隠れた精神障害の原因【2/365】

あまりにも毎日の発信が滞っていて、お前は最近何をやっているんだ状態なので日報的にその日に学んだことでも投稿しようと思う。私が今まで苦手としてきた習慣化への挑戦である。

私は基本的に怠け者である。だが怠け者が一念発起してしまった。言ったからにはやらねばなるまい。とりあえず何かしら投稿することが目的なので記事のクオリティは二の次だ。添付している文献を全文目を通せていないことも屡々あるが、とにかく毎日状況報告をする。それだけを目指すマガジンである。


ステルス適応型ウイルス

Martin WJ. Stealth Adapted Viruses: A Bridge between Molecular Virology and Clinical Psychiatry. Open Journal of Psychiatry. 2015;5(4):311-319. doi:10.4236/ojpsych.2015.54035
「ステルス適応型ウイルス:分子ウイルス学および臨床精神医学の架け橋」

Cytopathic “stealth-adapted” viruses bypass the cellular immune defense mechanisms because of molecular deletion or mutation of critical antigen coding genes. They, therefore, do not provoke the inflammatory reaction typical of infections with the conventional viruses from which stealth adapted viruses are derived. Stealth adapted viruses establish persistent, systemic virus infections, which commonly involve the brain. The brain damage can cause major mood and cognitive disorders, fatigue, seizures and various manifestations of an impaired autonomic nervous system. Symptoms can also result from: 
1) induced autoimmunity ,
2) antibody formation against virus antigens,
3) virus-induced cellular damage to non-brain tissues and
4) induced heightened overall immune reactivity, such that normally unrecognized components of the virus begin to become targeted by the cellular immune system. 
This last mechanism is relevant to the reported neurological and psychiatric adverse effects of vaccination in certain individuals. It is also appropriate to consider the infectious component of stealth adapted virus infections since family members and others may be at risk for becoming infected.
細胞変性「ステルス適応型」ウイルスは、重要な抗原コード遺伝子の分子的欠失や変異により、細胞性免疫防御機構を回避する。そのため、ステルス適応ウイルスの元となった従来のウイルスによる感染に典型的な炎症反応を引き起こさない。ステルス適応型ウイルスは持続的な全身性のウイルス感染を引き起こし、一般的に脳を侵す。脳へのダメージは、気分障害、認知障害、疲労、発作、自律神経系の様々な障害を引き起こす。また、以下の結果としても症状が起こる。
(1)自己免疫の誘導
(2)ウイルス抗原に対する抗体形成
(3)ウイルスによる非脳組織への細胞障害
(4)通常認識されないウイルス成分が細胞性免疫系の標的となるような、全体的な免疫反応の誘発
この最後の機序は、特定の個人において報告されるワクチン接種による神経学的・精神医学的副作用に関連している。また、家族などが感染する危険性があるため、ステルス適応ウイルス感染の感染要素についても考慮することが適切である。

最近、細菌の細胞壁欠損型 Cell Wall Deficient Form(:CWDF)を調べている所だが、似たような概念がウイルスに存在することを思い出し、改めて調べている次第だ。CWDとステルス適応型ウイルス Stealth Adapted Virus(:SAV)の両者の関連性を報告した文献はまだ見つからないが、恐らく無関係ではない。何で細菌とウイルスが関係し合うんだと思ったそこの貴方はゲオルグ・ボシャンでググりやがれ。

SAVを知ったのはとある人物経由だが、この概念を知った時、SARS-CoV2のオミクロン株はSAVではないかと閃いた。SAVが如何なる機構で誕生するかと、オミクロン株が登場した時期とを総合すれば、そう遠く離れた推測でもないだろう。

上の引用の通り、SAVは精神疾患との関連性が疑われている。だが本稿はその前に、調べようと思えば調べられる領域の話 反ワクの体たらく、つまり感染症やアレルギー誘発性の精神疾患に軽く触れておく。SAVは次回。

私は精神科の9割は詐欺診療だと考えている。何故なら純粋な心理的要因による精神症状は極僅かであり、9割以上は感染症や(食物/化学物質含む)アレルギー誘発性であり、即ちワクチン接種による生理学的・遺伝的異常が原因だと確信している為だ。勿論今回のmRNAワクチン接種後にも妄想障害の症例がある

1.アレルギー性精神障害

1)CVOsへの免疫複合体沈着

この症例は恐らくアレルギー誘発性だと考えられる。循環性免疫複合体の脳室周囲器官 Circumventricular Organs:CVOsへの沈着による精神症状は遡れば1970年代から研究されている。例えば以下の文献だ。

Rudin DO. Covert Transport Dysfunction in the Choroid Plexus as a Possible Cause of Schizophrenia. Schizophrenia Bulletin. 1979;5(4):623-626. doi:10.1093/SCHBUL/5.4.623
「統合失調症の原因候補:脈絡叢における輸送機能障害」

