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海外就職・世界一周・フリーランス・パラレルキャリアを経験して学んだ5つのこと

私は大学新卒で、海外のとある国にて就職しました。

日本生まれ・日本育ちで、その国には縁もゆかりもないもありません。「それまで行ったことすらない国で働くことをよく決心したな」と自分でも今更思うのですが、私には合っていた国のようです。

人々がエネルギーたっぷりに、周囲を気にせず幸せそうに生きている姿を見ながら、それまで日本で感じていたプレッシャーや息苦しさから一気に解放される思いがしました。

数年働いた後、世界一周をしながら時々フリーランスのお仕事を取り始めたことがきっかけで、今では日本の会社に勤めつつフリーランスとして複数のプロジェクトに関わらせてもらっています。パラレルキャリアというやつでしょうか。

日本に帰ってきてしばらく経つので、一度振り返りも兼ねてこれまで学んだことを書いてみることにしました。

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1. 外に出ることで日本の文化や価値観を客観的に見ることができた

私が新卒で海外就職して一番良かったなと思うことは、日本の当たり前から一度離れることができた点。

「女の子はこうすべき」「普通はこうする」といった日本の中での常識が、実は全然常識じゃないんだなと思えたのは大きな収穫でした。物理的に距離を置くことで、プレッシャーを感じることなく自分の価値観を見つめ直す良い機会になったと思います。

一方で、日本という国が大好きにもなりました

清潔で安全で、人々がとても几帳面。食べ物は涙が出るほど美味しいし、インフラがとても整備されている。海外に行こうと思えば、思い立ったその日に行けるくらい、強力なパスポート。

世界一周をしていた間も、行く先々で「日本から来たの?日本人ニコニコしてて礼儀正しいし、好きだよ」と何度も言われ、その度になんだか誇らしく感じたことを覚えています。

2. 女性が気負いすぎずに働く姿を見ることができた

私がいた国は、人々が何よりも家族を大切にすることで有名。親子間はもちろん、兄弟姉妹同士でも「I love you」と言い合います。

ベビーシッター文化、完璧を求めないママたち、家庭へのサポート・全面協力を当然視するパパたちや子どもたち。そんな人々の姿を見ながら、「あっ、こんな雰囲気が当たり前なら、たしかに女性ものびのびと働ける」と光が見えた思いがしました

世界一周はAirbnbを使って度々現地の人と交流しつつ旅をしていましたが、「働く女性は仕事も家庭も両立させなければならない」「ママはすべて手作りのお弁当を作らないと愛情が足りない」なんて謎のプレッシャーはどこの国に行ってもありませんでした。

日本では、良くも悪くも完璧主義が賞賛されがちだと思います。

3. 会社を離れることで会社のありがたみが身に沁みた

世界一周をきっかけに会社を離れたことで、会社という存在がいかにありがたいかを感じることになりました。

期日通りに給料の支払いをしてくれるし、会計周りもすべて会社がしてくれるし。出張に行っても建て替えたお金は戻ってくるし。病気で休んだときでさえ会社が有給として給料を出してくれるってすごい。当たり前に感じるかもしれませんが、会社員って実はとても守られているんだなと感じる良いきっかけになりました。

もちろん、フリーランスとしての自由度の高さや、頑張った分だけ稼げる仕組みは好きでした。そもそも世界一周しながらお金を稼ぐことができるなんて元々思ってもいなかったですし。

ただ、孤独が苦手で、かつ当時ちゃんとした自己管理もできていなかったこともあり、大分体調を崩してしまいました。世界一周を終えたことをきっかけに、フリーランスを続けつつ会社員として働く道はないかなと考えるようになり、今に至ります。

今、私は自分が所属している会社のことを「一番大きなクライアントさん」だと捉えるようにしています。「ちゃんと私、もらっている金額に見合った仕事をしているかな」と思うと、自然に仕事にも身が入るようになりました

4. 海外でも日本を活かして働くことはできて、日本でもグローバルに働くことはできる

私は大学時代のインターンシップも含めると、2つの国で働いています。英語がネイティブレベルという訳でもないですし、プログラミングなどのスキルがあった訳でもありません。

それでも今の時代、どの国に行っても日本人・日本語ができる人の需要はありますし、住む場所や環境が大事な人にとってはいくらでも方法はあります

スキルや語学面でハンデがあると、仕事内容や条件面でどうしても厳しいところが出るかもしれませんが、そこは個人が何を優先するかの問題かなと思っています。

一方である意味新鮮な発見だったのは、日本でもグローバルに働けると分かったこと。私の今の職場では、8割以上のメール・チャットコミュニケーションが英語です。

国籍もミックスで、労働観・価値観はアメリカ寄り。フレックスタイムとリモートワークを皆活用していて、午後18時には多くの人が退社をし始めます。

強制の飲み会もなく、飲み会の場でも目上の方にビールを注ごうとすると「こういうのしなくて大丈夫だよ」と笑顔で言ってくれます。チームで一緒にエレベーターに乗っても、事業部長の方が逆に皆のためにドアを開けてくれたりします。

あまり日本で働いているような感じはありませんが、日本でもこういった働き方ができるのは目からウロコでした。

5. 働き方って本気で選ぼうと思えばいくらでも選べる

新卒で海外就職を決めた時も、世界一周をしながら時間を見つけてお仕事していた時も、大企業でフレックスタイムとリモートワークを使いつつフリーランスとしても働けることが分かった時も。

「あっ、今ってこんな働き方をしても良いんだ」「こうやって生きていくこともできるんだ」という新鮮な発見がありました。

会社で働いていようと働いていまいと、日本だろうと海外だろうと、必ずどこかに自分にしっくり来る働き方があるはず。

言ってみれば今は「働き方にワガママになれる時代」。すごく恵まれているなと思います。

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広く弱くつながって生きる

私は佐々木俊尚さんの「広く弱くつながって生きる」という本の考え方がとても好きです。

特に、これらの言葉は私の今の状況にぴったりで、とても共感しています。

いまの時代には会社員である/ないにかかわらずフリーの人が持っている感覚がかなり重要ではないかということです。  現在は会社員の副業禁止規定がわりあい緩くなってきたため、会社員かフリーかという二者択一もなくなっていくかも知れません。しかし、どちらにしても会社以外の仕事をする場合、新たな人間関係をどう構築するか学んでおく必要があります。
(佐々木俊尚氏「広く弱くつながって生きる」より)
強いつながりの仕事で自分が消耗したり、時間を浪費するくらいならば、横のつながりを築きながら新たな生き方を模索した方が合理的ですし、実際にそういう時代になってきているのではないかと感じています。
(佐々木俊尚氏「広く弱くつながって生きる」より)

今の働き方が合わないと思ったら、他の働き方を探す。

1つの会社の価値観、1つの国の価値観を当たり前だと思わない。

自分の会社をクライアントだと思って考えてみる。

1つのコミュニティで物足りなさを感じたら、自分が関わるコミュニティを増やしてみる。

1つの組織や限られた人にしがみつかない。

そんな考え方がもっと浸透して主流になったら、自分と違う人を批判する声が減ったら、日本の人はもっと自由に楽しく生きられるのかな。


※2020.10 追記:会社内の転勤で、2019年からはアメリカ・シアトルで働いています。


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