モノクロで神秘的な世界【画家・髙木玲雄】
2022年8月5日から香川県三豊市の三豊鶴で実施される「酒蔵Art Restaurant」。
150年前に作られた歴史ある酒蔵の中に、現代アーティスト24名による作品が展示・販売されるほか、シェフ8名が週ごとにコース料理を振る舞います。
今回は、8月19日(金)〜21日(日)に在廊する画家、髙木玲雄(たかぎれお)さんをご紹介します!
プロフィール
彫り師とデザイナーの両親の元に生まれ育つ
ー幼少期から絵を描くのが好きだったという髙木さん。画家となるきっかけを教えてください。
画家としては3年前の20歳くらいの時から活動を始めました。父がもともと彫り師をしていて、母もデザイン関係の仕事をしていたので、幼少期からペンを持つのが当たり前の環境で育ちました。
その後も合間で絵をずっと描いていたのですが、大阪のデザイン専門学校を経て就職活動をしている時に、「このまま就職して楽しいことができるのだろうか?」と疑問に思ったんです。ふと自分の絵を見たときに、可能性を感じましたし、やはり自分は絵が好きだと思って、画家として活動していく覚悟を決めました。
現在は実家のある香川県に戻ってきて、県内各地にプッシュ営業して絵を見てもらう機会を作りながら、地元に貢献できるようなアーティストになれるよう頑張っているところです。
モノクロの世界観へのこだわり
ー髙木さんの作品は、ペンを使ったモノクロの作品が印象的です。どんなこだわりがあるのでしょうか?
実は、幼少期から専門学校1年目の時までは、コピックを使って、外国のアニメのような、鮮やかでカラフルな絵を描いていたんです。今とはまるで別人ですね。でも、このテイストの絵を描いている人は既にたくさんいるなと気づきまして。
ある時、友人に、「アレックス・グレイ」という、アメリカのサイケデリック・アートの巨匠を教えてもらったんです。スピリチュアルな世界観と、「これを手で書いているのか?!」と驚くような緻密さに衝撃を受けました。また、同時期に「ブラックワーク」というモノクロの表現方法を知り、自分もスピリチュアルでモノクロの表現をしたいと思って制作を続けていたら今の画風になった感じです。
自分の作品の世界観がどのように形成されたのか、聞かれることは多いのですが、ぶっちゃけ自分でも説明しきれない、言葉足らずな部分があるんです。個人的には、子供が積み木のブロックで思うまま遊ぶように、自分も描きたいものを描きたいまま表現している感じです。
展示コンセプト
ー今回三豊鶴で展示する作品のコンセプトについて教えてください。
今回は、三豊鶴という素晴らしい場所を題材にストーリーを組み立てて、酒蔵をイメージした作品を作りました。樽の周りにある綱や、樽そのものを描いて、女性がお酒を酌んでいるのか、それとも飲んでいるのか、という情景を表現しています。あとは見てくださる方に自由に解釈してもらえればと思います。
この樽の作品以外にも、A4サイズや、大きめの作品など10点以上を展示します。
ご来場いただく皆様へメッセージ
香川県には瀬戸内国際芸術祭という大きなアートイベントがあるにもかかわらず、なかなか若手にスポットが当たらない状況があります。自分はそれを覆したくて香川で頑張っているということもあって、今回の三豊鶴でのイベントでは若い力を見てほしいですし、次につながるきっかけを掴んでいきたいと思っています。
今取り組んでいるモノクロの作品に関しては、色が無くても見てもらった人の言動・行動を動かせるような作品づくりを心がけているので、これをきっかけに何か今後に繋げてもらえると本望ですね。
三豊鶴「酒蔵Art Restaurant」とは
皆様のお越しをお待ちしております!