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指導死 について思うこと。みんな必死に頑張っていて余裕がない…。 vol.15

 指導死という言葉を知っていますか?

指導死とは?
教員による不適切な指導による、子どもの自殺のこと。

小・中・高校生の自殺者数は、2005年(平成17年)を底に年々、上昇しています。

原因・動機として、学校問題、健康問題が上位を占めます。
(厚労省のデータより。高校生の原因・動機)

指導死について、公的な統計がない中、遺族と研究者でつくる団体が、独自に調べた結果、平成元年以降に指導死とみられる自殺が93件、未遂とみられるケースを含めると少なくとも108件起きていました。

私は指導死のことをテレビで知りました。
「今の子供たちはメンタルが弱い」という、簡単に結論づけられる話ではありません。

それでは、教師が悪いのでしょうか?

昭和時代には存在した、体罰や大きな声を出して指導するようなことは、今は通用しない時代です。
でも、体罰をしていた昔の教師が、先生として質が低かったのでしょうか?
そうではありません。
現代の教師は昔と比べて、体罰が減ったからと言って、先生の質が上がったとも言えないでしょう。

ひと昔前は、教師は権威ある存在で、聖職者のようなイメージがありました。
昭和の時代は保護者においても、
「先生!愛のムチだったら大歓迎です!」
と、暴力を容認してことはあったと想像します。

今は教師に対する見方も変わってしまい、特別な敬意はなく、教師を数ある職業のひとつとして考えるようになりました。
先生も1人の人間であり、特別な存在ではない。という認識でしょう。

子供は悪くない。 先生も悪くないんだったら、この問題はどこに原因があるのでしょうか?

この問題には教師の労働環境が、根本的な問題だと考えます。
今の教師のなり手不足は、それに原因があります。悪化する労働環境。長時間労働や保護者からのクレーム、部活動の問題など。

もちろん、教師のような困難な仕事には やりがいはあると思います。しかし、先生と言っても 社会経験を知らない学生が、試験やカリキュラムをパスすると先生になるわけです。 そして、先生としての道を歩み始めるわけですが、困難な現実に直面し、喜びを感じる前に挫折する人も多いのではないでしょうか。この問題の1番の原因は先生に

余裕がないこと

から起きていると思います。
余裕がないと
人に優しくすることもできません。
人に席を譲ることもできません。
落ちている 財布の中身を自分のものにしてしまうかもしれません。
嘘をついてしまうかもしれません。
人を騙そうとするかもしれません。
ミスを隠そうとするかもしれません

余裕がないと、どうしたら穏便に解決できるのか?という風に考えて、児童・生徒のことを一番に考えなくなるのかもしれません。

ある学校の取り組みで、クラスを担任 1人に任せるのではなく、 担任を3人の先生がローテーションで行う。といった取り組みをしていました 。
人には相性があり、この先生には言いにくいけど、この先生には 言いやすい というものがあります。
しかし、先生の数が足りない中で、このような取り組みはなかなかできるものではないと思います。

この問題を解決するのはとても難しいと思いますが、このような指導死は親や子供にとってとても悲惨なことです。このようなケースが、一つでも少なくなるために私たちは何ができるのでしょうか。


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