聴いてほしい!スラッシュメタルのアルバム10選
はじめに
メタル系の中でも専攻はスラッシュ、
と断言してもいい程に
スラッシュメタル系は80年代から
かなり聴き込んできたと言う自負はある。
今回紹介するアルバムは
あまりマニアックに走りすぎないように
敢えてオーソドックスな選考で
有名なアルバムばかりではあるが
バンド名は知っていても
実際、耳にされてない方にとっては
新鮮に感じる作品たちではないかと思う。
尚、今回BIG4(スラッシュ4天王)の作品は
敢えて外させてもらった。
METALLICA
MEGADETH
SLAYER
ANTHRAX
こちらについてはまた機会を持って
書いていきたいと思う。
それでは早速お薦めスラッシュアルバム
10選を紹介していきたい。
ではまず1枚目から…!
「Feel The Fire」OVER KILL
OVER KILL史上最もアグレッシブで速く
過激な1stフルアルバム。
個人的には「Rotten To The Core」の
カッコよさに全部持っていかれた(笑)
ブリッツのヒステリック且つ
表現力の高いボーカルが
土埃の舞うような荒々しくも泥臭い演奏と
見事にマッチしている。
メジャー進出後は割りとオーソドックスな
作風が増えた印象があるだけに
この作品の"異色さ"が際立っている。
「Fabulous Disaster 」EXODUS
ボーカルのゼトロが新たに加入して2作目の
EXODUSにとっての3rdアルバム。
ボリュームを上げるとスピーカーを
突き破りそうなほどの圧倒的音圧。
速い曲のみならずミドルテンポで重々しい曲や
カバー曲も収録された
バラエティ豊かな作品だが
ベイエリア出身バンドならではの
ベイエリアクランチは健在で
まるで包丁でキャベツを千切りするような
ザクザクしたリフが堪能できる。
タイトルチューンの「Fabulous Disaster」は
これぞスラッシュ!と言うべき佳曲。
「Game Over」NUCLEAR ASSAULT
スラッシュとハードコアパンクの融合を
まるでそのまま音にしたような作品
当時は「クロスオーヴァー」と
カテゴライズされていたジャンルで
いわゆるミクスチャー系の先駆け。
狂気を吐き出すような鬼気迫るボーカルに
縦ノリの演奏が非常に心地よい。
収録時間は36分くらいだがあまりの速さに
1時間くらい聴き続けている錯覚に陥る。
ベースの音の重さが非常に印象的である。
「Rrröööaaarrr」VOI VOD
"VOI VODはとんでもなくヘビーだ!"と
噂は聴いていたが
実際耳にすると予想以上の重さだった。
まるで恐怖映画のワンシーンのように
(メロディと言うよりは)音の塊が押し寄せる
圧迫感に思わず後退りしてしまいそうになる。
後年のプログレ路線変更への要素は
このアルバムには微塵も感じられないが
今改めて聴くと音の端々に垣間見る
独特のセンスを感じることが出来る。
この2ndアルバムこそ
VOI VOD史上最もハードでヘビーである。
「The Ultra Violence 」DEATH ANGEL
ベイエリア出身ならではの
いわゆる"ベイエリアクランチ"を武器に
技術の高い演奏と複雑な構成で
瞬く間に存在感を知らしめた。
独創的なリフや不気味なギターソロは
メタリカに通じる部分もあるが
後にファンク路線へ移行するような
オリジナリティも垣間見られる。
若干の音の薄さが気になるところだが
それらを埋めて余りあるポテンシャルを
秘めている。
そして共同プロデュースが畑違いな
デイヴィ・ヴェインなのも興味深い。
「Eternal Devastation 」DESTRUCTION
ドイツ(旧西ドイツ)出身のバンド、DESTRUCTION
雑誌で見た印象はいかにも、な感じの
メタルバンドのコスチューム。
実際に音を聴いてみると轟音ながら
とても繊細なイメージを感じた。
それでいて物凄く尖った音に乗せた
テクニカルな演奏。
"歌"もまた楽器の一部として存在し
とんでもなく良質な
それでいて緊張感に溢れる楽曲の数々、
音圧で壁際まで追い詰められるような
息苦しさが逆にとても爽快な作品である。
代表曲のひとつでもある「Curse The God」が
収録されているアルバム。
「Knnw Your Enemy 」LAAZ ROKKIT
LAAZ ROKKITの何が魅力?かと問われれば
とにかく荒削りで危なっかしいところ、
それはどの作品を聴いても感じられる。
この荒削りなところこそがこのバンドの
最大の持ち味のように感じる。
初期はそこまでハードではなかったらしいが
この3rdからスラッシュ的な音へと変貌、
やはりベイエリア出身バンドならではの
ベイエリアクランチも聴きどころのひとつ。
とにかく猪突猛進的な直球のイメージが
非常に心地良いと言う不思議なバンドである。
「R.I.P.」CORONER
非常にテクニカルで知的なイメージ、
メジャーどころで例えるとメガデスの方法論に
近い曲作りのスタイル。
イントロの荘厳なピアノから一転、
複雑かつソリッドな演奏を楽しめるアルバム。
リズムチェンジが激しく変拍子も難なくこなす
とにかくスラッシュの技術嗜好作品。
インスト曲では
泣きのフレーズも聴かせてくれたり
重く暗い世界をこれでもか、とばかりに
疾走感溢れる演奏で体現している。
とにかく上手い!
一時期は中古アルバムがとんでもない価格で
取り引きされていたが
廉価盤が再発され購入が容易になった。
「Mayhemic Destruction」MORTAL SIN
メタリカを追随するトップ3のバンドとして
TESTAMENT、OUTRAGE 、
そしてこのMORTAL SINが注目されていた。
中でもこのMORTAL SIN こそ
私の個人的なお気に入りのバンドだった。
個性的かつオリジナリティ溢れるギターリフ
不気味でおどろおどろしいギターソロ、
ボーカルが少しメタリカっぽくはあったが
ひとつのスタイルを確立していた。
スラッシュと言うよりもNWOBHMの
テイストを感じるのは私だけだろうか?
「Eternal Nightmare 」VIO‐LENCE
スラッシュメタルの中で最も個性的、と言うか
あまりにも前衛的なアルバムと言える。
全く以て予測のつかない曲の展開、
しっかりと聴いていないと曲の切れ目すら
判然としないほどの複雑な構成。
1、2回聴いたくらいでは覚えられない歌メロに
独特の歌い回し
全てにおいて理解するのに
かなりの時間を擁するにも関わらず
一度聴くとまた聴きたくなる
妙な中毒性を兼ね備えている。
好き嫌いは大きく別れると思うが
興味のある方はぜひご一聴いただきたい。
後にマシーン・ヘッドを結成する
ロブ・フリンが在籍していたことでも有名。
終わりに
いかがでしたでしょうか?
「あれ?あのバンドのあのアルバムは?」
そう思われる方もいらっしゃるかと思うが
あくまでも個人的見解で選んだ結果なので
そちらについては
ご理解ご了承いただきたいと思います。
まだまだ他にもお薦めアルバムは
数多く存在するので
また改めてアルバム紹介のコーナーで
取り上げていきたいと思う。
よくよく確認するとやはりスラッシュ名盤は
80年代に集中していたんだな、と
実感させられる内容となった。