッド・ヘッドフォンアンプを作成します。ヘッドフォンとしては、インピーダンス100Ωと32Ωに対する出力のシミュレーションを行ないます。 インピーダンス100Ωの負荷に対する出力 まず、負荷として100

      • 3. 6AK5とFETバッファを用いたハイブリッドパワーアンプ

        本節では、出力バッファとしてMOS-FETバッファを用いたハイブリッドパワーアンプの回路図を示します。基本的な回路構成は前節と同じで、前段の真空管アンプで信号を増幅した後、J-FETのバッファでインピーダンスを下げ、抵抗とコンデンサーで信号のオフセットを調整した後、バッファ回路に入力するというものです。ここでは、真空管として6AK5を用い、バッファとしては2SK1056と2SJ162のモデルを使用した回路を作成しました。 ハイブリッドアンプの回路を次の図に示します。 入力

        • 2. 12AU7を用いたハイブリッドアンプ

          本節では、真空管12AU7とトランジスタやMOS-FETを用いて作成したバッファアンプを組み合わせたハイブリッド真空管アンプの回路を作成し、動作をシミュレーションします。 12AU7とダイヤモンドバッファを用いたハイブリッドパワーアンプ 次の図に、12AU7とダイヤモンドバッファを用いたハイブリッドパワーアンプの回路図を示します。 入力信号は±0.1Vの正弦波とし、出力は8Ωの抵抗をスピーカーの代わりにダミーロードとして接続しています。 上の図の回路の入出力信号を次の図

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        • 低電圧ハイブリッド真空管アンプの各パーツのシミュレーション
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        記事

          1. 6DJ8を用いたハイブリッドアンプ

          本節では、真空管6DJ8とトランジスタやMOS-FETを用いて作成したバッファアンプを組み合わせたハイブリッド真空管アンプの回路を作成し、動作をシミュレーションします。 6DJ8とダイヤモンドバッファを用いたハイブリッドパワーアンプ 本節では、前段の真空管アンプの後に半導体を用いたバッファアンプを接続したハイブリッド真空管アンプの回路図を示し、動作のシミュレーションを行ないます。 最初に、出力バッファとしてトランジスタを用いたダイヤモンドバッファを用いたハイブリッドパワー

          1. 6DJ8を用いたハイブリッドアンプ

          11. プッシュプル型バッファアンプ用正負電源回路(レールスプリッタ)

          前節では、バッファアンプ用の電源として、6Vの直流電圧源を2段重ねて用いています。実際の回路の製作の際には、12VのACアダプターを用い、この電圧を二分割して、0V、6V、12Vの電圧を作成し、6Vの電圧をグラウンドとして扱って、バッファアンプに対して仮想的に±6Vの電源を供給します。このような、電源電圧を二分割するための回路のことをレールスプリッタと呼びます。本節では、レールスプリッタ回路のシミュレーションを行ないます。 抵抗を用いるレールスプリッタ まず、抵抗だけを用い

          11. プッシュプル型バッファアンプ用正負電源回路(レールスプリッタ)

          10. FETを用いるバッファ回路

          本節では、FETを用いたバッファ回路を、いくつか紹介します。まず最初に、KORG Nutubeの基本回路図に使われている、接合型FET(ジャンクションFET、J-FET)を用いたバッファ回路を説明します。次に、この回路においてJ-FETをパワーMOS-FETに変更した簡単なバッファ回路を紹介します。最後に、パワーMOS-FETを2個用いた、省電力で高パワーが出力可能なバッファ回路を、MOS-FETを替えて2種類示します。 J-FET (J211)を1個用いるソースフォロワ回

          10. FETを用いるバッファ回路

          9. トランジスタを用いるバッファ回路

          本節ではトランジスタを用いたバッファ回路として、エミッタフォロワ回路、プッシュプル型エミッタフォロワ回路、ダイヤモンドバッファ回路を紹介します。特にダイヤモンドバッファ回路は、部品点数が少ないこと、電力消費量が少ないこと、調整があまりシビアでないことなどの理由から、良く用いられています。 トランジスタを1個用いるエミッタフォロワ回路 まず、エミッタフォロワ回路の回路図を次の図に示します。トランジスタとしては2SC5200を用いました。 トランジスタのベースに入力する信号は

          9. トランジスタを用いるバッファ回路

          8. オペアンプを用いたバッファ回路

          オペアンプを用いた回路には、いくつか種類があります。ここでは、入力と出力の波形が上下反転する反転増幅回路と、反転しない非反転増幅回路、非反転増幅回路の増幅率を1倍にしたと見ることのできるボルテージフォロワ回路を示します。これらのうち、ボルテージフォロワ回路がバッファ回路として用いられます。 反転増幅回路 オペアンプを用いた反転増幅回路の回路図を次の図に示します。入力電圧Vinを入力したときの出力電圧Voutは、抵抗R1とR2を用いて、 Vout = -(R1 / R2)

