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就活から10年経って思うこと:当時の自分に伝えたい「レールから外れる勇気」と「持てる選択肢」について

キャリアの第一歩を決める就職活動。気が付けば、就活というものをしてから10年もの年月が経っていました。

周囲に合わせて、とりあえず自己分析。日本で働くこと自体がいまいちピンと来ないまま色んな企業に応募して。結果的に、就活時代からは想像もつかないキャリアを歩んでいます。

この記事では、これまでのキャリアを振り返った上で、私が就活でやらかしたことや、就活時代の自分に足りなかった視点について考えてみました。


ちょっと自己紹介

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そういえばNoteで自己紹介らしい自己紹介をしたことがなかったので、ちょっとこの機会を使ってみようと思います。

これまで、こんな道を辿ってきました。ツッコミどころ満載ですが、あえてそのまま晒してみます。

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■純ジャパ・田舎育ち。

■一浪して東京大学に入るも、落ちこぼれる

■就職活動を一通り経験:よく分からないまま周囲に合わせて就活。「数年後に海外で働ける可能性」に惹かれ、日系IT企業への就職を一旦決意。

■留年:当時付き合っていた人に振られたショックで必修科目の単位を落とし、卒業が数ヶ月遅れる。意外にも、これがキャリアを考え直すきっかけになる。

■インターン経験:日本のスタートアップで数ヶ月インターンした後、アメリカのデザイン会社でインターン。インターン先でオファーをもらい、アメリカで就職予定だったものの、ビザが上手く行かず断念。

■新卒海外就職(東南アジア):学生時代お世話になっていた方からの縁で、日本のITベンチャーの海外新規事業担当に。東南アジアで、語学学校の立ち上げ。想定の斜め上を行くトラブル(停電とか)に日々ぶち当たる。なんとか事業がある程度落ち着いたところで次のチャレンジに。

■世界一周:8ヶ月ほど世界一周の旅に出る。道中フリーランスとして小銭を稼ぐも、世界一周の出費の多さに全く釣り合わず、帰国時には所持金が10万円ちょっとになる。

■大手外資系IT企業で働く(日本):新卒キャリアが海外だったため、日本で一度働いてみることを決心。得意だと思っていた英語で壁にぶち当たり、大苦戦。フリーランスを副業として継続するも、欲張りすぎて消耗する。

■本社に転勤(アメリカ):同じ企業の本社にて現在勤務中。転勤の前後から、健康面(特にストレス)の課題が一気に増え始める。現在は働く時間をなるべく短くしつつ、コンテンツづくりや健康管理に時間を充てる生活を実験中。

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我ながら、めちゃくちゃ行き当たりばったり。

そうなんです。全然スムーズに進んでいません。

この経歴をキラキラに見せることはできなくもないのですが、こっちのほうが自分としてはリアルです。

すごくかっこ悪い形で、何度も盛大にこけたり失敗したりしながら。

先の見えないデコボコ道を、自分が思う方向に開拓しながら進んでいます。

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落ちこぼれ東大生(私)の就活ケース:盛り盛りエントリーシートとキャラ変面接

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さて、就活に話を戻します。

バイトとサークルに明け暮れていた私には、ドヤ顔で書ける経験なんてひとつもありませんでした。なので、企業のエントリーシートに書く内容にはめちゃくちゃ困りました。

今だから言える話ですが、自分の大したことのない経験をあたかも素晴らしいことをやったかのように、嘘の無い範囲できれいに盛りつける。

面接では自分らしい回答をするのではなく、相手に求められていそうな人物像に自分を近づけて話す。

本当は人的ストレスにめちゃくちゃ弱いくせに、営業職を受けるときはメンタル強い風に見せてみたり。

こんな、良い子は決してマネをしてはいけないタイプの就活生でした。

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面接の場でキャラ変を突き通すくらいなので、準備はかなりしっかりして行きました。

その効果もあって、いくつかの会社さんから内定をいただくことができました。

ただ、「これが本当に自分のやりたいことなの?」「この会社に入って何がしたいの?」という本音の部分には、常に疑問が残り続けたのです。

たぶん就活のアドバイスをされてる企業さんやコーチの方からすると、「ダメな就活の典型です!」とか「自己分析や企業分析が足りてないから…」とか色々言われると思うんですけどね。

