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明日はどこにいるかを決めずに旅立ってはいけない|エッセイ

すでにあの時、運命は決まっていた。

「ゴールを決めずに走り出してはいけない。」

これはその教訓のための物語である。

2024年2月26日、私は明日からの香川出張に浮かれていた。一年ぶりの出張だ。深夜まで家を出る準備を整えて用意は万全である。

夜更かしをしたものの、朝は6時には起きて準備を進めた。
11時台の飛行機に乗る予定だったが、空港でお土産を買おうと決めていたので、9時に新千歳空港へ到着するバスに乗り込んだ。

お土産は早々に買えたので、新千歳空港の名物であるポテリコや、きのとやのソフトクリームを堪能した。

ゲームで敵を倒す時も、完全に勝てると確定できるまでしっかりとレベルを上げてから挑むタイプの私は、搭乗時間よりかなり早めに手荷物検査場へむかう。

新千歳空港は国際線と国内線があり、お土産物屋さんから温泉、アミューズメント施設まである。羽田ほどではないものの、とても広いので安全、安心で飛行機に乗りたい私は、40分ほど前には手荷物検査場へ向かうことにしている。

パソコンやペットボトルの水などをカバンから取り出し、上着を脱いで準備は万端だ。ポケットの中身も確認し、飛行機乗り慣れている感をアピールする。

「次の方どうぞ。」

スマホに表示したQRコード機械にかざすと、激しい警告音がなった。

しまった。そういえばチェックインを忘れていた。
手荷物は預けなかったので、チェックインをすっかりわすれていた。

「そういえば、チェックイン忘れてました……」と伝えると、

保安検査係員のスタッフは冷静に言った。

「このチケットはエラーが出てますね。カウンターで確認してください。」

今回初めて航空券と宿泊がセットになったじゃらんのパックを使った。

出がけにスマホで確認した時にはたしかにエラーが出ており、PCで確認しなおすとキチンとQRコードが表示され安心していたが、やはりチケットが取れていなかったのだろうか?

首の後ろをヒヤリと冷たいものが走るのを感じながら、よくよく予約の画面を見てみると、私のスマホにはこう表示されていた。

『羽田発→高松空港行』

……思い返せばおかしかった。
じゃらんのパックはお手頃だとはいえ、札幌から高松まで往復の直行便+2泊のホテル込みで5万円以下だった。
めちゃくちゃ安い。安すぎる。

高松のスタッフにも「高松までの直行便があったんですよ。」などと吹聴していたが、そんなものはないのだ。

新千歳空港から高松空港へ行くには、現在乗り換えでしか行くことはできない。

やはり札幌から高松の直行便はないのだ!

出発まであと30分。
どうするわたし。

どのみち11時台に羽田を立つ航空券は使うことができない。
なぜなら私は今「新千歳空港」にいるのだから。

とにかくJALのカウンターへ行って変更がきくか確かめなければ……

震える手でスマホを握りしめながら、カウンターへ向かうとアナコンダのような大行列ができていた。

その日羽田空港は強風により、多くの飛行機が遅延、欠航していた。羽田から全国、全世界に向かう、若しくはやってくる飛行機が足止めをくらっており、それに伴うチケットの変更手続きを求める人々がカウンターに殺到していたのだ。

私はカウンターへ並びながらじゃらんパックの予約ページを隅々まで探すと、あった!

JALじゃらんパックの予約内容を変更する事は可能ですか?

2021/09/06•ナレッジ

時価販売商品のため、予約内容(参加者氏名・航空便・宿泊施設・レンタカーなど)の変更を承ることができません。
また、一部の取消も承ることができません。変更および一部の取消をご希望の場合はご予約の取り直しが必要となります。

