サスティナビリティに関するアンケート調査-買い物時の行動・消費者の意識・貢献していると思う企業は?
近ごろ「サスティナビリティ」といった言葉を耳にする機会が増えたのではないでしょうか。サスティナビリティは「持続可能性」を意味する言葉で、環境や社会の機能、経済が持続的に発展することを目指す指標を指します。世界各国で動きが広がり、日本でも業種を問わず様々な企業で取り組まれています。
そこで今回は、全国のPOB会員3,005人(平均年齢49.2歳)に「サスティナビリティに関するアンケート」を2023年10月13日~10月15日に実施しました。消費者は日ごろどの程度サスティナビリティを意識しているのか。購買行動における動向を調査しました。
買い物時【サスティナビリティ】意識してる?
まずはPOB会員に、買物時に「サスティナビリティ」を意識しているかたずねました。
【食品】・【日用品】それぞれでアンケートを取得した結果、【食品(51.2%)】、【日用品(49.9%)】と、どちらも約半数の消費者が「意識している・どちらかというと意識している」と回答しました。
【サスティナビリティ】意識している行動
次に、実際にサスティナビリティを意識している行動についてたずねます。
【食品】で最も意識して取り組まれているのは「エコバッグを持っていく(92.8%)」、次に「詰替えができる商品を選んで購入する(76.6%)」、「過剰な買い物をしないよう必要な物だけ購入する(71.5%)」の順となります。12項目中7項目で半数以上が「行動している」と回答しました。
一方、意識はしているものの行動できずにいるのは、「サスティナビリティや社会貢献に取り組む企業の商品を選ぶ(40.0%)」、「賞味期限が近いものから手に取る(てまえどり)(35.1%)」、「資源ゴミにできる商品を選ぶ(34.8%)」となりました。
【日用品】で最も意識して取り組まれているのは「エコバッグを持っていく(92.2%)」、次に「詰替えができる商品を選んで購入する(76.9%)」、「過剰な買い物をしないよう必要な物だけ購入する(69.2%)」と続きました。12項目中5項目で半数以上が「行動している」と回答し、項目は異なるものの食品(7項目)の方が意識して行動されている傾向です。
意識しつつも実行できていない行動は、「サスティナビリティや社会貢献に取り組む企業の商品を選ぶ(39.3%)」、「ラベルレス等プラスチック包装をしていない商品を選ぶ(34.3%)」、「ラベルレス等プラスチック包装をしていない商品を選ぶ(32.4%)」となりました。
【サスティナビリティ】意識して購入する商品カテゴリは?
サスティナビリティを意識して購入している商品カテゴリを【食品】・【日用品】でそれぞれたずねると、約3割は「あてはまるものはない」と回答した一方、約7割は意識して購入するカテゴリを選択しています。
【食品】は、「生鮮食品(42.0%)」、「加工食品(41.0%)」、次に「菓子類(23.9%)」、「飲料(23.5%)」が続きます。
【日用品】は、「ヘアケア用品(シャンプー、整髪料等)(42.8%)」、「トイレットペーパー(41.1%)」、の他「衣料用洗剤(35.5%)」、「ティッシュ(34.3%)」、「スキンケア用品(洗顔料、ボディソープ等)( 31.1%)」も3割の人が意識していると回答しました。
【サステナビリティ商品】どう考える?
続いて、POB会員はサステナビリティ商品についてどのように考えているのか、更に3項目をたずねていきます。
まずは、各企業で環境活動のシンボルとして商品に表示している「マーク」。これを意識して商品を購入しているかたずねたところ、【食品】・【日用品】とも実際に「意識して買っている」は7%台と1割にも満たず、「やや意識して買っている」と合わせても約3割に留まりました。
次に、価格が高い商品でもサスティナビリティに貢献できる商品を購入するか聞くと、「購入すると思う」は【食品】・【日用品】それぞれ約7%程度、「できる限り購入すると思う」と合わせても約3割程度でした。
「環境配慮」というよりも「価格の安さ」や「利便性」に魅力を感じて購入しているか、という問いには、【食品】・【日用品】それぞれ4割の人が「あてはまる」と回答し、「ややあてはまる」と合わせ8割以上が該当すると回答しました。
【食品】・【日用品】にかかわらず、消費者はサステナビリティを意識するよりも、主に「価格」や、「利便性」などを重視する傾向であることがわかります。日ごろ自然と行動している「見切り品」や「簡易包装商品」の購入が、結果“サスティナビリティにつながっている”様子をコメントからもうかがい知ることができました。
【サステナビリティ】に貢献している企業
最後に、「サスティナビリティ」や「SDG`s」へ積極的に取り組んでいる印象が強い企業をアンケートで調査しました。
最も回答されたのは「花王株式会社(12.9%)」で、次に「サントリーホールディングス株式会社(6.7%)」、「ライオン株式会社(4.9%)」と続きました。
買い物時に「サスティナビリティ」を優先する消費者はまだ少数ではありますが、前出のアンケート結果にもあるように「エコバッグを利用」といった行動は多くの方が実行に移しています。“知らずに行動していることがサステナビリティにつながっている”との意見もあり、こうした消費者の行動は、個人の意識も当然ながら、企業の働きかけや取り組みの成果のあらわれともいえるかもしれません。
今後も、消費者アンケートで様々なトレンドを分析していきます。
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