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サッカー観戦初心者が作るサッカー用語辞典

 サッカーについての記事や試合の解説で使われるありとあらゆる用語の意味をまとめています。初心者の方でも言葉をすぐ調べられるように五十音順にしました。今後も加えたい単語が見つかれば随時追加していきますので、足りないと感じた方は是非コメントやXのDM(アカウント→230723trigger)で教えていただけると幸いです。
 また、ポジションやプレーを紹介する際にイメージがしやすくなるよう、例となる選手を所属チーム・国籍・動画と合わせて記載しています。記事制作者がプレミアリーグをよく観るため、例となる選手も同リーグに寄っているのはご了承ください。


あ〜お

・アーリークロス
ボールを持った選手がクロスを蹴る際に、相手のゴール近くに切り込む前の速い段階で蹴るクロスボール。

・アウェー
本拠地(ホーム)でないスタジアムで戦うチームを指す言葉。

・アウトサイド
足の外側を使ったキック。

・アシスト
ゴールに直結したプレーの事。ゴールを決めた選手が受け取ったパスなどの事を言う。文面や記録では省略されてAで表される。

・アタッキングサード
ピッチを三等分した際に一番相手チームのゴールに近いエリア。詳しくはサード・オブ・ピッチを参照。

・アディショナルタイム(AT)
別名ロスタイム。怪我の治療やファール、判定などで試合が止まっていた分の時間を追加してプレーする事。

・アンカー
センターバックの少し前に位置し、守備面でチームに安定感を与えたり攻撃の起点となるパスを出す役割のミッドフィールダー。ピボーテ、ワンボランチとも呼ばれる。主に4-3-3の陣形で中央に陣取るミッドフィールダーの事を指す。
選手の例
ロドリ(マンチェスター・シティ、スペイン)→動画あり
セルジオ・ブスケツ(インテル・マイアミ、スペイン)
遠藤航(リヴァプール、日本)
カゼミロ(マンチェスター・ユナイテッド、ブラジル)→動画あり

・アンセム
選手がピッチに入場する時にスタジアムに流れる曲。リーグや大会毎にアンセムが存在し、入場だけでなくテーマ曲としても扱われる。

・アンダーラップ
ボールを持っている選手を内側から追い越してサポートする動き。オーバーラップと同じく、サイドバックの選手が行う事が多い。

・イエローカード
悪質だと判定されたファールに対して提示される警告の一種。イエローカードを2枚受けるとレッドカードとなり、対象の選手は退場処分となってピッチから出なければいけない。

・インサイド
足の内側を使ったキック。

・インサイドハーフ(IH)
アンカーの少し前に二人配置されるポジション。守備時はアンカーの隣に立ってスペースを埋め、攻撃時はフォワードをサポートしたり自ら攻撃に参加する。攻守共、幅広い視野や運動量が求められる。スペインではインテリオールと呼ばれる。主に4-3-3の陣形でアンカーの前に立つミッドフィールダー二人を指す事が多い。
選手の例
ジュード・ベリンガム(レアル・マドリード、イングランド)
ペドリ(バルセロナ、スペイン)→動画あり
ニコロ・バレッラ(インテル、イタリア)→動画あり
ベルナルド・シウバ(マンチェスター・シティ、ポルトガル)

・インターセプト
相手選手のパス回しの途中でボールが渡る前に奪う事。

・インテリオール
インサイドハーフと同。意味についてはインサイドハーフの項目を参照。

・ウイング(WG)
ミッドフィルダーより前の位置且つサイドで攻撃するポジション。ドリブルを仕掛けて相手ディフェンダーを抜き去る、ゴール前にいる味方にクロスを供給して得点の機会を作る、ドリブルで仕掛けてそのままゴールを狙うなどの役割がある。右ウイングはRWG、左ウイングはLWGと略される。ウイングの選手は陣形によってウイングバックを務める事もある。
選手の例
三笘薫(ブライトン、日本)→動画あり
ヴィニシウス・ジュニオール(レアル・マドリード、ブラジル)
モハメド・サラー(リヴァプール、エジプト)
ラミン・ヤマル(バルセロナ、スペイン)→動画あり

・ウイングバック(WB)
3バックや5バックのフォーメーションで戦う際に中盤のサイドに位置を取り、攻守に渡って上下移動するポジション。攻撃時はウイング、守備時はサイドバックのような動きが求められる。右ウイングバックはRWB、左ウイングバックはLWBと略される。ウイングの選手がウイングバックの役割をする事もある。
選手の例
ジェレミー・フリンポン(レヴァークーゼン、オランダ)→動画あり
フェデリコ・ディマルコ(インテル、イタリア)→動画あり
マルコス・ジョレンテ(アトレティコ・マドリード、スペイン)
フィリップ・コスティッチ(フェネルバフチェ、セルビア)

