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細菌の属名から生物兵器を推測【11/365】

あまりにも毎日の発信が滞っていて、お前は最近何をやっているんだ状態なので日報的にその日に学んだことでも投稿しようと思う。私が今まで苦手としてきた習慣化への挑戦である。

私は基本的に怠け者である。だが怠け者が一念発起してしまった。言ったからにはやらねばなるまい。とりあえず何かしら投稿することが目的なので記事のクオリティは二の次だ。添付している文献を全文目を通せていないことも屡々あるが、とにかく毎日状況報告をする。それだけを目指すマガジンである。

….などと偉そうなことを言いながら、最終更新は9/7(土)で約一週間も休んでしまった。自分の意志の弱さが本当に嫌になってくる。私生活で色々と問題が起こったことはあるにはあるが、これだけは欠かしたくなかった。風呂敷を広げて収拾がつかなくなるのが私の欠点だと再確認した。


色々と同時並行で調査しているのだが、今回のテーマは「ウイルス感染症における細菌性二次感染症」である。何故こんなことを調べているかというと、ずっと頭から離れないソビエト医学の説を検証している為だ。

この説の中心人物は1950年代のソビエト連邦の細菌学者ゲオルグ・ボシャンなる人物だ。簡単に経歴を紹介すると、この時代にソ連で流行した「馬伝染性貧血病」、即ち「馬たちに貧血症状が次々と伝染する感染性疾患」を調査した結果、独自に「細菌-ウイルス相互移行説」に辿り着いた、という人物だ。

PROGRESOS CIENTIFICOS EN VIRUSOLOGIAより。
これ以上の解像度の写真が見つけらていない。

あらゆる病原体には細菌形態とウイルス形態が存在し、それは培養条件によって相互に変換可能である、という説だ。彼に関するCIA文書を虱潰しに読んでいった結果、彼がチフス熱、ブルセラ症、結核、炭疽、破傷風、赤痢、パラチフス、ジフテリア等々、様々な細菌性疾患で病原体相互移行(細菌形態⇔ウイルス形態)を観察(…したと報告)していることまでは確認した。

[1]Bosh’yan GM. ON THE NATURE OF VIRUSES AND MICROBES. CIA; 1950:3. Accessed June 21, 2024. https://www.cia.gov/readingroom/document/cia-rdp80-00809a000600320372-3

[2]Bosh’yan GM. ON THE NATURE OF VIRUSES AND MICROBES. CIA; 1950:2. Accessed June 21, 2024. https://www.cia.gov/readingroom/document/cia-rdp80-00809a000600340489-2

[3]Sosov DRF. IMMUNOLOGY IN THE LIGHT OF BOSH’YAN’S DISCOVERIES. CIA; 1950:2. Accessed June 21, 2024. https://www.cia.gov/readingroom/document/cia-rdp80-00809a000600360734-7

[4]Leonov NI. A NEW STAGE IN THE DEVELOPMENT OF MICROBIOLOGY AND IMMUNOLOGY. CIA; 1950:3. Accessed June 21, 2024. https://www.cia.gov/readingroom/document/cia-rdp80-00809a000600330601-7

[5]Bosh’yan GM. EQUINE INFECTIOUS ANEMIA. CIA; 1950:3. Accessed June 21, 2024. https://www.cia.gov/readingroom/document/cia-rdp80-00809a000600330775-5

一見トンデモ臭がするが、L型菌の存在を知っていればそれほど不思議な主張でもない。例えば結核菌の最小単位が0.3μm以下の顆粒形態、即ちウイルスサイズの濾過性形態である事実など1970年代の時点で報告されている。

[7]より。
抗生物質(ペニシリン)やバクテリオファージ、抗菌抗体、その他タンパク分解酵素などの存在下で結核菌を培養した後の経過を図式化。
1.左側の黒い桿菌が元の(親株型)結核菌
2.ペニシリンを加えるとL相に移行。
3.菌株によって復帰速度は異なるが、中心の巨大細胞(Large body)を包み込むように顆粒状の結核菌が集合し、次第に親株型が復活する
要するに現代人は、抗生物質で殺菌したと思い込んでいるだけである。

[6]高橋昭三. L型菌について 1)基礎的問題について. 日本伝染病学会雑誌. 1968;41(10):387. https://dl.ndl.go.jp/pid/1726494/1/14
[7]高橋昭三. 抗酸菌のL相をめぐつて 1.抗酸菌の細胞壁欠損型. 結核. 1979;54(2):63-70. doi:10.11400/kekkaku1923.54.63
[8]高橋昭三. 抗酸菌のL相をめぐつて 2.乾酪巣内の結核菌の生存についての考察. 結核. 1979;54(4):231-235. doi:10.11400/kekkaku1923.54.231

「70年代の文献など信用ならん」とかいう意味不明な言い掛かりをつけるアホはVBNC(Viable But Non-Culturable 生きているが培養できない)で検索すればいい。つい最近も同じ現象が観察されている事実が判明するだけだ[8]。

論文中の図:
[8]Ayrapetyan M, Williams T, Oliver JD. Relationship between the Viable but Nonculturable State and Antibiotic Persister Cells. J Bacteriol. 2018;200(20):e00249-18. doi:10.1128/JB.00249-18

細菌とウイルスはその昔、光学顕微鏡の観察限界 0.3μmを境界にその大小で区別されていた。当時の科学者はその0.3μmサイズの病原体をフィルターする濾過器を開発し、残存する病原体を細菌、通過する病原体をウイルスと呼んだ。だからウイルスの昔の呼び名は「濾過性病原体」である。だが今この場で言っているのは、その基準による区別は無意味だということだ。何故なら細菌(>0.3μm)がウイルス(<0.3μm)より小さくなるからだ。

