夏休みの課題~自由研究~

暑い夏真っ盛りでございます。2023年は損益が不安定極まりなく、爆損爆益爆損と目まぐるしい状況で情緒も不安定(そうでもない)。
私は長らくSQを一つの区切りとしてトレードをしていますのでSQを中心とした値動きあれこれについて少し調べ事をしてみました。

そもそもSQとは先物の清算値ですので、先物取引の登場と共に出来たものです。1987年6月に開始され「株先50」として取引を開始しています。1988年9月に日経225先物が開始され、1992年6月にミニが登場したことにより、SQも毎月行われる様になりました(それ以前はラージのみですので3ヶ月毎)。
以降、ネット証券の登場が1999年、イブニングセッションの開始からナイトセッションへ、時間延長を経て、現在では祝祭日取引も行われています。また、マイクロミニ、ミニオプションなども登場しています。TOPIXやマザーズ指数にも先物が登場しましたが、オプションが導入されていないこともあってか参加者は少なめとなっております。
ここでのデータの取り扱いは、1992年6月からのデータとします(1992年7限月~2023年8限月:n=374)。また、週足のデータを変則的に組み直しておりますので、通常の週足とは異なるデータです。
第1週:SQ当日(イブニング開始以降は前日夕場)から翌週末(6日分)
第二週~SQ前週までは通常の週足(5日分)
SQ週:週明け(イブニング開始以降は前日夕場)からSQ前日の日中引け(4日分)

SQ週は荒れるのか?

週足の高値と安値で毎週どのくらい値動きがあるのかを調べたところ平均で4.12%となっております。想像していたより遥かに動いているなと印象を受けました。さて。ではSQ週はというと、3.68%と最も変動率は小さかったです。因みに一番大きな変動率は第一週の4.72%となっており、これは最初の断りにある通り、第一週は6日分ですので値幅が広がり、SQ週は4日分で値幅が狭まるという期間の差によるものだと考えられます。少なくともSQ週だけ特別大きく動くということはありませんでした。このイメージの意味するところは値幅そのものではなく行ったり来たりする乱高下を指している言葉の様です。
【余談】因みにですが、32000である現在の価格では平均の4%は1280円ということになります。1000円幅などとよく表現しますが、現在の価格では1週間で1000円以上の値幅は平均でしかないので、特にキャリアの長いトレーダーは意識を変えて行かなければついていけないので注意が必要かなと思います。ここ数年のキャリアの方は信じられないかもしれませんが、1週間の値幅が200円にも満たないことがそうそう珍しくもない時代もありましたので、短期トレーダーの方々にとっては、現在値が高いというだけで環境はとても恵まれていると言えます。

期間別の関係性について

SQ期間は4週間もしくは5週間の2パターンが存在します。SQ週を中心として、SQ週、SQ1週前、前半戦(SQ前半2週間or3週間)という3つの期間に区切ってその値動きを分析してみました。

前半戦のレンジとSQ1週前の関係
SQ1週前とSQ週の関係

通常の日足でも分足でも構いませんがイメージを持ってみてください。孕み足や包み足が出現する確率は、上ブレイクや下ブレイクが出現する確率よりも低いのが普通だと思います(孕みや包みは特殊な足)。
前半戦とSQ1週前との関係では、前半戦の期間は2倍か3倍で形成されるレンジにも拘わらず、SQ1週前に包み足になるケースが通常よりもかなり高いことが分かります。これは寧ろ、SQ週よりもSQ1週前の方が大きな動きが出やすいことを表していると思います。
また、SQ1週前とSQ週の関係で分かることとしては、前週のレンジをどちらかにブレイクした時点で、その逆(上ブレイクすれば安値は割らない、下ブレイクすれば高値を超えない)に走る可能性は低いことが分かります。

期間別の関係性について2

前半戦とSQ1週前が孕み足の場合のSQ週の動き

前半戦とSQ1週前が孕み足になるケースが少ないため、参考にしづらいですが、このケースでSQ週が更に孕むことはないことは分かります。

前半戦をSQ1週前が上ブレイクした場合のSQ週の動き

鍵となる結果の1つです。まず、前半週をSQ1週前で上ブレイクしているので、トレンドフォローとしては上昇を示唆しています。

  • 週足として続伸するケースが46%と目立って多い

  • SQ1週前を孕むことはほぼない

また、包み足を含めると、上をブレイクする確率は実に70%に達します。つまり、②のケースでSQ週を迎えて先に下にブレイクした場合でも、その後に上ブレイクする可能性は決して低くないということを意味しているかと思います。トレードする上ではむしろ波乱のチャンスを狙える場面の一つではないでしょうか。

前半戦をSQ1週前が下ブレイクした場合のSQ週の動き

上ブレイクのケースと傾向としては似ていますが、下ブレイクのケースの方が素直に下を狙いやすいというデータになっている様です。そもそも前半戦のレンジをSQ1週前に下ブレイクするケースの方が、無視できない程度に割合が多いことは気になります。これはデータ収集期間1992年から2023年において、下落トレンドであった期間と上昇トレンドであった期間に起因する可能性があります。仮にそうであれば、コロナショック以降、現在明確に上昇トレンドを描いているため、今後、前半戦のレンジとSQ1週前のレンジの関係は上ブレイクするケースが増えて来ることが考えられます。

前半戦をSQ1週前が包んだ場合のSQ週の動き

偶然ですが見事に分かれました。このデータを見て何も使えないとは思いません。そもそも包み足というのは、難しい足型で後にブレイクした方向に進む場合が多い傾向にあるとものです(最初のブレイクを騙しにして大きな力を得る)。前半戦をSQ1週前が包んできているわけですから、そもそも難しいSQが予想されます。その場合のSQ週の動きが完全に割れているわけです。④のケースになった場合は、SQでの勝負は避けた方が良いという明確な方針が立てられるというものです。

さて、SQ週を起点としたデータ分析をすると面白いことが分かります。ここまでの考察と最終的なSQ値の関係については書きません。モヤモヤしましたか?(笑

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