・ウノゼロ
1-0のスコアで試合を終える事。イタリア語が由来。

・裏抜け
フォワードがディフェンダーの隙をついてゴールに向かい、ゴールキーパーと1vs1になる事。



・オウンゴール(OG)
選手が自チームのゴールにて誤って失点してしまう事。

・オーバーラップ
ボールを持っている選手を後ろにいる選手が追い越して攻撃に参加する事。サイドバックの選手が行う事が多い。

・オールコートマンツーマン
マンツーマンディフェンスをピッチ全体で行う守備戦術。

・オフサイド(offside)
オフサイドラインという線を越えた時に生まれる反則。オフサイドラインは守備側のチームのゴールから数えて二人目の選手(ディフェンダーの一番後ろの選手である事が多い)またはボールの位置に設定される。攻撃しているチームが前にボールを蹴った瞬間に、オフサイドラインよりも前の位置でボールを受けると反則となる。技術の進歩によりオフサイドの判定は厳しくなっており、体の一部が少し出ている場合でもオフサイドと認定される。

選手がオフサイドラインの場合

また、オフサイドラインを超えていた選手がボールを受けるためにオフサイドにならない位置に戻ったとしても、蹴り出された瞬間にオフサイドラインを超えていればその時点で反則となる。これは「戻りオフサイド」と呼ばれる。

戻りオフサイド

オフサイドとなる選手がボールに触れていなかったとしても、ゴールキーパーの視界を遮っていた場合はゴールを遮ったとしてオフサイドになる場合がある。これは「関与オフサイド」と呼ばれるが、これは審判による裁量が大きい。

関与オフの場合

・オフサイドトラップ
ディフェンダーがオフサイドラインをコントロールして相手選手を誘い出し、オフサイド判定にする事。

・オフザボール
選手がボールを持っていない状態。マークについている選手を撹乱する動きや、空いているスペースに走り込むプレーなど、ボールを持っていない状態でのプレーを指す。

・オンザボール
選手がボールを持っている状態。ドリブルやパスなど、ボールを持った時のプレーを指す。

か〜こ

・カウンター
守備をしていた選手が相手からボールを奪い、相手の守備が整っていない間に攻撃を仕掛ける攻め方。相手ゴールから近い距離で始まったらショートカウンター、遠い距離で始まったらロングカウンターと分けられる事もある。

・勝ち点
リーグ形式の大会やトーナメントのグループステージで用いられるポイント。試合に勝つと勝ち点3、引き分けると勝ち点1が得られる。負けた場合の勝ち点は0。この勝ち点が多い順に順位が付けられる。

・カットイン
サイドでボールを持つ選手(主にウイング)が中央に入っていくプレー。そのままシュートを打つ事もある。

・カテナチオ
イタリア語で「かんぬき」という意味。固い守備戦術と速攻を軸とした戦い方の事。イタリアのチームや代表に対して使われる事が多い。

・可変
攻守や試合局面に合わせてチーム全体が陣形を変える事。

・逆足
利き足とは逆の足。

・キャプテン
ピッチ上にて各チームに一人ずつ置かれる役職。試合開始前のコイントスの確認、審判から判定の説明を聞いてチームに伝える、などの役割がある。キャプテンが交代する際は腕章を外して別の選手にキャプテンを任せる。

・楔
フォワードを始めとした前の選手に縦のパスを送る事。

・グラウンダー
ボールが浮かずに地面を転がる事。

・クリア
自チームのゴール前にあるボールを遠くに飛ばし、危機を回避する事。

・クリーンシート
失点0で試合を終える事。

・クロス
相手のゴール前に向かって横や斜めに入れるパス。

・クロスバー
ゴールの枠の中で、2本のポストを繋ぐように上部に設置されているバー。

・ゲイン
ボールを奪って前に運んでいく事。相手のディフェンスラインを下げるためのボール運びという意味でも使われる。

・ゲーゲンプレス
ボールを奪われた瞬間に激しくプレスをしてすぐにボールを奪い返し、カウンターする戦術。ドイツ語で「カウンタープレス」の意味。

・決定力
シュートを打ってゴールを決めきる力。シュートを打った際に得点となる確率が高い選手は決定力がある、と言われる。決定力の有無に明確な線引きは存在せず、主にフォワードに対して使われる言葉。

