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「Keeper Of The Seven Keys PartⅡ」HELLOWEEN (1988)

ハロウィンについて語り始めると
曲だけでなく曲にまつわるエピソードなど

とてもじゃないが1ページで語ることは不可能それこそ長編小説レベルになってしまう。

そもそも数あるハロウィンの名盤の中で
何故、こちらのアルバムを

Keeper Of The Seven Keys Part Ⅱ

"墓場まで持って行きたいシリーズ"の
1枚として選んだのか?

それは曲単体のクオリティや
アルバムのトータルバランスはもちろんだが

どれだけ思い入れの深い曲が多いか、
それが選択基準のひとつでもある。

まずこのアルバムには個人的な嗜好が
非常に大きい曲が3曲存在する、

それが他のアルバムではなく
こちらを選んだ大きな理由のひとつ、

もちろんどの収録曲もクオリティは
素晴らしいのだが。

その3曲とは
「Eagle Fly Free」
「You Always Walk Alone」

そして「March Of Time」に関しては
過去にブログで書いたこちらの⬇️記事を

参照していただきたい。

この歴史的名盤が世に出たのは1988年の秋
当時私は大学受験を間近に控えた高校3年生、

受験勉強に追われながらも
音楽から力を貰いながらあがいていた時期。

幸いハロウィンに関しては
カイ・ハンセンがギター兼ボーカル時代から
リアルタイムで聴くことが出来ていた、

当然ながらこのアルバムも期待値マックスで
国内盤の発売を待ちきれず

早々に輸入盤で購入した。

そしてこの作品は期待にそぐわぬ
素晴らしい楽曲の数々が収録された

正に"神盤"だった。

イントロダクションから「Eagle Fly Free」への
ドラマチックな流れと構成美

それでいて
「Rise or Fall」や「Dr. Stein」と言った
ユーモラスでコミカルな曲があり

「We Got The The Right」のように
しっとり聴かせる曲もまた然り。

今作で唯一マイケル・キスクが作ったこの曲は
ミディアムテンポで心に染み入る。

そして圧倒的迫力の疾走曲
「Save Us」に「I Want Out」

ラストは大作で叙情的なパートが印象的な
「Keeper Of The Seven Keys」

柔と豪を使い分けたかのような
どの曲を聴いても胸が熱くなり心踊る名曲たち

そこに珠玉のエピソードが加われば
もはや無敵であると言っても過言ではない。

しかし「Eagle Fly Free」に関しては
曲と歌詞の素晴らしさのみでも

十分に"無敵"と言える要素がある。

とにかく歌詞が素晴らしい、
受験生の私がどれほどの勇気を貰ったことか。

「How Many Tears」を聴いた時も
そうだったが

歌詞の意味を理解していなかった時点でも
一度聴いて高校生ながら涙が溢れた、

今さら私が紹介するまでもない至高の名曲。

恐らく歌詞を見ずとも全曲歌えるアルバムは
この作品だけではないだろうか?

「You Always Walk Alone」については
多分誰に話しても
驚いてもらえる自信があるほどの逸話がある、

が、ここで語ると非常に長くなってしまうため
今回は割愛させていただく。

ヒントはハロウィンの初来日公演(1987年)
またこの話は別に機会を設けて書いてみたい。

そしてハロウィンに関して最も特筆すべきは
ギターソロの印象深さ。

とにかくフレーズが素晴らしいし
単にギタリストのテクニック披露の場ではなく

曲の流れに沿ったメロディを紡ぎ出し
歌の一部として存在している感が強い。

このアルバムに関しては私がくどくどと
説明しなくても

メタル好きな方なら
間違いなく一度は聴いているはず

なので今回は曲紹介よりも
このアルバムに関する思い出を交えながら
書いているのだが

ちょっとした秘話として表題曲
「Keeper of The Seven Keys」の
レコーディング中に起きたある事件について。

「Kill the satan」(悪魔を殺せ)と歌うところや
曲のエンディングあたり
「Satan's screaming」と言う語りの部分で

悪魔の断末魔のような叫びが聞こえるが
このパートの歌入れやMIXの途中に

原因不明の轟音が聞こえたり
ヘッドフォンから音が出なくなったり
(出力が勝手にオフになっていた)

スタジオの照明が全て消えたり、と言う

怪奇現象まがいの出来事が立て続けに
起こったのだそうだ。

これはこの曲を聴いた悪魔が怒って妨害した?
それでも善の力でこのアルバムは完成した

と、この曲を作ったヴァイキーこと
マイケル・ヴァイカートは
インタビューでそう冗談ぽく語っていた。

詳細については「BURRN!」誌の
1989年1月号に掲載されているので

「BURRN!」1989 1月号

興味のある方は古本屋かネットで
探していただければ、と思う。

本当に1曲目からラストまでシャッフルで
どの曲を聴いたとしても満足出来る

ハロウィンのみならず
メタルと言うジャンルにおいても
名盤と呼べるアルバムであると

自信を持ってお薦めしたい。

曲もボーカルも素晴らしいのだけど

マーカス・グロスコフって凄いベーシストだな
と、このアルバムを聴いて改めて思わされた

それほどまでにどの曲も
ベースラインが非常に印象的だ。

ひとつだけ注文させていただくとしたら
音圧が他のアルバムと比べると若干弱いこと。

当時はまだアナログ盤が主流でもあったから
レコードの溝と収録時間の関係かな?と

当時は思ったりもしたが

恐らくMIXの時点における
音域のカットが非常に難しかったのでは
ないだろうか?と

自身が曲を作りMIXするようになった現在
そのように解釈した。

出来れば最先端の技術でリマスターされた
完全盤を聴けたらいいなと言うのが

このアルバムに対して
唯一私が求める事項である。

しかしそのような要素が
マイナス0.01%にもならないほどに

このアルバムは名盤と言えるのは間違いない。

当然ながら「Part Ⅰ」を未聴の方は
2作併せて聴くことを強くお薦めする。

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