※お支払い完了後(契約成立後)に取消した場合、所定の取消料がかかります。詳しくはこちらをご参照ください。
※ご予約お取り直しの際は航空便および宿泊施設の空席・空室状況等により、ご希望の航空便や宿泊施設が予約できない場合がございます。
※同一内容でも予約のタイミングにより旅行代金が異なる場合がございます。予約後に旅行代金に変動があった場合、差額の返金および追徴は行いません。
※クーポン・ポイントをご利用の予約をお取り直しする場合、先にお取り消し操作をしていただくと有効期限内のクーポン・ポイントは返却されます。

https://help.jalan.net/jjp/s/article/000004751


つまり、このチケットをどうにかすることは無理だとわかった。飛行機の出発時刻を過ぎてしまうとキャンセルもできなくなる。

大行列の中、一人絶望した私は、泣く泣くじゃらんパックのキャンセルボタンを押した。

1か月も前から予約して楽しみにしていたのに。
せっかく買ったこの大量のお土産はどうしよう。
ああ、なんてことだ。
高松のスタッフにはどうやって説明したらよいだろう。

頭の中を様々な思いが駆け巡るが、最初にやらなければいけないことは、1つ。

高松への電話だ。

少しづづ進む行列の波に遅れないよう、床に置いたお土産を持ち上げて、下ろしてを繰り返しながら、震える手で業務連絡ツールを操りながら、高松スタッフリーダーの由紀さんの電話番号を聞いた。

下手な言い訳をしてもどうにもならないので、そのままの現状を伝えた。

「由紀さんお疲れ様です。実は私、飛行機撮り間違えてまして……。はい羽田発だったんです……。そうです、安すぎでしたよね、やっぱり。はい、飛行機を取り直せば今日中には着けると思うのですが……。たぶん10万は超えます。」

「それじゃ社長に直接電話して、聞いてみて!たぶんそれでもいいからおいでって言うとおもうよ。気をつけて来てね!」

優しいがすぎる……。怒られるどころか心配まで。

次の関門は社長である。「ドドドドン、ドドドドン……」
iPhoneの方ならわかるだろうか。
私は電話の着信音をクラッシックのピアノリフにしているのだ。

今まさに運命が動き出す。そんな雰囲気を盛り上げる重低音が手の中で鳴り響く。

「なにやっとんねん!チケット取れそうならいいから取っておいで~!今度は間違えんようにな!」

「でも10万以上になりそうなんです。」

「しゃーないやん。領収書は忘れずに~」

ひたすら謝り通して電話を切る。

社長が神だった。
絶対にバチクソボコボコに怒られると思ったのに、今からチケットを取って行ってもいいらしい。

ひとまずの方向性は決まった。

それでもまだ動悸の激しい胸を押さえ、ふらつく足元にある無駄にならなかったお土産の大きな袋を見つめながら、まだ先の見えないカウンターへの行列から抜け出した。

なぜこんな単純なミスに気づかなかったんだろう……。
何度もチケットは見ていたはずなのに。
焦りと自分の不甲斐なさに気持ちが落ち込む。

しかし自己嫌悪に浸っている暇はない!

「わたしは、今日中に、絶対に、高松のホテルに着く!」

目的地をしっかりロックオンして、今夜私がどこに居たいか決めた。
明日どこにいるか決めずに旅立ってはいけないのだ。
決めていなかった私はこうしてまだ新千歳空港のJALカウンター前のベンチに座っている。

どうするかは決まったものの、今日発つ飛行機を探さなければならない。
時間は11時過ぎ。焦る気持ちが手と脳味噌を震えさせる。

前回はジェットスターで、新千歳空港→成田、成田→高松で乗りついていった。しかしジェットスターは、便数が少なく今日中に着く飛行機はなかった。

格安で行くのは早々に諦めて、JALに絞り検索するとあった!
15時台で新千歳→羽田、18時台に羽田→高松という飛行機があるではないか!