・攻守4局面
「ボールを持って自チームが攻撃」「相手がボールを持って自チームが守備」「攻撃中にボールを奪われた瞬間」「守備中にボールを奪った瞬間」の4つの局面の総称。

・交代ルール
試合の中でチームはフィールド上の選手とベンチにいる選手を入れ替える事ができる。90分とアディショナルタイムの中で可能な交代の回数は3回、交代の人数は5人までとなる。延長戦に突入した場合は交代回数が1回増え、6人目の交代も可能となる。また、激しいプレーで頭を強く打つプレーなどが発生した場合は通常の交代とは別に脳震盪を理由とした別枠の交代が設けられ、回数と人数はカウントしない。相手チームが脳震盪を理由とした交代を行った場合、自チームは脳震盪の有無を問わず追加で一名交代する事ができる。

・コーナー
ピッチの角4箇所に設定されているエリア。このエリア内かライン上にボールを置いてコーナーキックを蹴る事ができる。

・コーナーキック(CK)
コーナーエリアから蹴るプレー。守備側のチームがボールをゴールラインの外に出してしまった場合、攻撃側のチームに与えられる。

・ゴール
コートの両端に設置しているネットを張った用具。用具そのものにゴールという名前が付いているが、得点を決める事自体もゴールと呼ばれる。ゴールの周りには様々な線が引かれ、細かくエリア名が設定されている。それぞれのエリアについては各項目を参照。

・ゴールエリア
ゴールの一番近くに設定されているエリア。この範囲の中であればゴールキーパーはゴールキックを蹴る事ができる。

・ゴールキーパー(GK)
唯一手を使う事が許され、自チームのゴールを守るポジション。飛んできたシュートを手足を使って防ぐ、飛んできたシュートをキャッチして攻撃を始める、長距離のパスを前にいる選手に出して攻撃の起点を作るなど、ゴールを守る以外にも様々な役割がある。手を使う事ができるが、ペナルティエリア外に出ると手を使うのは禁止される。
選手の例
ティボール・クルトワ(レアルマドリード、ベルギー)→動画あり
マヌエル・ノイアー(バイエルンミュンヘン、ドイツ)→動画あり
アリソン・ベッカー(リヴァプール、ブラジル)
ジャンルイジ・ドンナルンマ(パリサンジェルマン、イタリア)

・ゴール期待値(xG)
一つのシュートがゴールとなる確率を0から1までの間の数字で表す指標。この指標が高ければ高いほど決まる確率が高いシュートと考えられる。試合の中で打たれたシュートのゴール期待値を全て足すと、試合全体のゴール期待値を計算できる。

・ゴールライン
ゴールの真下に引かれている線。この線を全て越えてボールがゴールの中に入ると得点が入る。

・ゴールラインテクノロジー(GLT)
ボールがゴールラインを超えているか判定するシステム。

・コレオ
スタジアムにてサポーターが紙などを使って作る人文字。

ボルシア・ドルトムントのサポーターによるコレオ

さ〜そ

・サード・オブ・ピッチ
ピッチを三等分してそれぞれに名前を付ける考え方。自チームのゴールから相手チームのゴールに向かってディフェンシブサード、ミドルサード、アタッキングサードの3種類がある。

・サイドチェンジ
ボールがあるサイドから逆側のサイドにボールをパスする事。

・サイドバック(SB)
センターバックの左右のサイドで守備をするポジション。サイドから攻撃してくる選手をマークし、ドリブルで侵入してくる選手の攻撃やゴール前へのパスを防ぐ。攻撃時は前にタッチライン際を上がってサイドで攻撃する味方を助ける役割を持つ。右サイドバックはRSBやRB、左サイドバックはLSBやLBと略される事が多い。スペインではラテラルと呼ばれる。
選手の例
カイル・ウォーカー(マンチェスターシティ、イングランド)→動画あり
ダニ・カルバハル(レアル・マドリード、スペイン)
冨安健洋(アーセナル、日本)→動画あり
テオ・エルナンデス(ACミラン、フランス)

・サイドフロー
中盤の選手が中央からサイドのスペースに移動してボールをもらうように動く事。

・シザース
ドリブルのフェイントの一種。ボールの上を足が跨ぐような動きが特徴。

・絞る
サイドにいる選手が中央寄りに移動する事。

・シミュレーション
選手同士の接触が起こった際に、相手のファウルを装って大袈裟に痛がったり地面に転がって審判を騙そうとする事。時間を稼ごうとする行為もシミュレーションとされる。悪質と判断されたものはカードの対象となる。

