そのスーパーを選ぶ理由≪2024年≫-利用理由は「家から近いから」だけじゃない!?消費者の【本音】調査
今回は、全国のPOB会員6,370人(平均年齢49.4歳)に、「スーパー利用に関するアンケート調査」を2024年5月24日~6月5日に実施しました。
コロナ禍を経た行動変容や物価高によって、消費者の価値観は更に複雑化しています。そのような中で、生活に欠かせない食品スーパーはどのような理由で選ばれ利用されているのでしょうか。消費者の本音と、各チェーンの特徴を深堀りしていきます。
メイン利用スーパーを選ぶ理由
まずは、POB会員にどのようなポイントを重視して利用するスーパーを選んでいるのか尋ねました。
「家から近いから(56.0%)」が最も高く、約6割の人がメイン利用スーパーを選ぶ理由として回答しています。次いで「いつも利用するスーパーだから(46.9%)」「安いから(36.3%)」「品揃えがよい(31.6%)」「ポイントやお得なサービスがあるから(22.9%)」の順となりました。
チェーン別利用理由
次に、メイン利用スーパーを選ぶ理由をチェーン別に分析していきます。
上図は、注目の9チェーンに絞り利用理由を比較しています。
立地等の利便性を理由とする傾向は各チェーン共通ですが、その他の項目に注目するとそれぞれの特徴が浮かび上がります。
「安いから」は「オーケー(84.1%)」、「品揃え」は「イオン(47.3%)」、「ポイントやお得なサービスがあるから」は「ベルク(34.9%)」が最も高い回答率となりました。取扱い商品の評価として「PB(プライベートブランド)の品揃えが良い」は「イオン(33.0%)」、「生鮮食品の鮮度が良い」は「ヤオコー(38.5%)」が最もメイン利用者の評価が高い結果となりました。
更にチェーン毎の特徴をコメントから探っていきます。
ポイント制度などのお得なサービスや1か所で買い物ができる利便性、オリジナリティのある商品や鮮度の良い商品がある等、チェーンの強みが明らかになりました。
利用者のコメントからも、品質や惣菜の美味しさ、利便性よりも安さを優先する等、それぞれの価値観にあったチェーンを選定している様子がわかりました。
利用者の【満足度調査】
続いて、メイン利用しているスーパーの満足度について尋ねました。各チェーンをメイン利用する消費者に8項目で満足度を評価してもらい比較しました。
今回調査したチェーン間の中では、「ベルク(89.9%)」が利用者満足度の平均値が最も高い結果となりました。次に「ヤオコー(86.1%)」「サミットストア(85.4%)」が続きます。
グラフの形状を見ると、各チェーンの強みとウィークポイントがよくわかります。
レシート調査:チェーン別比較
上図は、会員が投稿したレシートデータから、チェーン別に分析を行ったものです。
特徴的なチェーンをピックアップしていきます。
≪オーケーストア≫は、比較した中で「投稿枚数 (20.7)」が最も高いチェーンです。「安さ」を求める消費者に支持を受けたことで、レシート当たりの購入数量とレシート単価も伸ばすことに成功できていることがわかります。
≪ベルク≫は、「購入数量(8.6)」が最も多いチェーンです。アンケート調査で満足度が9チェーンの中で最も高かったこともあり、投稿数やレシート単価も高く、メインユーザーに日常的に利用されている様子が伺えます。
≪ヤオコー≫は、「レシート単価」「1人当たり投稿枚数」は中間に位置するも、「レシート1枚当たり購入数量(7.8)」が多い傾向です。質の良い商品や価格を抑えたPB商品等、顧客ニーズに合わせた戦略への支持があらわれた結果と考えられます。
≪ライフ≫は「レシート単価」「レシート1枚当たり購入数量」は比較的低い傾向ですが「レシート1枚当たり購入数量(7.8)」が多いことが特徴です。アンケート調査で立地への支持が高かったこともあり、その時に必要とされるものを都度購入するようなユーザーの購買行動がレシートデータからも浮き彫りとなりました。
≪ロピア≫は「投稿枚数(6.3枚)」は最も低い一方で「レシート当たりの単価(2,522円)」は最も高いです。消費者アンケートで立地はあまり重要視されていなかった点と、安さや大容量パック商品等を支持する声が散見されることから、まとめ買いに利用される傾向が強いと考えられます。
≪西友≫は、「レシート単価」「レシート1枚当たり購入数量」は最も低いですが、セルフレジ導入店や24時間営業の店舗もあり「1人当たり投稿枚数(16.2)」は中間に位置しています。安さや利便性の高さが利用者に支持されている結果と言えるでしょう。
消費者の【本音】
企業の特徴とともに、日ごろ利用しているユーザーだからこそ言えるコメントがいくつも散見されました。消費者の「本音」を一部ご紹介します。
メイン利用するスーパーの選定理由に、「安いから」「高くても質の良いものが欲しいから」といった意見があがり、消費者は単に“家から近い”店舗を利用するとは限らないことがわかりました。
実際に、「生鮮食品は他の店で買う」「買う物によってスーパーを使い分けている」といった声もあり、消費者も各社の強みを理解して利用店を使い分けている様子が伺えます。
POB会員の中で、節約を意識している人が8割、複数スーパーを利用するようになったと回答した人は6割を超えていました。
消費者の変化をチャンスに変えるべく、各社で自社の特徴を際立たせる戦略が更に加速することと予想されるでしょう。
POBデータは、レシートデータからチェーンを細分化して特徴や強みを分析し、消費者の利用動向を調査、コメントを取得してマーケティング分析にも活用することができます。
今後も、レシートと消費者アンケートで様々なトレンドを分析していきます。データに関してご質問等ある方は、お気軽にお問合せください。
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