様々な「ストレス」を描く【グラフィックアーティスト・クリヤマナオキ】
2022年8月5日から香川県三豊市の三豊鶴で実施される「酒蔵Art Restaurant」。
150年前に作られた歴史ある酒蔵の中に、現代アーティスト23名による作品が展示・販売されるほか、シェフ8名が週ごとにコース料理を振る舞います。
今回は、9月2日(金)〜4日(日)に在廊するグラフィックアーティスト・デザイナーのクリヤマナオキさんをご紹介します!
プロフィール
三豊鶴TOJIのデザイナー
ーこれまでの経歴について教えてください。
愛知県出身で、バンドの音楽活動のために上京しました。元々アートが好きだったのもあり、バンドでは映像を流しながらアンビエント・ミュージック(環境音楽)をやっていたんです。バンドのフライヤー(チラシ)は独学で勉強して自分で作っていたのですが、これがクリエイターとしての最初の活動ですね。
そのうち、バンドが解散することになり、「どうしようかな」というタイミングでグラフィック・デザインの仕事を始めました。当時もペインターとして作品を書いておりましたが、本当の意味で描きたい題材がなかったので、微妙なまま終わってしまい、デザイン一本になりました(笑)
その後、友人のつてを頼って香川県に移住し、現在はデザイナーの仕事をしながらアーティスト活動をしています。
ー三豊鶴TOJIのデザインを担当されたとお聞きしました!
そうですね。三豊鶴の宿泊施設である「三豊鶴TOJI」のコンセプトデザインから、グラフィックデザイン、照明、建築デザイン設計までをクリエイティブチームと一緒に担当しました。
コンセプトは「Brew a New You!(さあ、新しい自分を醸そう!)」です。かなりぶっ飛んだコンセプトですよね(笑)お客さん自身が新米となり、醸造の工程を体感する、というコンセプトですが、たくさんの方に好評と聞いています。
ー香川へ移住後、アーティスト活動を再開したんですよね。何かきっかけはあったんでしょうか?
デザイナーの仕事というのは、お客様の依頼に合わせてベストのものを作る仕事ですので、常にまっさらなキャンバスに描くというより、どうしても様々な条件下の元で製作を進めます。そうした仕事をする中で、もっと自由に何かを作り出したいという欲求が次第に大きくなっていき、今に至ります。
今回三豊鶴での展示コンセプト・作風
ー普段、どんな作品を作っていらっしゃるんですか?
元々ポップ・アートやカートゥーンなどが好きなんです。バスキアやキース・ヘリングような作風や古いアメリカのアニメの世界観を取り入れながら、ちょっとダークな感じを混ぜ合わせたいと思って制作しています。例えばフランシス・ベーコンをミッキーマウスのタッチで描いたらどうなるんだろう、みたいな事を考えてます。
ー今回三豊鶴で展示する作品について教えてください。
大小あれど、そこら中にある潜在的な「ストレス」を描くことを大枠のコンセプトにしています。ストレスの要因は本当に多種多様で、それを感じている対象の反応も同じく多種多様です。例えば、小さな人間関係によるものもあれば、極端ですが環境問題も地球に対するストレスになります。
作品に描かれた人物や生き物が何を訴えているのか、なににストレスを感じているのかは、それを見る人によって様々な解釈となり、それがそのまま、その人自身に投影されると思っています。
ご来場いただく方へのメッセージ
今回が作家として初めての展示になります。これから作家として活動をしていく上でとても貴重な経験だと思っております。
もし在廊中に遭遇した際は、気軽にお声がけいただけたら嬉しいです!
三豊鶴「酒蔵Art Restaurant」とは
皆様のお越しをお待ちしております!