他の時間帯との値段の差は?などと検索していると15時台が売り切れてしまたようだ。次は17時台に新千歳→羽田、20時台に羽田→高松か……。

早い方がいいだろう。

もちろんこの時も、私の心臓はバクバク落ち着かないし、全身がぶるぶると緊張にまみれていた。

だからまたやったのだ……。

人は心の持ちよう1つで、座ったままでもかなり動悸を激しくすることができる。

そんなこと知る機会になったエピソードである。

「あれ?さっきなくなっていた、15時台の飛行機がまたある!
誰かがキャンセルしたのかも?よおおし!ツイてる!これで行こう!」

このときの私がツイているわけがない。いまならわかる。

無事飛行機をとれたと思った私はやっと肩の力を抜いて、食いしばっていた奥歯を緩めた。まだ心臓はバクバクしている。

でも待って。もう一度ちゃんと確認しなきゃ。

15時台高松→羽田 羽田→18時台新千歳空港

そう、新千歳空港のベンチに座っている私は、またしてもチケットをとり間違えて、高松発のチケットを取ってたのだ。

見直してみると15時台の新千歳空港→羽田の飛行機は満席だ。

暴れる心臓を抑え込み、ゆっくりと深く深く息を吸った。

大丈夫、大丈夫、こんなことでは死ない。
これはピンチになった時、私が私にかける合言葉。

死ぬこと以外かすり傷というやつの応用編である。

そうして、大きく息を吐いた私は、こんどこそ、こんどこそしっかりと確認して、今とったばかりのチケットをキャンセルして、新しいチケットをとり直した。

17時台に新千歳→羽田、20時台に羽田→高松

時間は12時すこし前。

やっと高松へ行く目途がついた。

17時まではたっぷり時間がある。

落ち着いてPCが開ける場所をインフォメーションで聞いて、PRONTOの向かいのカウンター席に座った。

ここなら食べものも飲み物も調達できるし、長居がしやすい。

高松スタッフへ到着時刻を連絡して、PRONTOで飲み物を頼んだ。

PRONTOのスタッフさんが、髪色すてきですね、と声をかけてくれた。
自分の不甲斐なさや、だめだめぶりに心底落ち込んでいた私はこの一言にとても救われた。

なんのきなしにかけた一言が誰かの大きな救いになる。
あの時の私には自分に素敵なところなんて一つでもあるもんか、とやさぐれていたので、本当に心が温まった。

あのお姉さんに幸あれ。

まだまだバクバクしている心臓を落ち着かせるために、ノンカフェインのホットティー(グリーンルイボスフルーツ)を頼んで、席に着く。

ここで私は自分の心の動きをみてみることにした。

失敗した→落ち込んでいる→またさらに失敗した→さらに落ち込んでいる→自分の能力の低さにあきれる→自分の過去の失敗を思い出す→そのことも含めて自分の能力の低さをなじる。

失敗もとに私を攻撃しているのは私。

だからここで一旦落ち込むのを終了することにした。

起きてしまったことはもうしょうがないのだ。この失敗を取り返すくらいまた頑張ればよい。後ろを振り返って失敗したと嘆くより、今目の前にある仕事をこなす方が建設的である。

なんなら私みたいな飛行機チケットとるの失敗する奴に頼んだお前の任命責任があるだろうよ!(これは調子にのりすぎである。)

などと頭を整理しながら、温かいお茶を飲み心を静めていった。
搭乗するまで仕事をしよう。それが一番今やりたいことだった。
静かにPCをセットして、仕事を始めた。

しかしこの旅のトラブルはまだまだ続くのだ。
この時の私はまだ知らない。

高松行の飛行機が飛び立つ2時間ほど前。

もう失敗はするまいと早めにPRONTOを出てチェックインを行い、手荷物検査場へ向かう。

最新式の手荷物検査は、PCやタブレットをカバンから出さなくても検査できるようになっていた。

大きなトレーに上着、PCの入ったリュック、お土産の入った紙袋をいれて、スマホに表示されたQRコードのチケットをかざしたあとは、そのスマホもトレーに入れて金属探知機を通る。

そういえば先日マキシ丈のシャツワンピースを着て金属探知機を通ろうとしたら、職員の方に「脱いでください」と言われたが、そのシャツワンピースの下は、下着+チュールのインナーのみだった。

ここで脱いだらそこそこの露出狂になるため断ったらそのまま通してくれた。コートっぽくみえたのだろうか。

搭乗口の前についてあとは、時間まで待つだけだ。

あまりの緊張にお昼も食べ損ねてしまったが(ポテトとソフトクリームは食べている)そろそろお腹がすいてきた。

あとは乗るだけとチャーシューをつまみにビールを飲んでゆったりと搭乗時間を待った。

搭乗時間を待った。
搭乗時間を待った。
搭乗時間を待った。
あれ?まだですか?

