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色々葛藤したけど結論、専業主婦になってよかった
私が自分の人生で専業主婦になる日が来るなんて思ってもいなかった。
自分は仕事が好きで、39歳まで転職を繰り返しながらがむしゃらに働いてきた。
夫の仕事の都合で夫の故郷オランダに引っ越してきてから早や一年。
私も専業主婦になって一年だ。なぜか感慨深い。
この一年、専業主婦になってよかったと毎日思っていたわけではない。
たくさんの葛藤を繰り返しながら今ようやく専業主婦でよかったと言えているだけ。
ここでは専業主婦になった理由と、何がよかったのかについて書きたい。
引っ越し後の転職活動における苦悩
引っ越しまで産休を取りつつ仕事を続けていた。
私の住むヨーロッパでは共働きが一般的で、自分もそうなると信じて疑わなかった。
引越し当時、子供は生後6ヶ月だった。
引っ越し後すぐに転職活動を始め、近くの保育園にたまたま空きがあったので、スポット確保と慣らし保育のため週一で子供を預けていた。
転職活動をしていれば、すぐに仕事が決まると思っていた。
だが、私がやりたい仕事と、私の働き方が合わない。
私のやりたい仕事は週5で働く必要がある。
でも小さな子供がいるので週5では働きたくない。
週3もしくは週4で働けないか。
模索していた。
自分はずっと週5日働き続けてきた。残業もたくさんしてきた。
とにかくがむしゃらに働いた。ヨーロッパに移住してからも慣れない環境と言語の中、ものすごく頑張って働いた。
おかげで使えるキャリアを築けたし、お給料も増えてきた。
独身の時に働いて稼いだキャリア、その続きを作りたかった。
華々しい立派な仕事ではないけれど、自分が必死に身につけたスキルを発揮して、また認められ、給料を上げたいなど考えていた。
母親は週3や週4のパートタイムで働くのが一般的なオランダだが、私だけは他の人と違うと信じて疑わず、週5の仕事をやり遂げられるのではないかと思っていた。
だが現実はうまくいかなかった。
仕事のことと子供のことを天秤にかけたとき、週5仕事にフルコミットする決断がどうしてもできなかった。
がむしゃらに働き、時には残業もして、通勤に疲れ、お迎えに疲れ、自分を消耗していいのかと葛藤した。
夫ともたくさん話し合った。
そして、結果的に自分は小さい子供を預けて働くのはやめることにした。
キャリアアップになる仕事の可能性を捨てることは苦しかった。
だからといってパートで特にやりたい仕事でもないことをするのもなんだか腑に落ちなかった。
ものすごく悩み、涙し、出した結論。
仕事探しをやめ、専業主婦になると決断してからも苦悩はしばらく続いた。
お金を稼いでいないことの後ろめたさに葛藤した迷走期
専業主婦になったはいいものの、お金を稼いでいない自分には価値がないのではないかと思う日々が長く続いた。
そして焦り。もうすぐ40歳だし、空白が長くなるのはマズイ。
いろんなYouTube動画を見ているうちに、動画編集の仕事は稼げるというのをいくつも見るようになった。
そうだ、私も動画編集を勉強して、家でお金を稼げるようになろう。
そうすれば、完全在宅で仕事ができ、子供とも一緒にいられる。
動画編集の仕事に対する期待は大きかった。
思い立ったらすぐ行動。
動画編集のオンライン教材を買い、ソフトを導入し、めちゃくちゃ勉強した。
そして勉強してからすぐに仕事の案件を取り出した。
インプットしてばかりではいけない、アウトプットをしなくてはと、日本のクラウドワークスに登録し、いくつか安い案件をやった。
最初は難しすぎ、時間がかかりすぎて本当に大変だったが、納品できると嬉しかったし、良いフィードバックをもらえると嬉しかった。
だが私はよく深い。
安い案件をとってても仕方ないので高い案件に行こうとする。
英語の翻訳も兼ねた動画編集だと高単価のものも多く、すぐにお金を稼げるようになった。
だが私はまたここで悩んだ。
ヨーロッパに住んでいるのに、日本のクラウドワークスで高単価の案件をしてもユーロにすると少な過ぎると。
そのとき、いくつかのクライアントや、相談に乗ってもらっていた動画編集のディレクターと関わって私は思うことがあった。
自分が今までの会社で一緒に仕事をしてきた人たちのようなリスペクトがない。
コミュニケーションの取り方も変だし、なんだか私はこの人たちと全然合わない気がした。
そして、子供の面倒を見ながら動画編集をできるわけなどなく、子供の昼寝の時間や、就寝後に必死に動画編集をしていたわけだが、そうすると自分がリラックスできる時間が全くなかった。
疲れていた私は夫と話す時間もなくなってしまい、家事も疎かになり、ストレスのため夫や子供に優しくできないことが続いた。
慣れない間や、大変な編集作業のときは寝る時間も削っていたので眠かったし疲れが取れなかった。
家族が大事なのにこれでいいのか?
そこまでして動画編集の仕事がやりたいのか?そんなに魅力的なのか?一生の仕事にしていきたいのか?