実は自己分析は割としっかりめにやっていて、だからこそ「私は本当に日本の企業で働きたいのか?」という根本的な部分に違和感が残っていました。



就活中の気付きと、レールから外れる勇気

そんな小手先ワザで就活を乗り切りはしたのですが、それでも就活中にいくつかの気付きはありました。

具体的には、当初「就活=大手」というミーハー就活しか頭になかった私に、他の選択肢があることを気付かせてくれた方々がいました。

■ベンチャー・スタートアップで働くという選択肢
■会社という枠に入らない選択肢
■海外で就職するという選択肢

この中で、最も私が興味を持っていたのは「海外就職」。

日本の伝統的な女性観や、世間やメディアの「こうあるべき」という声に、息苦しさを覚えることがとても多かったことが理由です。

ただ、興味はあっても、どこか「自分には海外就職は無理だ」と思い込んでいたところがありました。

就活が終わった当初、グローバルに展開している日系IT企業への就職を予定していたのですが、これも「今の自分には無理だけど、数年後ならチャンスがあるかもしれない」という淡い期待から。

今は当時に比べて、新卒海外就職という選択肢が増えてきたように思いますが、当時は周囲を見渡しても誰も海外での就職を選ぶ人がいなくて。


「なんか合わないなあ」という違和感を持ったままで、周囲と同じレールの上を走ろうとしていました。

レールから外れることが、単純に怖かったのだと思います。

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そんな時、たまたま卒業が延びて、数ヶ月ですが留年の状態になりました。

留年ってすごいネガティブな言葉に聞こえるかもしれませんが、当事者の生活自体は何も変わりません。

これまでと同じように、学生として1日1日が過ぎていくだけ。

変わるのは周囲の目(それも一時的)。

ただ、これが私のキャリアの方向性を大きく変える転機になったので、人生わかんないもんだなと思います。

まさに塞翁が馬


レールから強制的に外れたことで、今までと違う景色が見えはじめて。

「あれっ、こういう生き方をしても良いんだ」「日本で働かなくても、今からでも海外で働く道はあるんじゃないか」と気付くきっかけになりました。

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「選択肢を広げること」と「違和感を大事にすること」

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相変わらず長々と書いて、何を言いたいのかというと、主にこのふたつ。

今の状況に満足していないのなら、選択肢を広げること。
「自分はこういう考え方は合わない」と思った時には、それを批判する方向に行くのではなく、その違和感を大事にして、自分が幸せになれる方法を探すこと。

たとえば、私は法学部に入りましたが、法律の勉強は吐き気がするほど苦手です。

今思い出せることは「むささび・もま事件(名前の響きが気に入っただけ)」とか「譲渡担保(これが理解できていなくて留年)」くらい。

対象的に、私の友人には法律が本当に好きで、弁護士が天職という人もいます。

人には向き・不向きもあり、楽しい・幸せだと感じるポイントも違う。

自分が今いる場所で幸せなら、本当に素晴らしいことだと思います。

今いる場所が合わないのなら、他の選択肢を探してみることが、後々自分の人生に自信をもつことにも繋がるのかなと思います。



知らない選択肢は持てない

そして、選択肢を広げるうえで知っておきたいのが、知らない選択肢は持てないということ。

自分が一生懸命考えても、思いつく選択肢には限りがあって、新しい選択肢は簡単には生み出せない。

自分は特に何かに捉われていないつもりでも、実は自分では気付かない部分で、大きなバイアスが自分を支配しているかもしれない。

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また、「ハードルが高い選択肢は取りづらい」というものもあります。

ただ「ハードルが高い」というのは実は主観的。

例えば「やったことがないからハードルが高いと感じていたけど、実際にやってみると実は簡単だった」なんて経験、今までにありませんか?

