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2023年に読んだ唯一の小説が今年のベスト本だった件~川越宗一著『熱源』

昨日、無事に仕事を納め、本日12月29日から年末年始休暇に入りました。

2023年もあと数日で終わろうとしています。
ということで、

(そうだ、『note』書こう)

と『note』を開いたところ、"指定のタグで連続して記事を書こうキャンペーン"的なことをやられていたので、僕も挑戦してみようと思います。
(無事続けることができるのか、本人がいちばん不安です)


『今年のベスト本』について

今回は、 #今年のベスト本 というテーマ(タグ)を選択してみました。

今年は「50歳を迎える自分のために、本をたくさん読もう」と決めており、過去数年と比較して、我ながら結構本を読んだ気がします。
(とは言っても、読むのが遅いので月2~3冊ですが)

読んだジャンルとしては、「50歳になる自分のため」というテーマのもと、ビジネス書や自己啓発系の本が中心だったのですが、一冊だけ(息抜きといっては失礼ですが)小説を読みました。

川越宗一さんが書かれた『熱源』という小説です。
直木賞を受賞された作品のようですね。

新聞かネットの記事だったか忘れましたが、川越さんの新作を紹介した記事を拝見し、その中で『熱源』に触れられていたので、気になって書店で見つけて購入しました。

年末になり、今年読んだ本を振り返ってみると、もちろん自分の糧となった本や先々の指針となった本は多々あったのですが、印象として強烈に残っていたのは、この『熱源』でした。

川越宗一著『熱源』(文庫版)

『熱源』を読んでみて

普段、読み終えた本の所感を手帳に書き留めているのですが、見返したところ『熱源』を読み終えたのは2023年9月1日でした。

とても印象に残った小説ではありますが、4ヶ月近く経過し詳細な部分は失念しているので、当時読後の勢いのまま手帳に書いた所感を基に、あらためて感想を記します。

『熱源』は、樺太アイヌと旧帝ロシアのポーランド人の2名を主人公に据えた小説です。

どちらの主人公も祖国に翻弄された人生を歩んだ物語です。
「物語」と書きましたが、読中に気になってネットを調べたところ、どちらの主人公も(というか登場人物の大半が)実在の人物で、ほぼ史実をベースに描かれた物語であることを知りました。

アイヌについては、『ゴールデンカムイ』というアニメで少々見知った程度の知識しかありませんでした。

和人とは異なる独自の文明を守る民族で、その生活や思想はとても興味深いものがあり、それは本書でも追体験することができました。

本書の主人公である樺太アイヌは、北海道アイヌとは異なり、日本とロシア2つの国に翻弄され続けた歴史があり、その苦労は計り知れないものがあったことが推察できます。

アイヌにまつわる歴史や苦悩を知られただけでも、大変意義のある良い小説に出会えました。

以上が、手帳に残した所感でした。
今思うと、ポーランド人側の感想が皆無でしたが、それだけ樺太アイヌの苦悩や苦境が印象に残ったのかも知れません。

最後に

今回記事を書くに際し、(書評やショッピングサイト以外に)『熱源』の魅力を紹介できるページがないかネットを検索したところ、以下のページを見つけました。

出版元の文藝春秋が作成された『熱源』特設ページです。

こんなページがあったとは知りませんでした…
すでに『熱源』を読まれた方も、これから読まれる方も、とても参考になるページですので、興味のある方はご覧になってみてください。

僕も、あとでじっくり読み込もうと思います。


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