統合失調症やある種の特発性精神遅滞は、脈絡叢基底膜の密かな免疫複合体疾患に起因している可能性がある。この過程は、例えば皮膚、腸、腎臓、内分泌系などの同様の構造において、密かな輸送機能障害を引き起こすことがすでに知られている。脈絡叢への攻撃は脳脊髄液の汚染につながり、さらに 「開いた 」上衣を介して、脳室周囲の辺縁系脳における神経伝達物質の機能障害につながる可能性がある。免疫複合体機構は、外因性物質に対する免疫感受性の直接的あるいは自己免疫的な多遺伝子誘導を意味し、精神分裂病の遺伝的特徴と一致する。候補物質としては、ウイルスの被膜ペプチドや穀物のグルテンなどがある。グルテン類は免疫複合体の皮膚疾患や腸疾患の変異を引き起こすことが知られており、統合失調症との関連を示す経験的証拠もある。この病態を検出できるのは新しい免疫蛍光法のみで、それ以外の方法では検出できない。全身性エリテマトーデスは、精神分裂病様精神病と強く関連する遺伝的免疫複合体疾患であり、脈絡膜叢の免疫蛍光を示すが、通常の方法では中枢神経系の病理所見はなく、ウイルスによって誘発される可能性があるため、モデルとなる

早速ネタバレしてくれていやがるが、本稿のメインである自己免疫疾患のウイルスモデルは後述する。重要なのは「脈絡叢への免疫複合体の沈着」である。脈絡叢とは①脳室での脳脊髄液の産生②末梢から脳へ至る血流の濾過の役割を担い、CVOsの窓口となる器官である。「血液の濾過」の点で腎臓の糸球体に役割が類似するが、CVOsは脈絡叢がその役割を担っている為に、この部位には脳血流関門 Blood Brain Barrierが存在しない。即ち、血液中の異物に直接晒されている部位であり、換言すれば脈絡叢の破綻は脳内への異物の侵入を意味する

視床下部が隣接している点に注目して頂きたい。内分泌の司令塔である。ここに異物が侵入するとなれば当然、脳内のあらゆる信号にも悪影響が及ぶことになるが、この文献は、この脈絡叢もまたワクチン誘発性で傷害が必発する部位だと遠回しに報告している(※論文中のグルテンの記述は突っ込み処があるので触れない)。「何でワクチンが原因と言えるんだ、この文献にはワクチンのワの字も出てこないぞ」と完全に周回遅れの疑問が浮かんだら1972年に逆戻りだ。「この蓄積は明らかに解剖学的・生理学的要因であって、免疫学的要因ではなく、原因となる抗原や抗体と傷害・病変部位との免疫学的関連性はない。

2)食物アレルギー/化学物質過敏症誘発性精神障害

先の例は急性血清病誘発性の精神障害と言える。今度は慢性的アレルギー症状の例として、先の文献にも登場した化学物質過敏症 Multiple Chemical Sensitivity(MCS)による精神障害である。MCSを最初に提唱した人物は1960年代の米国アレルギー学者セロン・ランドルフ(Therone Randolph)である[※]。ランドルフは元々食物アレルギーに関心を寄せた人物だが、環境中に存在する人間に悪影響をもたらす因子を広く探究した果てにMCSの発見に至る。

Therone Randolph(1906–1995)

[※]水城まさみ, 宮田幹夫. 化学物質過敏症専門外来から見えてきた日本の化学物質過敏症の実態と問題点及び緊急課題. 臨床環境医学. 2020;29(1):10-17.

1960年代の化学物質汚染を指摘した人物と云えばレイチェル・カーソンの「沈黙の春」が有名だが、カーソンと違って詳細な症例検討と医学的知識に基づく理論化まで(その上カーソンより先に)行った人物は、この時代ではランドルフだけである。だがカーソンばかり持て囃されてランドルフは歴史の影に隠れたままだ。

まず「アレルギー」と耳にしたら、病的な皮膚症状か花粉症、つまり皮膚か呼吸器の過敏症のイメージが根強いが、それは単に20世紀初頭のアレルギー学者が原義のアレルギー概念を理解できなかっただけであると再三再四主張してきた。

Igea JM. The history of the idea of allergy. Allergy: Eur J Allergy Clin Immunol. 2013;68(8):966-973. doi:10.1111/all.12174
「アレルギー概念の歴史」