「経営者の子どもは経営者になりやすい」という話がありますが、身近でそういうお仕事をしている人がいると、その仕事に対して親近感が湧きやすいというのは理にかなっていると思います。

逆に言えば、身近に経営者の人がいない人にとっては、起業ってものすごくハードルの高いことに感じるのではないでしょうか。


今自分が持っている選択肢を作り出すものは、自分を取り巻く環境によるものが大きいと思います。

じゃあ知らない選択肢をどうやって知ればいいのか。

これについては、「良い本に出会うこと」と「新しいコミュニティに飛び込むこと」だと思っています。



コミュニティの大事さ

良い本が気付きや選択肢をもたらしてくれることは、簡単に想像が付くかと思います。

以前、こんなイラストもかきました。

そして、普段生活をするうえで関わるのは人。

仕事・友人関係・趣味。

自分の慣れ親しんだコミュニティは、とても楽。

人間は無意識に現状維持を好む傾向にありますしね(現状維持バイアス・デフォルトバイアスとも呼ばれます)。

ただ、同じコミュニティにいすぎると、そこでの当たり前が自分の当たり前になっていく。

変わらなくても良い安心感が強い一方で、「新しい発見」は得にくい。

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自分の視野の狭さや、違う価値観・当たり前に気付かせてくれるのが、新しいコミュニティに飛び込むことの良さだと思います。

経営コンサルタントの大前研一さんの有名な言葉で言うと、「付き合う人を変える」と「場所を変える」に近い話かなと思っています。

人間が変わる方法は三つしかない。一つは時間配分を変える、二番目は住む場所を変える、三番目は付き合う人を変える、この三つの要素でしか人間は変わらない。もっとも無意味なのは、「決意を新たにする」ことだ。(「時間とムダの科学」より)



違和感があるなら、自分に合うコミュニティを探す

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とはいえ、今はコロナで人との関わり自体が薄まっている時期ですし、知らないコミュニティにいきなり入るのって勇気が要りますよね。

コミュニティと呼べるかは分かりませんが、自分と価値観や興味の方向性が合う人を探すのって、実はインターネットでも十分だと思っています。

海外で働いている人も、HSP(繊細さん)な人も、英語学習をしている人も、Twitterを使えば簡単に見つけることができます。特定の悩みがあるなら、ググるだけで色んなリソースが出てくるし。

Noteでも色んなクリエイターさんが日々色んな価値観を発信しています。

「こう思ってるの、自分だけじゃなかった!」という気付きもよくありますし、自分の目指している方向性に近い人を見つけられたらラッキーだと思います。

今の身近なコミュニティで辛い思いをされている方や違和感が強い方は、今のコミュニティから離れ、違う人と関わる勇気を持つことも大事かなと。

友人関係だけではなく、職場においても同じことが言えると思います。

変化って怖い。けど、行動してみないと見えないことって、たくさんあります。

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ちなみに。

私は、日本で生きづらさを何度も感じたので住む場所を変えましたが、海外で働くことを誰にでも薦めたいわけではありません。

アメリカでの生活は気に入っているけれど、大変なことも多いです。

この前も身に覚えがない水道代でいきなり謎の500ドル請求されたし。仕事でも、語学力のハンデがあるとどうしても職種の幅に制限が出ますしね。

でも、ちょっとずつ自分に合う方向にキャリアが進んでいるかな、という手応えはあります。


今の環境が気に入っているなら、それで良い。

今の環境が辛いなら、違和感があるなら、他の選択肢を検討する。

どの選択肢も腑に落ちないなら、新たな選択肢を探す。

周囲と異なる選択に興味があるなら、勇気を持ってやってみる。

失敗しても、上手く行かないときがあっても、人生なんとかなる。

その時その時で、自分に合うコミュニティ、自分に合う場所、自分に合う生き方を選べば良いのではと思います。


さいごに。

就活中、もしくは就活を控えているみなさん。

今年は特にコロナで今までとまったく勝手が違って、色々大変だと思います。

もちろんみなさんの就活が上手くいくことを願っていますが、レールからはずれた身としてお伝えしたいのはこれ。

もし今の自分の選択に違和感があったら、その違和感を大事にしてください。

きっとその違和感は続きますし、それが自分らしい人生へのヒントになると思います。

自分が今持っている選択肢以外に、何か持てる選択肢がないか、ちょっと探ってみるのも良いかもしれません。


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みつは
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