ドラッグストア利用に関するアンケート-メイン利用されるDgS・支持する理由・利用者N1分析
今回は、消費者に支持されるドラッグストアの利用実態に迫るべく、全国のPOB会員3,020人に「ドラッグストア利用に関するアンケート調査」を2024年2月16日~17日に実施しました。実際に投稿されたレシートデータと合わせて、ユーザーの利用実態を深堀していきます。
メイン利用ドラッグストアは?
POB会員に自身が普段メイン利用しているドラックストアについて尋ねました。今回の調査では、以下の順に回答されました。
メイン利用ドラッグストア【メイン利用率・移り気調査】
次に各チェーンの利用者に「メイン・併用ドラッグストアの利用内訳」を尋ねました。
その結果、「ほとんど同一チェーンをメイン利用」と回答されたのは、「クリエイトS・D(91.7%)」「コスモス薬品(90.5 %)」が9割以上、次に「スギ薬局(88.7%)」が続きます。比率が高いほど高頻度で利用される傾向であると考えられます。
一方、「メイン・併用ドラッグストアはほぼ同じ」と回答されたのは、「ココカラファイン(23.0%)」、「サンドラッグ(15.6%)」「ウエルシア(14.8%)」の順に多く、8チェーンの中で比べると比較的 “移り気”なユーザーが多いと言えるでしょう。
各チェーンのメイン利用者は、何を求めてそれぞれのドラッグストアを利用しているのでしょうか。さらにアンケート調査で深堀していきます。
メイン利用ドラッグストア【支持する理由】
まずは、メイン利用者にそのドラッグストアを支持する理由をたずねました。
総計を見るとドラッグストア利用時には、「立地(自分が来店しやすい場所にある)(67.3%)」、「ポイントカードなどの特典がよい(48.5%)」「アプリ等でクーポンが発行されるから(36.6%)」「価格が安い(32.3%)」が主に重視されていることがわかります。
半数近くの利用者が“立地が近い”、“ポイントが貯まる”チェーンを利用している様子が浮き彫りとなりました。
前出のアンケート結果で「メイン利用率」が高かった3チェーンに注目するとそれぞれの特徴が見えてきます。「クリエイトS・D」「コスモス薬品」は「価格が安い」が高く、「スギ薬局」は「アプリ等でクーポンが発行されるから」が特に抜きん出て支持を得ています。「価格の安さ(クーポン含む)」が評価されるほどメイン利用率が高まる傾向が伺えます。
一方で “移り気”なユーザーが多い「ココカラファイン」「ウエルシア」は、前出の結果を裏付けるように「価格が安い」「アプリ等でクーポンが発行されるから」は総計と比べ10Ptを超え下回る結果となりました。また、「サンドラッグ」は価格の安さやクーポン等は支持されているものの、「立地」や「食品の取り扱い」の評価が総計に比べ低いことがメイン利用率を下げている要因であると考えられます。
レシート分析:購入金額カテゴリ構成比
次に、各チェーンで何が購入されているのか、アンケート回答者が実際に投稿したレシートデータから分析しました。
「メイン利用率」が高かった「クリエイトS・D」「コスモス薬品」は、「食品」が構成比の半数以上を占めていることが見てとれます。購入頻度の高い食品カテゴリーの価格訴求や販促強化を図ることで利用率が高まっていることが利用者の声からも推察されます。
また、「スギ薬局」は前出の2チェーンよりは「食品」構成比率は下回るものの、「日用品」が同比率で利用、単価の高い「化粧品」が構成比の上位になり、他にはないバランスを保っていることも特徴的です。コメントからも前出のアンケート結果にあったようにクーポン発行などの販促を行うことで利用促進につながっていることがわかります。
メイン利用ドラッグストア【満足度調査】
ここまでドラッグストアをメイン利用する理由と傾向について調査してきましたが、メイン利用されるドラッグストアほど利用者の満足度も高いものなのでしょうか。続けて10項目の満足度調査を行いました。
10項目で満足度をたずねた内、「とても・やや満足している」と回答された比率を比較すると、「ツルハドラッグ(85.9%)」「クリエイトS・D(84.5%)」「ウエルシア(82.1%)」の順に各項目の平均が高い結果となりました。前述の調査結果と照らし合わせてみると、「メイン利用率」と「満足度」に相関関係は無いようです。アンケート結果に加え利用者コメントからも各チェーンの魅力を伺い知ることができます。
メイン利用ユーザー【N1分析】
さらに一人当たりの利用店舗数を分析した結果≪平均3.2店舗≫と、特定のチェーンをメイン利用しつつも複数店舗を利用していることがわかりました。調査でわかったように、値上や競争環境が激化する中、各社のサービスは魅力的で消費者も移り気です。
どのようにドラッグストアを利用しているのか、実際の会員投稿履歴から購買情報を見ていきます。
サンドラッグをメイン利用する40代女性は、「ポイント・特典」を重視しており、ポイント目的でウエルシアも併用。毎月20日のポイントデーは必ず利用していることが購買データからみてとれます。日ごろドラッグストアでは日用品や化粧品のほか、定期的に男性化粧品も購入しており、家族のために代理購買しているものと推察されます。このような女性ユーザーにも男性用化粧品の販促が有効となります。
クリエイトS・Dをメイン利用する50代は男性は、日ごろ「食品」の購入目的で利用しています。また、「立地」「ポイント・特典」「価格の安さ」を重視しており、食品、日用雑貨というように目的別に利用チェーンを使い分けていることがわかります。このように意識的に使い分けるユーザーは販促次第で常客となり、今後定期的な利用が見込めると考えられます。
このように、レシートデータから特定のユーザーの購買情報を抽出し、その人物を分析・深堀りすることでユーザーを理解することができます。実在する人物を分析することによって、購買履歴からターゲットを絞る効果的なプロモーションや、販促施策によって効果的な集客施策を立案する等、マーケティング活動により根拠と具体性を持たせることも可能です。
競合対策だけではなくどのような消費者が顧客になる傾向なのか、消費者軸の利用動向も今後は押さえて行くべきポイントとなってくるでしょう。
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