東東漢屋(とんとんからや)の雪まつり|ショートショート
村はずれではいつもの織戸が鳴りひびく。
とんからや、とんからや……。
今日は姉さまの番だった。姉さまの織戸は、リズミカルで優しく心地よい。
もうすぐやってくる雪まつりの準備で村は大忙しだ。
ちいさなこどもは雪のお地蔵さまを、わたしたち少年は雪室を掘り、神様をお迎えする準備を行う。
大人たちは、夏に蓄えた魚や野菜でいっぱいの蔵に麻で作った七五三縄を下げる。
ねえさまたち青年は、雪まつりの日まで順番に村の一番奥にある御社殿で、機織りをする。
3月に嫁ぐねえさまの織戸を聞けるのは今年で終わり。
次はわたしが織戸を紡ぐ。
私の織戸はどんなだろう。
【あとがき】
札幌はもうすぐ冬の一大イベント雪まつりがはじまります。
札幌市民は寒いから、なかなか行かないもんなんですよね……。
今年こそはいこう!っていっつも思うけど、なかなか実現しないんですけど、子どもは楽しいだろうからいこう!いく。たぶん。
※イラストはキャンバAIで制作しました。
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