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拭いて軽く

 このところ、毎日掃除している。これまでもクイックル的なことは、まぁ、ほぼ毎日していたのだが、最近はそのワイパーに合わせた雑巾をつけて、床の拭き掃除をしているのが特筆すべき点だ。

 まずは気持ちいい。床の感触が日に日に変わってきているのがわかる。すべすべ感が深まっていくとでも言うか。「汚くない」って意味では、最初に拭いた日からクリアしてたと思うのだが、それとはまた別の、まさに垢抜けていく感じのすべすべ。心なしか、部屋までもが明るくなっていく気がする。

 子どものころから、そんなに掃除が得意なほうじゃなかったし、日々の忙しさにかまけて、なおざりにしがちだった。スピリチュアル的な「開運したいならまずは掃除!」っていうのも、そもそも「本に埋もれて穴ぐらみたいなところに暮らしたい」って思ってるほうだから、いまいちピンと来なかったのだが、実際に床を拭きはじめてみるとちょっとずつ「なるほど……」と思いかけている。

 床を拭いていると、あちこちのホコリやら物が溜まってるのやらが、おや?と目に付く。長年蓄積されてきたすべてをいっぺんにクリアにするのは無理だから、目に付いたところを、とりあえずキュキュッとする。すると、ひとつぶん、きれいになって、ひとつぶん、軽くなる。

 そう、きれいになる、っていうのもだけど、軽くなる、っていうのがポイントかも。床も、すべすべが深まる、っていうのは、軽さが深くなる、って感じ。芯のある軽さ。矛盾してるかもしれないけど。

 「部屋はいまのあなたの状態です」って、これまたよく聞くのだけど、今はまだ、強くうなずいていいかどうかわからない。そうとも言えるし、そう言われてもな、とも思うが、とりあえず、毎日拭いとかないとなんか気が済まないところまでは来たので、せっせと拭いてみる。

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