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クリエータ紹介(10)土佐 悠斗さん

このnoteでは、福岡未踏的人材発掘・育成コンソーシアム(通称・福岡未踏)のプロジェクト採択者について、プロジェクトの詳細や福岡未踏にかける思いをご紹介します。

今回は、大島聡史PMのインタビューを基に、Proコースの土佐 悠斗さんのプロジェクトをお伝えします。

プロフィール

  • プロジェクト名:Portable Document Transfer Protocol :PDF専用転送プロトコルの開発

  • 支援プランと期間:Pro(24年8月〜25年1月)

  • クリエータ:土佐 悠斗(九州工業大学 情報工学部 4年)

Q:自己紹介をお願いします。

土佐:九州工業大学情報工学部4年の土佐悠斗です。大学ではC3(Composite Computer Club)というサークルで活動しています。プログラミング歴は3年です。C3は情報工学部にあるサークルで、パソコンを用いた創作活動をしています。昨年採択された下前先輩なども同じサークルに在籍しています。

大島:サークル内で未踏に出す人をサポートしていたりもしますか?

土佐:未踏に限らず先輩と後輩の間でレビューなどしていたりはします。見込みがある後輩に対しては、来年の応募をすすめたりもしています。

大島:それは非常にいいですね。

中間発表の様子

Q:今回の福岡未踏のプロジェクトについて紹介してください。

土佐:私が開発しているのはPDFを段階的に表示することを可能にする転送プロトコルです。時間がかかるオンラインPDFの表示を高速化できます。このプロジェクトの主なターゲットは、オンラインPDFを閲覧するサービスやアプリケーションを開発する開発者です。また広いターゲットとしてはオンラインPDFを表示するユーザ全てとなります。

大島:開発・提案のきっかけはありますか?

土佐:私が大学四年間でずっと感じていた、Moodle上でPDFを閲覧するのに時間がかかることです。例えば大学でお昼休みの時間帯に利用しようとすると、アクセスが集中してしまうことやインターネットの帯域の都合から、容量が大きなPDFファイルの閲覧が遅くなってしまいます。それを解決したいと思っていました。

Q:福岡未踏に応募した理由について教えてください。

土佐:そもそも福岡未踏を知ったきっかけとしては、昨年採択されたDeckHubの下前先輩と栗原先輩です。彼らとは同じサークルの先輩後輩の関係で、普段から一緒にコーディングしたり食事に出かけたりすることがあり、話を聞いていました。福岡未踏に応募するきっかけとしては2点あり、1点はまだ誰も作ったことがないものを開発するという点が大きいです。自分がやりたかったことは高速表示ですが、誰もやっている人がいなかったので挑戦してみたいと思いました。2点目は金銭的な支援が挙げられます。学生という身分もあり、アルバイトも大学の学業もやりながら並行して開発するのは時間が取れないので、支援をしていただきながら開発するのは大きな魅力だったかなと思います。

中間発表 ポスターセッションの様子

Q:プロジェクトの体制について確認させてください。一人プロジェクトですよね?

土佐:そうです。PMは井上先生、メンターは服部さんにしていただいています。僕一人で実装や設計をしており、分からない部分については、最近流行のAI LLM、ChatGPTなども使っていますが、服部さんとお話ししつつ進めていくという形でやっています。ChatGPTはシンプルな実装とかの解決に役立っていますが、設計については厳しい部分もあり、やはり人間が行った方が良いかなという感想です。

Q:大学四年生ということですが、今後の進路は決まっていますか?

土佐:ナレッジワークという東京のスタートアップでフロントエンドエンジニアとして働く予定です。

大島:学部生からスタートアップへの就職は大変かもしれませんね。

土佐:そうかもしれません。割と挑戦的でしたが、様々な会社さんからオファーをもらった中で自分なりに面白いなと思える会社さんを選ばせていただきました。Web系の開発は学部でも大学院でもあまりやらないことなので、独学でやっていた部分を活かせるというのは個人的には嬉しい部分だと思います。今回の福岡未踏での開発についてもWeb系に関係しているため、それが福岡未踏の応募につながっていたと思います。

成果報告合宿でのポスターセッションの様子

Q:福岡未踏終了後の夢や目標があれば教えてください。

土佐:終了後はこのプロジェクトの継続開発だったり、OSSとして他の開発者に手伝ってもらえる仕組み作りなどをしていきたいと思っています。現在開発している部分はあくまで機能の一部であって、全てのPDFを高速表示できるという部分までは至っていません。今回は開発期間が短いため、スコープをかなり絞って実装しています。一般的に使ってもらえるようになるためには網羅的な機能も必要ですが、難しいです。様々なPDFを高速表示できるように機能を充実させることがまずは大きな目標となると思っています。プロジェクト以外では、プロトコルに関わるという点で通信系の技術、例えばデータ転送の効率化などの技術について詳しくなりたいと思います。

福岡未踏とは

福岡未踏的人材発掘・育成コンソーシアム(通称、福岡未踏)とは、福岡県在住の若手クリエータを発掘・育成し、クリエータの「何かを作るための第一歩」を支援し、また、IPA未踏と同等の支援に加え、複数のIPA未踏経験者からなるPM・メンター陣にて、プレ人材向けの支援を行います。

(文:大島 聡史 PM)