以上、現代でも確認されている事実から読解すれば、彼の言う「ウイルス」が細菌の濾過形態を指していると考えれば何の疑問もない。彼は「細菌とウイルスを区分する行為は極めて人工的であり、ウイルスは通常の細菌培養用の培地で同様に培養可能である」と述べている[2]。科学は細菌とウイルスをそれぞれ「単離」して別々に切り離し、別個の病原性を研究するが、自然界は微生物同士の熾烈な闘争であり、実験室上のフェアな環境など用意されていない。異なる生物界同士が密に関わり合う以上、仮に彼の言う通り「形態の相互移行」でないにせよ、「相互作用」は考慮せねばならないのは当然だ

しかし話はここで終わらない。以上の話を、ボシャンの言う"ウイルス"=「L型≒細菌濾過形態」と見做し、現代ウイルス学者が扱う様々なウイルスとは別物だと考えれば筋は通るのだが、ただ一点気になるのは、彼が調査した馬伝染性貧血 equine infectious anemiaは紛れもなくレトロウイルス科レンチウイルス属によるウイルス疾患だという点である。要は「細菌性疾患にウイルスが検出される」であれば解釈が可能だが、これが逆になると途端に問題がややこしくなる。

レトロウイルス科レンチウイルス属に分類されるRNAウイルス。エンベロープを保有する。
画像:wikipedia(馬伝染性貧血)

彼曰く

・「ウイルス疾患の原因因子は細菌形態にあり、細菌形態は、ウイルス形態が生体に及ぼした変化の結果としてのみ生体に病原性作用を持つ」[3]
・ウイルスが細胞内偏性寄生体(※宿主細胞の中でのみ増殖可能な微生物)とするのは誤りであり、核タンパク質の存在する所どこでも増殖が可能で、その証拠としてウイルスは空気中・地中・水中あらゆる場所に棲息する[1]

彼の言葉を鵜呑みにするなら、彼はこのレンチウイルスがまさに細菌形態に移行する様を観察しており、ウイルスが宿主の細胞内で増殖する目的は細菌形態への復帰ということになる。トンデモに思えるのは重々承知だ。彼の説に対してCrazy 狂ってるという批判論文が山ほどあったことも知っている。

彼の馬伝染性貧血の調査では、先ずウイルスは免疫系に感染し、免疫細胞との激しい闘争による生成物が造血器官 腎臓を傷害し、その結果、宿主の造血機能が傷害され、従って宿主の貧血症状は造血障害に起因する二次性の障害である[5]。彼の報告を私がバイブルのように引用する1972年WHOmemoと比較しよう。

Bull World Health Organ. 1972;47(2):257-264.

予備的研究による証拠では、馬伝染性貧血ウイルス(EIAV)に感染した馬の血流にも感染性複合体が存在すると示唆された(McGuire et al., 1971)。免疫病理研究により、罹患馬の腎臓にウイルス抗原、特異的抗ウイルス抗体、補体の存在が明らかとなった(Oldstone & Dixon, 1971b)。

[Bull World Health Organ. 1972;47(2):265-274.]

これは昆虫により機械的に伝染されるウイルス誘発性疾患であり、血管病変、貧血、糸球体腎炎を特徴とする。非典型的な形質細胞の増殖後に脾腫およびリンパ節腫脹が生じる。臨床上のエピソードに付随して血清IgM抗体が上昇するが、慢性型の症例では高力価のまま持続する場合もある。培養したリンパ球で増殖したウイルスは、超微細構造の点で白血病ウイルスのC型粒子と同一ではないにせよ極めて類似する。罹患馬は(補体)C3成分が欠損し、疾患の様々な段階で赤血球が補体に覆われている例もある。赤血球表面上のウイルス-抗体複合体がこの補体の存在の理由の可能性があり、その場合、真の自己免疫の存在を仮定する必要はない。この症状は免疫複合体疾患の一つと考えられよう

流石に細菌形態への移行への言及はないが
・貧血症状は造血障害による二次性の障害
・リンパ球で増殖する(微細構造が白血病ウイルスに類似)
などの点で似たような現象を確認していることが判る。ボシャンに欠けているのは血清病 免疫複合体疾患の知識だ。

さて、彼の言っていることが真実かどうかは現時点では分からない(※本人の書籍はロシア国立図書館に行くしかない)。だが真実と仮定すると、全てのウイルス疾患には必ず細菌感染症が伴うはずである。実際問題、ウイルス疾患に細菌感染症が伴うことまでは広く確認されている現象だが、問題は「その二次性の細菌が何に由来するか」である。Germ theoryに支配された現代医学はアホみたいに空気中に由来すると考えていそうだが、それは確実に論外で、今想定すべきは、その二次性疾患で観察される多様な細菌叢の中に「細菌形態となったウイルス」がいる可能性である。

何を言っているか?漸く冒頭に戻る。SARS-CoV2に細菌形態がある可能性を疑っているのだ。ではメタアナリシスに移る。

Suleiman AS, Islam MdA, Akter MS, Amin MR, Werkneh AA, Bhattacharya P. A meta-meta-analysis of co-infection, secondary infections, and antimicrobial resistance in COVID-19 patients. J Infect Public Health. 2023;16(10):1562-1590. doi:10.1016/j.jiph.2023.07.005
「COVID-19患者の重複感染、二次感染、抗菌耐性のメタ-メタ分析」






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