クリエータ紹介(4) 猿渡 優衣さん、片野 凱介さん
このnoteでは、福岡未踏的人材発掘・育成コンソーシアム(通称・福岡未踏)のプロジェクト採択者について、プロジェクトの詳細や福岡未踏にかける思いをご紹介します。
今回は、2023年度Proクリエータ(現Jumpクリエータ)秋穂正斗さんのインタビューを基に、Solveコースの猿渡優衣さん、片野凱介さんのプロジェクトをお伝えします。
プロフィール
プロジェクト名:POLUPOLU:AIによる新たなニュースサイト
支援プランと期間:Solve(24年9月〜25年1月)
クリエータ:猿渡 優衣(有明高専 情報システムコース 5年)、片野 凱介(有明高専 情報システムコース 4年)
Q:まず、お二人のことについて教えていただきたいです。
片野:有明工業高等専門学校、有明高専の情報システムコースに在籍していて、現在4年生です。猿渡さんと同じチームになったのは2023年度で、大体1年弱ぐらい前に行われた起業家甲子園が初めてでした。それをきっかけに、一緒にプロダクトを進めていったという経験があります。自分は以前から個人的に福岡未踏に興味があり、猿渡さんと一緒に挑戦してみることにしました。好きな言語はGo言語で、特にGopher君が好きです。よろしくお願いします。
猿渡:片野くんと同じく、有明高専の情報システムコースの5年生です。プログラミング自体は、高専3年次に高専プロコンに出たのが初めてで、その時にいきなり機械学習を始めました。翌年、「企業賞を取りたいね」と同じクラスの子たちと一緒に挑戦し、課題部門でアプリ開発を行い、チームリーダーを経験しました。最終的に企業賞を受賞し、同時に受賞したNICT賞のご縁で、起業家甲子園に出場できることになりました。新メンバーの一人が参加できないということで、片野くんをメンバーに加え、プロコンで取り組んだ仲間たちとともに起業家甲子園に出場しました。
Q:今回のプロダクトは、どんな機能を持っているのですか?
猿渡:ニュースを見る機会が多い方を対象ユーザーにしたいと考えています。また、自分の考えにとらわれすぎず、客観的な視点を持ちたいと考えるユーザーも対象にできたらと思っています。
どんな機能を持つかについては、大きく分けて2つあります。1つ目は、複数のニュースを一覧で見られること。2つ目は、そのニュースに対するコメントを一覧できることです。さらに、その裏側では、AIによる多様なコメントの生成機能が搭載されています。
また、ニュースやコメントに対してリアクション機能を設けており、ユーザー自身の反応を見ることで、今後の開発の調整に活用したり、人がどのようなものに反応しやすいのかを探ることができると考えています。
Q:機能について工夫している点などはありますか?
片野:表示の仕方が課題でもあり、一番工夫できる点だと思います。コメントを生成することも工夫できますが、そこを工夫するのは、どちらかというとチューニングや調整に近い感覚があります。しかし、表示の仕方に関しては、アイディア次第では、さらに化ける可能性もあるのかなと考えています。未踏性が最も表現できる部分なのかなと思っています。いろいろと工夫しながら、頑張っています。
Q:このプロジェクトはどのように開発したのか、体制をお聞きしたいです。
猿渡:基本的に、プロジェクトの管理とウェブサイト自体のフロントエンドを私が担当しています。そして、バックエンドや、先ほどお話ししたLLMのパラメーター、プロンプトの調整については、片野くんにお願いしています。
Q:チーム開発においての大変だった点やよかった点を教えてください。
猿渡:初めは報連相がうまくいかず、若干苦労しました。あとは、良かったところというのは、自分では思いつかないような意見をいただけたことや、バックエンドなど、さまざまなプロジェクトに参加してきた関係で、積み上げてきた経験が片野くんにはあると思います。そういった知識的な部分を共有してもらえたことが、良かった点だと思います。
連絡自体はDiscordを使っていて、議事録や文書関係はNotionに共有するようにしています。
Q:お二人が福岡未踏に応募した理由はなんでしょうか?
猿渡:荒川研を訪問した際、荒川先生から教えていただき、実際に現地へ行ってみて「やってみたい」と思ったことがきっかけです。そこで、プロジェクトに応募しました。また、他の参加者との交流も目的の一つであり、そういった理由を含めて、今回応募させていただきました。
片野:2023年度の福岡未踏の時からチラシやパンフレットを見たりして、その存在は知っていました。その後、秋穂君と知り合い、彼が「福岡未踏はすごくいいぞ」と言っていたので、本当に良いものなのだと思い、強く興味を持ちました。ただ、一人で応募するのは少し気が引けていたのですが、起業家甲子園のチームリーダーである猿渡さんから、「一緒にやりませんか?」とお誘いがあり、私も「ぜひ混ぜてください」という形でお願いし、チームを組みました。その後、いくつかミーティングを重ね、『賛否両論AI』の課題に応募することになり、書類を作成して提出した、という流れです。
Q:福岡未踏終了後の夢や目標について教えてください。
猿渡:九州大学に編入させていただくのですが、その中で大学生として、他の企業でできるかは分からないのですが、4年生になって時間ができるようになったら、他のことにも挑戦してみたいと考えています。
経験としては、チームリーダーを務めたこともありますし、このようにLLMを触って、研究的なアプローチで実行できるウェブサイトを実際に作るという経験は、なかなか得られるものではないと思います。実際にプロジェクト、あるいはサービスとして公開し、どのような成果が得られるのかを今後観察しながら、さらにさまざまな活動ができればと考えています。
片野:現在の私たちのプロジェクトから、社会実験のような形で取り組み、そこから研究へ発展させることができるのではないかと思っています。さらに未踏性を持ったプロダクトになり得るのではないかと考えています。
もちろん、IOTIIさんや猿渡さんとの相談は必須だと思いますが、可能であれば、他のプロジェクトやIPA未踏にもチャレンジしてみたいという気持ちはあります。
福岡未踏とは
福岡未踏的人材発掘・育成コンソーシアム(通称、福岡未踏)とは、福岡県在住の若手クリエータを発掘・育成し、クリエータの「何かを作るための第一歩」を支援し、また、IPA未踏と同等の支援に加え、複数のIPA未踏経験者からなるPM・メンター陣にて、プレ人材向けの支援を行います。
(文:秋穂 正斗)