About 100 years ago, a young paediatrician understood that the function of the immune system should be rationalized not in terms of exemption of disease but in terms of change of reactivity. He coined a new word to represent such an idea: 'allergy': the first contact of the immune system with an antigen changes the reactivity of the individual; on the second and subsequent contacts, this change (or allergy) can induce a spectrum of responses from protective (literally, immune) to hypersensitivity ones. The idea was at first hardly understood by the scientific community because it undermined the essentially protective nature of the immune response as it was defined. Nevertheless, in the next years, the growing clinical evidence led to the acceptance of this new point of view, but not of the new word, at least not unconditionally. The original significance of the neologism 'allergy' became perverted and limited to describe hypersensitivity conditions. Perhaps because of the corruption of the term, today 'allergy' does not have a well-delimited significance among health professionals. Furthermore, the word has long ago escaped from physicians and gone to the streets, where it is popularly used also as synonymous with antipathy and rejection.  This vulgarization of the term 'allergy' has significantly increased its imprecision. 
約100年前、ある若い小児科医が、免疫系の機能とは、"病気の免除"でなく、"反応性の変化"で理論化すべきと理解した彼はこの構想を表す新たな言葉を生み出した:"アレルギーである"。免疫系が抗原と初めて接触すると個体の反応性が変化する続く二回目の接触で、この変化(アレルギー)は保護的(文字通りの"免疫")なものから過敏的なものに至るスペクトラム様の反応を誘発する。この構想が当初科学界にほとんど理解されなかったのは、免疫反応の元の定義である本質的な保護的性質が損なわれる為である。翌年、臨床的証拠の蓄積でこの新たな視点は受容されるに至るが、しかしこの新たな言葉が無条件に受け入れられたわけではない。"アレルギー"の原義は曲解され、過敏反応の記述に限定されたのである。恐らくはこの用語の破綻により、今日の"アレルギー"は医療専門家の間でも十分に定義された意味を持たない。更に、この言葉はとっくの昔に医師の元を離れて巷に流行し、反感や拒絶の代名詞として使われている。"アレルギー"の低俗化が、その不正確さを著しく増大させている。

アレルギーの原義とは異物に対する「生体の反応の変化」である。その"反応"は別に皮膚症状や呼吸器症状、即ち免疫学的現象だけに限定されない。先の章で紹介したmRNAワクチン接種後の精神症状も「反応性の変化」である。

原義のアレルギーの図式化。
抗原(病原体/花粉/食物等)と一度接触すると、その人物の「反応性の変化」が生じる。
この変化により、次回以降の抗原との接触で①防御的反応(何の症状も出さない文字通りの"免疫"的反応)か、②過敏的反応(病的で有害な症状)のどちらかを起こす。
①も②も同じ生理的プロセスの連続体である。
免疫"的"と言っているだけで、"免疫細胞(白血球)の働き"とは言っていないことに注意。広く生体反応の変化を取り扱い、例えば過敏反応の中には精神症状等も含まれる。

自分達が定量化して現象を分かり易く捉える為に「アレルギー=IgE抗体」と定義した結果、アナフィラキシーと大して意味が変わらない定義に俗化してしまっているが、ランドルフはアレルギー界のこの定義に反論し、今一度原義に立ち返るべきだと批判した。だがベシャンが云う「part of it which has become vacillating, without ballast, hypocritical and pharasaical, has remained the same as it was in the days of Galileo. (優柔で信念に欠け、偽善かつ独善的となった人間の側面がガリレオの時代から変化していない)」為に、ランドルフは例に漏れず学界から追放されることになる。

膨大な臨床例と、ハンス・セリエのストレス学説を総合して構築したランドルフ流の新たな「アレルギー」像は以下の経過を辿る。

ランドルフ曰く、食物アレルギーやMCSは薬物依存と同じ経過を辿る。本来異物として拒絶反応をするアレルギー物質に対し、生体は快楽物質を放出して適応しようとしてしまう。この期間中、生体は外見上「+」の反応をし、一見アレルギーには見えない活発な行動をとり、生体は本来アレルギーのはずの物質によって調子が良くなったと勘違いして好物とすら認識することになる。だがそれは飽くまで一過性の興奮状態であり、次第に生体は「ー」の不適応反応に移行する。この時期を回復する為に生体は再度「アレルギー物質に依存」して調子を取り戻そうとする

この「好物と勘違いしたアレルギー物質への依存」による興奮期間と、「その摂取による快楽物質の経時的な枯渇」による消退期間を交互に繰り返すことによって「+」と「ー」の幅が徐々に増大し、生体は益々、さながら薬物依存のように「アレルギー物質への依存を深めていく」。うつ病や統合失調症などの精神異常は、このアレルギー物質に対する不適応反応(----)だとランドルフは指摘した。

分かり易い例が、一般的に「砂糖依存」と呼ばれる臨床例だろう。

参考文献
1.Randolph TG, Moss RW. ランドルフ博士の新しいアレルギー根絶法. 桐書房; 1994.
2.セロン・G ランドルフ. 人間エコロジーと環境汚染病―公害医学序説. 農山漁村文化協会; 1986.

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