繰り返し自分に問いかけているうちに、動画編集の仕事はやめようと決断した。
決断できたのは友人に会ったおかげだ。
今でも動画編集の勉強をして仕事をしたことに後悔はしていない。
新しいスキルとして履歴書に書くこともできる。
でもそれで食べていこうとはならなかった。
余談だがこの動画編集をがんばっている期間、「ママでも起業!」というコミュニティに入りかけ、何十万というお金を失いそうになったが、突然目が覚めて失わずに済んだ。
専業主婦でお金を稼いでいない、自分には実力があるんだ、とかいう気持ちがそれに心酔させていた。
あとタロット占いやリーディングにもハマっていた。
心が不安定なときは、色々と危険だと学んだ。
経験者の友人のおかげで焦りがなくなった
友人二人に会った。
二人とも夫がオランダ人で、子供が幼稚園や小学校に入ってから仕事を始めた日本人だ。
仕事のキャリアをそこから築いた人。
私の元同僚だった人。
その二人は言ってくれた。
「子供が幼稚園や小学校に入ってから仕事を探しても大丈夫。必ず仕事は見つかる。三橋ちゃんはもうすでにキャリアがあるんだもの。たくさんの経験もしてるし、仕事なんて絶対見つかるよ。」
そう言われて、とても、とても、安心した。
年齢的にも仕事を今見つけたほうがいいのではないか、とか空白が長いともう仕事ができないのではないか、とかお金を稼いでいない、もしくは小遣い程度にしか稼いでいない自分には価値がないのではないか、とかたくさんの悩みをぶちまけた。
友人は言った。
「オランダは日本みたいに年齢はそんなに重要視されない。40代なんてまだまだ若いし仕事もたくさんある。空白の時間を楽しんだほうがいい。仕事なんてすぐ慣れる。専業主婦だって立派な仕事。子供が小さいときは楽しむのが一番だよ。」
経験者からの言葉は私をすごく安心させた。
同じ言葉をオランダ人の夫や夫の家族も言っていたが、「オランダ人と日本人は立場が違うんだよ、簡単に言うなアホ!」と全く素直に受け止めることができなかった。
日本人ですでに子育てを経験している同じような境遇の友人が言うとこうもスッと受け止められるのかと思った。
そうして私は100%スッキリして専業主婦になれたのである。
専業主婦が性に合っていると気づいた
私は仕事ばかりしてきた人生だったが、専業主婦になってみれば意外と性に合っている。
私なんて絶対専業主婦無理だわーと思っていたが、まったく無理ではない。
毎日が楽しい。
まずストレスがない。
子供もあまり手がかからない気がするし、悩むこともなければ辛くて泣けてくることもない。
毎日子供かわいい、楽しい、たくさん昼寝できる、おいしいもの食べれる、好きなことを存分にできる、と充実した日々を送っている。
さらに掃除をこまめにするようになったので家がいつも綺麗。
ミニマリスト気味なので物も少ないし散らかりにくい仕組みを作り、片付けも楽になった。
どうしたらもっとミニマリストになれるかを考えて実行するのが楽しい。
中古品のお店で安くかわいいインテリアを買ってみたり、いつも枯らしていた観葉植物の面倒をしっかりみることでぐんぐん育っていることが嬉しかったり。
毎日おいしいものを作って食べ、家族がおいしいと言ってくれると嬉しい。
そして何より子供がかわいいしおもしろい。
この一年でハイハイができるようになり、伝い歩きができるようになり、歩けるようになり、しゃべれるようになった。
そのどれもが誇らしく、成長を見守れることが嬉しい。
夫との時間もたくさん取れている。
夜はふたりでアイスクリームを食べながら話したり、たまには二人で出かけたり。
ストレスがなくなったぶん、夫にキツく当たることがなくなった。
夫も私がいつも優しくて機嫌がいいのが嬉しいらしい。
当初彼も共働き希望だったが、私が専業主婦になってみたところ、これもなかなかいいと思っている。
私の夫は本当にいい夫で、綺麗な部屋や美味しい料理をいつも褒めてくれるし、私はいい母だといつも言ってくれるし、私が幸せであることを一番に考えてくれている。
この夫のおかげで専業主婦をストレスなくやれているのは間違いない。
仕事をしていない、稼いでいない自分を肯定できるようになった。
私は専業主婦としてめちゃめちゃ頑張っていると自負している。
そして、自分のキャパシティが小さ過ぎるので、もし仕事をしていたら両立は無理、毎日ストレスで心が荒れていて、家も汚ければ家族にもキツく当たっていたと思うし、疲れすぎて自分を消耗していたに違いない。
だから専業主婦になったことで自分のことも家族のことも大切にできていると思う。
いつかまた仕事を始めると思うので、期間限定の専業主婦ではあるが、このまま楽しく暮らしていきたい。
専業主婦は立派な仕事だ。
だが楽しいことばかりだと仕事という感覚もなく、ただ好きなことを存分にやっているという感覚だ。
ここまで来るのに私なりに長い時間がかかったが、今は専業主婦になってよかったと心から思える。
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