・シャドー
センターフォワードの少し後ろに立って攻撃をサポートしたり、自身でゴールを狙うポジション。セカンドトップと役割は近い。

・シュート
ゴールに向かってボールを蹴る事。

・主審
ピッチ内に入ってボールを追いかけながら審判を行う。ファールやカードの提示、ボールを保持するチームの指定、試合時間の確認やコントロール、試合の中断・再会の指示など、多くの役割で試合を遂行する。また主審は試合のあらゆる判定の最終決定者であり、他の審判の助言などを聞きながら最終的にオフサイドやカード、PKなどの決定を下す。

・ショートコーナー
コーナーキックを蹴る際に直接ゴール前に蹴るのではなく、近くにいる選手への短いパスを選択するプレー。

・陣形(フォーメーション)
フォーメーションとも呼ぶ。選手の配置の事を主に指し、サッカーではディフェンダー・ミッドフィールダー・フォワードそれぞれの人数や守備的か、攻撃的かで表す(ゴールキーパーは各チーム一人となるため自然と省略される)。サッカー中継では試合開始前に予想される陣形が紹介されるが、ボールを持っている時や持っていない時、攻め込んでいる時、守っている時など、試合の中で様々な形に変化する事が多い。陣形の数は多種多様だが、この辞書では試合前に紹介される事が多いものを例として記載する。

3-4-2-1

例:日本代表(2024年)

4-4-2

例:アルゼンチン代表(2022年W杯)
中央の選手が縦に並ぶ形はダイヤモンドと呼ばれる
例:レアル・マドリード(17-18シーズン)

4-2-3-1

例:チェルシー、バイエルン・ミュンヘン

4-3-3

例:スペイン代表(2024年EURO)、マンチェスター・シティ

5-3-2

例:アトレティコ・マドリード、インテル

・審判
サッカーのルールに則り、試合の判定を行う役職。一つの試合に審判は主審一人、副審二人、第四審一人、VARが配置される。それぞれの審判の役割は各項目を参照。

・スライディング
地面に足を滑らせて相手選手からボールを奪うプレー。スライディングタックルとも呼ばれる。

・スルーパス
パスの一種。選手に対してパスを送るのではなく、誰もいないスペースに向かってボールを蹴って走り込んできた選手が受け取る。

・スローイン
ボールがタッチラインを越えた際に、ボールを出していない側のチームの選手が両手でボールを投げてプレーを再開する事。

・正対
目の前の相手選手に対して正面を向いて相対する事。へそが向き合っている状態と例えられる。正対する事で自分のプレーを相手選手に読まれにくくするメリットがある。

・セーブ
ゴールキーパーがゴールに飛んできたボールを弾いて防ぐ事。

・セカンドトップ(ST)
センターフォワードよりも少し後ろの位置でプレーするポジション。センターフォワードを囮としてゴールに迫る、ポストプレーによって落とされたパスを受け取る、ゴール前に走り込んでゴールを狙うなどの役割がある。トップ下より少し前でプレーし、トップ下よりも得点が求められやすい。シャドーと同じ役割。
選手の例
フリアン・アルバレス(アトレティコ・マドリード、アルゼンチン)
ジョアン・ペドロ(ブライトン、ブラジル)
トーマス・ミュラー(バイエルン・ミュンヘン、ドイツ)→動画あり
パウロ・ディバラ(ASローマ、アルゼンチン)→動画あり

・セカンドボール
選手同士の競り合いで溢れたボールやディフェンダーが跳ね返したボールなど、両チームどちらも持っている状態にないボール。

・セットプレー
ボールを決められた位置にセットして再開するプレーの事。コーナーキックとフリーキックが主にセットプレーとしてまとめられる。

・背番号
選手が着用するユニフォームの背中に書かれた番号。選手一人につき一つ背番号が与えられる。センターフォワードなら9、ウイングなら7のように選手のポジションに合わせて番号を付けたり、選手の希望で番号を決める事もある。

・ゼロトップ
センターフォワードの選手がミッドフィールダーのいる中央の位置まで降りてくる事で、「選手の数を増やして中盤の攻撃を有利に組み立てる」「センターフォワードがいたスペースを空ける事でウイングが飛び込んで攻撃しやすくする」「相手ディフェンダーの守備やマークを惑わせる」などを狙う戦術。降りてくる選手は偽9番と呼ばれる。
使用チームの例
バルセロナ