「本日、羽田空港強風のため、飛行機の到着が遅れております。」
すこし緊張した様子のアナウンスが高らかになりひびく。

どうやらさきほどのカウンターの行列も羽田の強風により欠航が続いているためにおきていたようだ。

あわててスタッフの方に話を聞く。

なるほど。

「強風で飛行機が遅れているだけでなく、羽田空港に着かないかもしれない」らしい。

まだまだ、私の試練は続いていたのだった。

要約するとこうだ。

・羽田空港周辺が強風で飛行機の到着が大幅に遅れている。
・到着した飛行機に乗っても羽田には着けず「成田空港」or「伊丹空港」へ到着するかもしれない。
・羽田に着かない場合その日の宿泊費は出す。
・翌日の便への振り替えは無料で行う。
・しかし「成田空港」or「伊丹空港」に着い場合、羽田空港までの交通費は自分で払わなければならない。
・上記全て了承したうえでこの飛行機にのってね!


強風が落ち着いて羽田に着ければなにも問題はないが、着かなければ成田or伊丹or羽田でのホテル探しと交通費自腹、さらに羽田→高松の飛行機を取り直して、高松のホテルをキャンセルして当日キャンセル料を支払い、明日の会議への遅刻が決定するということだ。

これはもうギャンブルである。

羽田か成田or伊丹か。

しかし今日の私は、高松のホテルでリラックスしている姿をしっかりと思い描いている。

もう後には引けないのだ。

搭乗することを選択した私は、飛行機が遅れていること、到着時刻が何時になるかわからないことを、高松スタッフに連絡した。

「こんなときに……、重なるものだねえ。気を付けてきてね。」

「こんなとき」を作ったのは私のせいなのに、優しい言葉が心に響く。

一時間半。

本来なら新千歳から羽田まではそのくらいの時間で行く。

だからJALが用意してくれている「17時台に新千歳→羽田、20時台に羽田→高松」という飛行機は、無理なくトランスファー(乗り換え)できるだけの時間があるはずだった。


急がない人たちは、明日の便へ振り替えしているようだった。

しかし私は「明日の午前中、高松で行われる会議に行く」という目的が
ある。絶対に今日の夜には高松のホテルにいなければならないのだ。

搭乗時間は大幅に遅れたが、羽田の強風が落ち着いてきたようだ。

「今夜は高松に着く。」

強い思いを持った私を乗せて、ついに新千歳空港から飛行機が飛び立った。

飛行機が新千歳を飛び立ったのは18時ごろ。
約一時間半のフライトで羽田に着く。

羽田に着いた後は、20時台の飛行機に乗らなければならない。

単純に考えてもトランスファーの時間は30分ほどしかない。

たぶん羽田から高松の飛行機も遅れているだろうから、もう少し時間はあるはず……。と思いながらも飛行機の中でそわそわと落ち着かない気持ちでいた。

まずは羽田に着かなければならない。

結果、私は強風に勝った。
飛行機は何事もなかったかのように羽田空港へ着陸態勢をとった。

「高松行の飛行機にも間に合う!」
強い確信と決意の元、私は荷物をまとめ始めた。
着替えを極限まで減らした2泊の荷物は全て手元のリュックに入っており、預けている荷物はない。

リュックと手持ちのお土産袋を抱えて、そのままダッシュすれば乗り換えに間に合うはず。

再び激しくなる動悸を抑え込む私を乗せた飛行機は、無事羽田に到着した。

羽田へ到着してすぐ、荷物を下ろすため立ち上がる人々がごったがえす機内にアナウンスが流れた。

「ハワイへ乗り換えをされる〇〇様~、熊本に乗り換えの〇〇様~添乗員がご案内しますので、お声がけください。」

私だって乗り換えをする。
なぜ私は呼ばれない?

