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あいちトリエンナーレ 問題?作品②「英霊を侮辱」はデマ!

あいちトリエンナーレ2019「表現の不自由展・その後」に出展された作品の一つが、『「間抜けな日本人の墓」というタイトルで「英霊・特攻隊・日本兵士を侮辱している」』として問題視されています。

その作品は実際はどんなものだったのでしょうか。

「間抜けな日本人の墓」というタイトルの作品はない

こちらの作品の正式名称は、「時代の肖像-絶滅危惧種 idiot JAPANICA 円墳」と言います。

idiotが「間抜けな」という意味の単語であることから、「間抜けな日本人の墓」と、タイトルの一部を切り取った情報が広がっているようです。

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作家の想い:インタビュー(2014年)

この作品は過去にも東京都美術館で検閲を受けた歴史があります。

 あいちトリエンナーレよりずっと前に、作家は作品について、インタビューに答えています。

「『idiot JAPANICA 円墳』という名前のとおり、これは『馬鹿な日本人の墓』なんですよ」――。中垣さんは、そう語った。作品中の星条旗には、日本が敗戦から今日に至るまでまで、未だに米国から自立できていないという思いから、「日本人は死んだら米国人になる」という皮肉が込められているのだという。
(中略)日本人の墳墓をかたちにして、日本人がどうあるか、どうあるべきかを表現した作品であって、..

作家が作品に込めた思いは、対米従属を続ける日本への皮肉です。その皮肉は現代に生きる日本人に向けられたものであって、先の大戦で亡くなった英霊や、日本兵士に向けられたものではありません

作家がインタビュー中で「馬鹿な日本人の墓」と言っているので、言葉に反応して、日本侮辱だととらえている方が多いようですね。

作家の言い分などいかようにも作れる!と、どこまでも作家による説明を疑う方もいますが、2014年にすでに存在していた作品でありその頃から言っていることは変わっていません。

なぜこの作品が英霊を侮辱?

作品上部には、日の丸の寄せ書きが乗せてあります。それを「特攻隊の寄せ書き」と勘違いしている方がいるようです。

このことについては、作家からインタビューを受けたあいちトリエンナーレのあり方検証委員会調査報告書p12でも、検証されています。

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 今はアーカイブになってしまいましたが、こちらの記事でも、特攻隊とは関係ないと記されていますね。

その顕著な例が、中垣克久氏による《時代(とき)の肖像―絶滅危惧種 idiot JAPONICA 円墳―》にまつわる言説だ。これは近年の日本における右傾化や対米従属を批判した作品であったが、円墳の上部に掛けられた日本国旗の寄せ書きが「特攻隊を愚弄(ぐろう)している」として批判の対象となった。ただ、これは実際には海軍兵学校在籍中に終戦を迎えた中垣氏の養父が書いたものであり、「特攻隊」とは何も関係のないものである。そもそも中垣氏は従兄弟の父親を戦艦大和の特攻作戦で亡くしており、特攻隊員にはむしろ極めて同情的な人物だ。

 このことが上記「馬鹿な日本人の墓」のタイトルと相まって、「英霊侮辱」へと話が発展しているようです。

 要するに「全くの勘違い」だというわけです。。。

参考:作品評

上記の事実を踏まえた上での作品評もありますね。


まとめ

 このように、「英霊を侮辱している」とはほど遠い作品であることが分かりました。

 この作品に限らず、背景や説明を無視して、また、作家談は考慮せず、「自分が侮辱だと感じるから作家の意図がどうであろうと侮辱なんだ」と捉える方がいるようです。

 作家の意図とは違うと知ってもなお、怒り続けることに何のメリットがあるのだろうと思います。

 正しい情報を少しでも知ることができれば、無駄に怒ることもないのに。

 また、あいトリの津田芸術監督は、定期的にデマの訂正を行っていますが、未だなおこのデマは拡散されているようです。

 知事のリコール運動にまで発展させるなら、せめて事実を元に行ってほしいものですね。