・センターバック(CB)
ゴールキーパーの前でゴールを守るディフェンダー。相手のフォワードの動きを常に警戒し、シュートコースを消す、体を張ってシュートをブロックする、ゴール付近に飛んできたボールを蹴り出して遠ざける…など、守備の核として立ち回るポジション。自チームがボールを持った時は前の選手にパスを出して攻撃の起点になる事もある。右センターバックはRCB、左センターバックはLCBと略される事が多い。
選手の例
フィルジル・ファンダイク(リヴァプール、オランダ)→動画あり
アントニオ・リュディガー(レアル・マドリード、ドイツ)
マルキーニョス(パリ・サンジェルマン、ブラジル)
マッツ・フンメルス(ASローマ、ドイツ)

・センターフォワード(CF)
自チームの一番前に位置し、ゴールを決める事に最も重きを置いたポジション。ゴールを決めるのが一番の仕事だがそれだけに囚われず、ゴール前でいろんな場所に動いて相手ディフェンダーを引きつけたりマークを撹乱する、ロングパスの受け手になってボールを味方に散らす、相手ゴールキーパーやディフェンダーのパスをプレスで妨害するといった役割も存在する。
選手の例
アーリング・ハーランド(マンチェスター・シティ、ノルウェー)→動画あり
ハリー・ケイン(バイエルン・ミュンヘン、イングランド)
ロベルト・レヴァンドフスキ(バルセロナ、ポーランド)→動画あり
ラウタロ・マルティネス(インテル、アルゼンチン)

・ゾーンディフェンス
選手それぞれが守るゾーンを分担して守備する戦術。ボールの位置や相手選手の動きに合わせ、自分が担当するゾーン内の空いているスペースやパスコースを埋めて攻撃を止める。

た〜と

・ダイアゴナルラン
中央からサイド、サイドから中央など、ピッチ内を斜めに横切るように走る事。

・ダイレクト
ボールを止めずに一回のタッチでプレーする事。ワンタッチとも言う。

・タッチライン
ピッチサイドに引かれている一番長い2本のライン。このラインを超えるとプレーを一旦止めなければならない。

・タックル
ボールを持っている相手に対して足を滑らせたり体を当ててボールを奪うプレー。足を滑り込ませるタックルをスライディングタックル、肩を当てるタックルをショルダータックルという。怪我をさせる可能性のある激しいものはファールと認定される。

・縦パス
相手陣地に向かって縦にパスを送る事。

・ダブルチーム
一人の選手に対して二人の選手が守備を行ったりマークに付く事。

・チップキック
ボールと地面の間に爪先を滑り込ませるように蹴るキック。

・チャント
サポーターが応援の際に歌う歌や掛け声。

・チャンネル
センターバックとサイドバックの間にあるスペース。

・ティキタカ
短い距離のパスをテンポ良く繋ぎながらボールを保持している時間を増やし、味方と連携しながら相手ゴールに迫る戦い方。戦術の意味で使われる事もあれば、チームが行うサッカーのスタイルという意味でも使われる。

・ディフェンシブサード
ピッチを三等分した際に一番自チームのゴールに近いエリア。詳しくはサード・オブ・ピッチを参照。

・ディフェンスライン
ディフェンダーの選手達が作る列。最終ラインとも言う。

・ディフェンダー(DF)
自チームのゴールを守って失点を防いだり攻撃に来た相手選手からボールを奪うポジション。ただ攻撃を防ぐだけでなく、後ろから味方にパスを届けて攻撃を組み立てる事もする。また、一番ゴールに近いディフェンダーの位置がオフサイドラインとなるため、オフサイドの管理も重要な役割となる。主な内訳はセンターバックとサイドバック。

・デスマルケ
ボールを持っていない時の選手の動きの一つ。マークに付かれている状況で瞬間的な動きでマークを外してボールを受ける事。

・ディフレクション
ボールが選手に当たってボールの軌道が変わる事。

・ドグソ(DOGSO)
denying an obvious goal scoring opportunityの略。決定的な得点機会の阻止、という意味。以下の四つの条件を全て満たした場合ドグソと判定され、該当の選手はレッドカードが提示されて退場となる。
①ゴールと至近距離でファール
②相手ゴールに向かう流れ
③守備側が人数不足などで不利
④攻撃している選手がボールをコントロールできている

・トップ下
センターフォワードの後ろに位置し、ドリブルでの仕掛けやゴールに直結するパスを仕事とするポジション。チャンスを作るだけでなく、自身で直接ゴールを狙う事も多い。
選手の例
フロリアン・ヴィルツ(レヴァークーゼン、ドイツ)→動画あり
ケビン・デ・ブライネ(マンチェスター・シティ、ベルギー)→動画あり
ブルーノ・フェルナンデス(マンチェスター・ユナイテッド、ポルトガル)
マルティン・ウーデゴール(アーセナル、ノルウェー)

