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ここに暮らしたいと思った|旅日記

今日は箱根本箱にゆく。

この土日は予定が無くなって、直前まで何をしようか迷っていたのだけれど、寒いので外を歩きまわるというよりは、宿に籠って湯治なんかするのがいいなあと思っていた。知り合いがいる岐阜もありかもと調べていたけれどあまりいい感じのお宿は無くて、まちやど系もありかと考えたけれど、つまり仕事につながるような過ごし方をしたいと思っていて、でも気になっているところはどこも埋まってしまっているか冬季休業かで、あとはやはり行きたいところは九州や四国、山陰地方なんかで一泊二日では足りない。

松本本箱も良いかなと思ってみていたけれどちょっと高すぎる。ダメ元で箱根本箱を調べてみたら、もちろんいいお値段には変わりないけれど、空いていたし、思っていたよりもリーズナブルだった。何よりいま求めていること全てがそこにあるような気がして、ちょっと奮発して予約をした。


登山電車とケーブルカーを乗り継いで

13:40の電車に乗っても、15:00すぎには最寄駅の中強羅に着く。片道1200円弱。すてきだ。箱根湯本駅から箱根登山電車に乗り、何度かスイッチバックをしながら強羅駅に到着、そこから箱根登山ケーブルカーに乗り換えて3駅目の中強羅駅で下車。5分ほど歩き、到着。お世話になります。

まるで自分が本箱に入っていくようなエントランス(写真撮り忘れた)。

(着いたのは15:00すぎ、これは夜)

テレビや雑誌で見たことはあったから想像通りの空間ではあったけれど、それにしても圧巻だった。にやにやが止まらない。

シンプル・イズ・ザ・ベスト

お部屋は1階テラス・ツイン。ロビーから一番近い106。設えはシンプルで、不要なものは置いてなくて必要なものはすべて揃っている。

(オーガニックコットンの部屋着。着心地がとてもよかった)
(タオルドライヤーとやらが付いている)
(化粧水と乳液、クレンジング、歯ブラシが用意されていて、ヘアブラシやコットンなどはアメニティバーから持ってくるスタイル)
(ドライヤーやスリッパ、懐中電灯など)
(加湿器も有り、ありがたかった)
(選書された本が用意されている)
(普段読まない本を手に取れる仕掛けがうれしい)

そして、全客室露天風呂付

(お湯は既に張ってあり、温度も適温に管理されている)

三島の甘酒と八丁味噌のクッキー

ウェルカムドリンクをいただく。丁寧な説明書きがあり想いを馳せながら味わった。特に八丁味噌の話が興味深かった。

ぐるりと見渡して、近づいて、手に取って

夕食までの時間、本棚をぐるりとまわる。1万2000冊の蔵書。耳を傾ける。ぐるりと見渡して、近づいて、手に取って。フリードリンクコーナーに、谷川俊太郎氏が滞在した部屋など。本棚に潜って本を読む。

東海道ガストロノミー

夕食前にキッチンツアーとやらにも参加した。テーマの話や食材の話などを聞いた。テーマは東海道ガストロノミー。秦野や二宮から来ている食材もあるらしく、なぜかちょっと誇らしい気持ちになった。

ノンアルコールのペアリングがあってとても良かった。丁寧に説明してくださったけれど食べることに夢中であまり覚えていない。口の中がしあわせだったことは覚えている。

2本の泉質に浸り、本に浸る夜

食休みをして、大浴場へ。大浴場に続く間にも随所に腰をかけて本を手に取れる場所があった。ミニシアタールームもあった。ちょうど19:30からの夕食中だったのもあり、ほぼ貸切状態。2本の泉質を味わえて、温度もちょうど良く気持ちよかった。

部屋で本を読む。柚木沙弥郎さんの本を読み、石仏の写真集、それから織物についての本や写真集をパラパラとめくる。タパとフェルト。バルト三国の手仕事、遊牧民のラグ。見ていると心が躍る感じがする。でもそれをどうしたいのか。もっと知りたいのか、実際に織りたいのか、それとも。

そろそろ眠ろう。ベッドに入って、「海のうた」をパラパラとめくる。眠れない。理由はわかっている。金曜日から土曜日にかけて寝続けたから。

そういえば。あの本を読んでみよう。本棚めぐりをしていたときに気になっていたけれど手に取っていなかった本を取りに行く。ベッドから起き上がってドアを開けてすぐ、一面の本。2階の角にある本を取って部屋に戻る。

気づいたら眠っていた。

(好みの詩集に出会えるのもよい)

見慣れない、新鮮な景色が目に飛び込んでくる

この瞬間を感じたくて、また旅をしたいと思う。ハーブティーをいただきに部屋を出る。起き抜けですぐ、一面の本。ここに暮らしたいと思った。

朝焼けを身体で浴びながら、お部屋の露天風呂に浸かる。時間が止まればいいのにと思った。

朝食は、将軍飯御膳。ペロリと食べてしまった。

コーヒーを淹れて、昨日から今朝のことを反芻する。やっぱり、旅がしたいと思う。こうして、また旅がしたい。

チェックアウトの手続きをする。お兄さんがイケメンだった。最後、見送ってくれた。エントランスの写真を撮ろうと思っていたけれど撮れなかった。また、来ようと思う。

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「箱根本箱」
https://hakonehonbako.com/
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