          8. オペアンプを用いたバッファ回路

          7. バッファ回路

          次節以降では、半導体を用いたバッファ回路を設計します。ここでは、ヘッドフォンアンプ用にオペアンプを用いたバッファ回路、パワーアンプ用にトランジスタやFETを用いたバッファ回路を作成し、その動作をシミュレートします。特に、SPICEモデルが入手できた上で、実際に国内で購入できる部品を使用することを目標とします。 バッファ回路とは 前節では半導体を用いた真空管回路の動作をシミュレーションしましたが、真空管増幅回路の出力インピーダンスは高いため、インピーダンスの低いイヤフォン、

          7. バッファ回路

          6. KORG Nutube 6P1を用いた増幅回路

          本節では、最近KORG社から発売されたNutube 6P1を用いた増幅回路をシミュレーションし、回路を設計します。 KORG Nutube 6P1とは Nutube 6P1は、KORG社から2016年に一般販売開始された真空管です。この真空管の特徴は、プレート電圧5Vから動作すると説明されていること、これまでの真空管と異なり蛍光表示管を基にして作られていること、グリッドバイアスとして0Vから正の電圧を掛けること、三極直熱管であり、300Bのような音がするとメーカーから説明

          6. KORG Nutube 6P1を用いた増幅回路

          5. 6AS5を用いた増幅回路

          本節では、6AS5を用いて増幅回路を設計し、動作をシミュレーションします。ここでは、一本の負荷直線に対してバイアスと動作範囲を二種類設定して回路を設計してみます。 6AS5を用いた増幅回路の設計(バイアスパターン1) まず、6AS5のEp-Ip特性図に負荷直線を引いたものを次の図に示します。 上の図では、電源を12Vとし、プレート電圧の軸上12Vの点と、プレート電流の軸上1mAとの間に直線を引いています。 このときの負荷抵抗はRp=12V÷1mA=12kΩとなります。

          5. 6AS5を用いた増幅回路

          4. 6AK5を用いた増幅回路

          本節では、6AK5 (WE403A)を用いて増幅回路を設計し、動作をシミュレーションします。 6AK5を用いた増幅回路の設計 まず、6AK5のEp-Ip特性のグラフに負荷直線を引いたものを次の図に示します。 電源を12Vとし、プレート電圧の軸上12Vの点と、プレート電流の軸上8μAとの間に直線を引いてみます。ここで、横軸上の12Vの点は電源電圧から決まります。縦軸上の8μAの点は、一般には真空管の内部抵抗の2倍から3倍の値を用いるのですが、この図のEp-Ip曲線のように

          4. 6AK5を用いた増幅回路

          3. 12AX7を用いた増幅回路

          本節では、12AX7を用いて増幅回路を設計し、動作をシミュレーションします。 12AX7を用いた増幅回路の設計 まず、12AX7のEp-Ip特性図に負荷直線を引いたものを、次の図に示します。 電源を12Vとし、プレート電流の軸上240μAとの間に負荷直線を引いてみます。横軸上の12Vは電源電圧から決まります。縦軸上の240μAは、なるべくEp-Ip曲線と負荷直線が等間隔に交わるように決めてみました。 このときの負荷抵抗値はRp=12V÷240μA=50kΩとなります。

          3. 12AX7を用いた増幅回路

          2. 12AU7を用いた増幅回路

          本節では、12AU7を用いて増幅回路を設計します。特に、負荷直線を二通り引いてみて、それぞれの負荷直線を用いて回路定数を計算してみます。 12AU7を用いた増幅回路の設計(負荷直線パターン1) まず、12AU7のEp-Ip特性図に負荷直線を引いたものを、次の図に示します。 電源を12Vとし、プレート電圧の軸上12Vの点と、プレート電流の軸上80μAとの間に直線を引いてみます。横軸の12Vは電源電圧から決まります。縦軸上の80μAの点は、負荷直線と、Ep-Ip曲線の交わる

          2. 12AU7を用いた増幅回路

          1. 6DJ8を用いた増幅回路

          本節では、前章で作成した真空管6DJ8 (JJ E88CC)のSPICEモデルを用いて増幅回路を設計し、動作をシミュレーションします。 6DJ8を用いた増幅回路の設計 まず、6DJ8のEp-Ip特性の図に負荷直線を引きます。 電源を12Vとし、プレート電圧の軸上12Vの点とプレート電流の軸上0.6mAとの間に直線を引いてみます。このときの負荷抵抗はRp=12V/0.6mA=20kΩとなります。ここで、プレート電圧6Vあたりがちょうど真ん中になり、左右の曲線の間隔のバラン

          1. 6DJ8を用いた増幅回路