・トラップ
ボールを受け取る際に足や胸を使って勢いをコントロールする事。

・ドリブル
ボールを連続して蹴りながら進みたい方向に進んでいく事。

・トランジション
攻撃から守備、守備から攻撃と攻守のチームが切り替わる事。

な〜の

・ニアサイド
クロスやシュートを狙う際にボールを蹴る選手から近いエリアやゴールのスペース。

・偽9番
ゼロトップという戦術において要となるポジション。詳しくはゼロトップの項目を参照。

・偽サイドバック
ディフェンダーであるサイドバックの選手が攻撃時に中盤の中央付近に移動し、組み立てに参加する戦術。「中盤で人数の有利を作りやすい」「カウンターを受ける際に中央が使われにくい」「相手チームのマークを撹乱する」などの利点がある。従来のサイドバックはタッチライン際を上下移動する動きが求められていたが、偽サイドバックは中央への移動が追加されるため、偽サイドバックを担当する選手には高い能力が求められる。

使用チームの例
バイエルン・ミュンヘン
マンチェスター・シティ

・偽センターバック
センターバックの選手がアンカーやボランチの位置に移動して組み立てに参加する戦術。「中盤で人数の有利を作りやすい」「センターバックが攻撃参加する事で相手のマークを撹乱する」という従来の偽サイドバックのメリットに加えて「カウンターを受ける際に偽サイドバックよりも守備時のポジションに戻る距離が短いため、守りやすい」という利点がある。

使用チームの例
マンチェスター・シティ

・ネガティブトランジション
攻撃から守備に切り替わる事。略してネガトラ。

は〜ほ

・バイシクル
ジャンプして飛び上がり、地面に背を向けた状態で頭より上にあるボールを蹴る事。日本ではオーバーヘッドと呼ばれる事が多い。

・バイタルエリア
ペナルティエリア前のスペース。

・ハイライン
ディフェンスラインを通常よりも高めに設定する戦術。相手が自由に使えるスペースが狭くなり、プレッシャーをかけやすくなる。

・パウサ
ボールを持つ選手がプレーのスピードを落として次の動きのタイミングを遅らせる事。意図的にプレーを遅らせる事で、ボールを持っていない味方がパスを受けたりポジションを整える時間を作る事ができる。

・パス
キックやヘディングでボールを味方に渡す事。

・バックパス
ボールを持っている選手が後ろにいる味方にパスを出す事。

・ハットトリック
1試合の中で一人の選手が3得点取る事。

・パネンカ
ペナルティキックの技術の一つ。チップキックで真ん中にボールを蹴り、キーパーが左右に飛ぶ事で生まれたスペースにゴールを決める事。

・張る
選手がタッチライン際まで広がる事。

・半自動オフサイドテクノロジー
スタジアムにあるカメラを使って選手がオフサイドかどうかを判定するシステム。

・パントキック
手で持ち上げたボールを落とし、地面に付く前に直接蹴るキック。ゴールキーパーのスキルの一つ。

・ピッチ
サッカーグラウンドの事。

・ビデオアシスタントレフェリー(VAR)
主審が判定を下したプレーに対して様々な角度の映像を見ながらサポートする審判員。判定されたファールが悪質でカードを提示するに該当するか、ペナルティエリア内のプレーがPKに繋がるか、決まったゴールにオフサイドがあるか…などがVARで確認される事が多い。但し、VARが介入して判定について議論されたとしても最終決定は主審が決める。

・ピボーテ
アンカーやボランチの項目を参照。ピボーテの役割の選手を二人配置する場合はドブレピボーテと呼ぶ。

・ビルドアップ
パスを用いて後方からボールを前進させて攻撃を組み立てる事。

・ファーサイド
クロスやシュートを狙う際にボールを蹴る選手から遠いエリアやゴールのスペース。

・ファウル
反則行為。選手同士の接触や乱暴なプレー、相手選手への侮辱行為、ボールが手に当たってプレーが制限される、ゴールキーパーがボールを手に持ちすぎる…など様々な種類がある。選手にファールが与えられると一度プレーが中断され、相手がボールを持って再開する。ペナルティエリア内で守備側の選手がファウルに当たるプレーをしてしまうと、相手にPKが与えられる。

・5レーン(ファイブレーン)
ピッチを縦にして5つに分割する考え方。中央がセンターレーン、両端がサイドレーン、センターレーンとサイドレーンに挟まれたスペースをハーフスペースと呼ぶ。