時間は次の飛行機が離陸する20分ほど前。

ほらまだ、時間はある。

高松行の飛行機が飛ぶか添乗員さんに確認するか?
しかしその時間も惜しいくらいギリギリの時間だった。

しかも添乗員さんは皆他の乗り換えの人々の対応に追われ、すぐに話はできない状況だ。

機内でぼーっとしていたあの時間に、あらかじめ聞いておけばよかったのに、朝から心臓を酷使していた私は飛行機の中で気を抜いてしまっていた。

まだ戦いは終わっていなかった。

もう一度私に宣言しよう。

「わたしは、今日中に、絶対に、高松のホテルに着く!」

そう叫んだ(心の中で)私は、リュックとお土産を抱えて、羽田空港に降り立った。

高松行の搭乗口は知っていた。
新千歳で受け取ったレシートのような紙に書いてあった5Bを目指す。

私が降りた出口は20のあたりだったので、5Bは遠いかもと思いながらも、歩く歩道を駆使しながら進んだ。

出発時刻まであと10分。

立ち止まって遅延の時間を確認した方がいいのか……。
でも10分なら搭乗口まで着く。はず。

搭乗口までたどり着けば何とかなるはず。

「1~5」と看板は出ているものの、歩けど歩けど、5は出てこない。
焦りと、早歩き、と荷物の重さが相まって全身汗まみれになりながら、ひたすら前を見て一歩ずつ進んだ。

羽田空港は、南北に大きく広がっており、端から端までは1km以上あるらいい。私が到着したのは北の端で、高松行は南の端にあったのだ。

どこにゴールがあるかわからないまま、時間に追われながら、重くなった足を引きずりながら進んだ。

いつも以上に動かされている体は、ぎいぎいと悲鳴を上げながら緊張と運動により動悸はさらに激しくなる。

やっと5Bの搭乗口が見えた時には、声が出そうになったが人が乗り込む様子もなく“しん”と静まりかえっていた。

カウンターにいるスタッフも静かに仕事を進めている。

まさかもう閉め切ってしまったのか?

いやでもJALならギリギリまで乗り遅れている人を呼び出ししてくれるはずだ。それなのに静かすぎる。

恐る恐るスタッフの方へ声をかけると彼女は言った。

「申し訳ございません。強風の影響によりまだ搭乗アナウンスは行っておりません。お時間が決まり次第お知らせいたします。」

間に合った。

全身の筋肉が緩んで足が震えた。

一言添乗員さんに確認していたらこんなに焦らなくてもよかったのかもしれない。それも間に合った今だからそう思えるのだ。

あの時はあの選択がベストだった。
とにかく今夜高松へ行く飛行機には間に合った。

結局21:30発予定の飛行機は、30分ほど遅れて23時より少し前に高松空港へ到着した。

空港へは高松スタッフが迎えに来てくれ、深夜宴会をしていた他のスタッフと合流し、最後に高松のホテルへ送ってもらった。

出発の前日、私はこんなことを書いていた。

空港までのバス時間は?

着いてからお土産を買わなきゃ。

着いたあとはどこへ向かうんだっけ?

ってか飛行機飛ぶかな?(雪国の冬あるある)
などなど心配と期待と焦りと全てが見通せない、もやのかかった未来がとても楽しみなのだ。

いつもの6畳から抜け出して明日の私は、どこで何をしているだろう?

明日はどこにいる?旅立つ前の高揚感|エッセイ

私の願い通り“期待と焦りで全てが見通せない、もやのかかった未来”がやってきた。

もし昨日の私に戻れるならしっかりと伝えたい。

「明日はどこにいるかを決めずに旅立ってはいけない」と。


【あとがき】

創作大賞に向けて何かかくんだ!と焦りまくっていた私は、途中までかいていた「2月に行った高松出張の飛行機チケット撮り間違えちゃった話」を仕上げようとPCに向かった。

書き始めた時は、もうこのドキドキ手に汗握って泣きそうだった出来事を、ネタにして浄化させる!と息巻いていたものの時間がたつと落ち着いてしまって、最後まで書く意欲がなくなってしまっていた。

出来事の鮮度は、日に日に落ちていくということを強く感じたので、心が動いたらすぐに書け!と自分へ向けて言っておきたい。



#創作大賞2024
#エッセイ部門



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稲橋 閃
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