・フィード
前方へパスを蹴る事。主に、ゴールキーパーやディフェンダーがフォワードに向けて送り出す長距離のパスの事を指し、それはロングフィードと呼ばれる。

・FIFA(フィファ)
国際サッカー連盟の事。Fédération internationale de football associationの略。W杯を主催している。

・フェイント
相手の意表をつくプレーの事。シュートを打つ動作を見せてパスを選択する、パスをするフリを見せてドリブルで前進するなど、さまざまなフェイントがある。

・4CB
ディフェンダーを4人配置する陣形において、サイドバックの位置にセンターバックが本職の選手を置く事。

・フォワード(FW)
最も相手ゴールに近い場所でプレーし、ゴールを決める事に重きを置いたポジション。点を取る以外にも、ロングパスの送り先として動いたり相手ディフェンダーがパスを出す際はコースを消す動きを求められる。センターフォワード、セカンドトップ、ウイングなど細かく分類ができる。

・副審
ピッチのタッチライン際でオフサイドラインに合わせて立つ審判。ピッチの外から試合を見ながら、ボールが外に出た時にボールを持って再開するチームを指したり、オフサイドの有無を提示するなど、主審を助ける役割を持つ。

・プッシング
相手選手を手や腕で強く押したりする反則。悪質と判断されるとカードの対象になる。

・フリーキック(FK)
ファールを受けた際に与えられるプレーの一つ。ファールを受けた場所にボールを置き、相手選手に邪魔されない状態でボールを蹴ってプレーを再開する。ゴールからの距離によっては直接ゴールを狙って得点を取る場合もある。

・フリック
自チームの選手から送られたボールに触れてコースをずらす事でパスを繋げるプレー。

・プレス
相手選手がボールを持っている時に距離を詰めてプレッシャーをかけたりパスを出し辛くするプレー。

・プレスバック
前に出ている攻撃や中盤の選手が守備のためにボールの近くや自チームのゴール近くに戻る事。

・ブロック
守備をする際に相手の攻撃を防ぐためにスペースやパスコースを埋める配置を組む事。飛んでくるシュートを足や体を使って防ぐ事もブロックと言う。

・ペナルティエリア
ゴールエリアを取り囲むように設定されているエリア。このエリア内であればゴールキーパーはボールに手で触れる事ができる。このエリア内で守備側の選手がファウルをすると相手チームにペナルティキックが与えられる。

・ペナルティキック(PK)
ペナルティマークにボールを置き、キーパーと1対1でゴールに向かってボールを蹴るプレー。主にペナルティエリア内で守備側のチームがファウルに該当するプレーをしてしまった場合、攻撃側にPKが与えられて得点のチャンスとなる。また、大会によっては試合が引き分けで終わると交互にPKを蹴り合って成功させた回数が多いチームが勝利となる。

・ペナルティマーク
ペナルティエリアのゴール正面に設定されているマーク。ペナルティキックを蹴る際はこのマークにボールを置いて蹴る。

・ホーム
本拠地であるスタジアムで戦うチームを指す言葉。

・ポケット
ゴールエリア脇のスペースの事。ニアゾーンとも言う。

・ポジティブトランジション
守備から攻撃に切り替わる事。略してポジトラ。

・ポスト
ゴールの白い枠の内、柱のように立っている2本のバー。

・ポストプレー
フォワードが相手ディフェンダーを背負いながら味方からボールを受けてパスを繋ぐプレー。

・ポゼッション
ボールを持って試合の流れを支配する事。

・ボランチ
守備の役割を多く担うミットフィールダー。ボランチの役割を一人配置する時はワンボランチ(アンカー、ピボーテと同)、二人配置する時はダブルボランチ(ドブレピボーテと同)。
選手の例
エンゴロ・カンテ(アル・イテハド、フランス)→動画あり
ルカ・モドリッチ(レアル・マドリード、クロアチア)
デクラン・ライス(アーセナル、イングランド)→動画あり
守田英正(スポルティング、日本)

・ボレー
ボールが地面に落ちるまでに蹴る事。

ま〜も

・マーク
特定の相手選手を近くで監視したり守備をする事。

・マニータ
1試合で5得点する事。スペイン語が由来のため、スペインサッカーで主に用いられる。

・マンツーマンディフェンス
相手チームの選手の側に寄ってプレーを妨害したりボールを与える事を防ぐ守備戦術。このマンツーマンをゴールキーパー以外の全員で行う事をオールコートマンツーマンという。

・マンマーク
特定の相手選手に張り付いて1対1で行う守備。

・ミッドフィールダー
主にピッチの中央付近でプレーするポジション。中盤という言葉でまとめられる事もある。ボールに触れる事も多いため、守備と攻撃どちらにも大きく関わる。細かく分類するとボランチ、インサイドハーフ、トップ下など、様々なポジションに分けられる。

・ミドルサード
ピッチを三等分した際にセンターサークルに近い中央付近のエリア。詳しくはサード・オブ・ピッチを参照。

・ミドルシュート
ゴールからやや離れた位置から蹴ったシュート。主にペナルティエリアの外から打たれたシュートがミドルシュートと呼ばれる。

や・ゆ・よ

・ユーティリティ(UT)
複数ポジションをこなす事ができる選手の事。ユーティリティ性があるとも言う。
選手の例
ベルナルド・シウバ(マンチェスターシティ、ポルトガル)→ウイング、ボランチ、トップ下、インサイドハーフ、サイドバック
ダビド・アラバ(レアル・マドリード、オーストリア)→トップ下、ボランチ、センターバック、サイドバック

ら〜ろ

・ライン間
ディフェンダーとミッドフィールダー、ミッドフィールダーとフォワードの間にできるスペース。

・ラインブレイク
パスを用いて相手のディフェンスラインの後ろに抜け出す事。

・ラテラル
サイドバックと同。意味についてはサイドバックの項目を参照。

・ラボーナ
ボールを蹴ろうとする足を軸足の後ろに回し、足をクロスさせるような形でボールを蹴る蹴り方。

・リフティング
足先や太もも、胸などを使ってボールを落とさないように空中で扱い続ける事。

・ループ
ボールをふわっと宙に浮かせる事。パスだけでなくシュートにも応用される。

・レイオフ
縦方向のパスを受けた選手が近くにいる別の選手にボールが後ろに下がるパスを出す事。3人目の選手が前向きにボールを受け取る事ができるため、前進するために効果的。

・レジスタ
イタリア語で「指揮官」。中盤でゲームをコントロールするミッドフィールダー。選手の役割や特徴を示す意味で使われる事が多い。

・レッドカード
悪質だと判定されたファールに対して提示される警告の一種。イエローカード2枚はレッドカードと同じ扱いとなり、レッドカードが提示された選手は退場しなければいけない。退場者が出たチームは試合終了まで退場者分の人数が減った状態で試合を続けなければいけない。

・ロール
サッカーにおいての役割や特徴を指す言葉。戦術の中で複数の役割をこなす選手はマルチロールと呼ばれたり、特定の選手にしかできない役割や動きは「選手の名前+ロール」で呼ばれる。
選手の例
ダビド・アラバ(レアル・マドリード、オーストリア)→アラバロール
ジョアン・カンセロ(アル・ヒラル、ポルトガル)→カンセロロール

・ロスタイム
別名アディショナルタイム。意味はアディショナルタイムの項目を参照。


参考にしたサイト一覧

サイトの数自体がとても多いので、媒体毎にリンクでまとめます。

・Jリーグ

・日本サッカー協会

・スポジョバ

・読売新聞オンライン

・telesoccer

・cataratie

・サカイク

・ホームメイト

・Goal

・Sufu

・Football LAB

・アナリティクスアソシエーション

・サッカーの箱

・清水エスパルス

・レッドブル

・footballista


あとがき

 サッカー観戦を趣味として好きなチームや代表の試合を見始めてからもう一年が経ちましたが、一年経ってもまだまだ分からない事だらけ。そんな中で「好きなチームや選手の事をもっと分かるようになりたい!」という思いからこの辞書作りが始まりました。私の中でのサッカーのイメージは「ゴールを決めれば勝つスポーツ」というだけでしたが、試合を見れば見るほど、ゴールを決めるためにどれほど複雑な駆け引きや戦術があるか、ルールが難しいか、選手が90分間の中で頭も身体もフル回転させて戦っているか。とても多くの事を知りました。
 サッカーを見る人がどれほど詳しくなろうと思うかはその人次第。ただ、もし何かの試合を見て選手に魅せられて「もっと知りたい!」と思う人がいたとしたら、その知りたいという思いにこの資料が少しでも寄り添えていたら嬉しいです。

 最後に、今回の辞書を作る上で多くの相談に乗ってくれた方にこの場で感謝を。私のふとした思い付きを聞いてくれるだけでなく、多くの知識を提供してくれたりサッカーの話を沢山してくれたり、有意義な時間をありがとうございました。
 そして私に新たな楽しみを教えてくれたサッカー選手たち(特にマンチェスター・シティとスペイン代表の皆さん)も、本当にありがとう。

 これにて締めとさせていただきます。ご利用ありがとうございました。


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