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22日
以前、エレベーターに乗るためにボタンを押そうとしたときにバチッと音とともに衝撃が指先から全身へ走った。隣にいた友人もそれに気づいていた。電気をため込みやすい体質なのか、それとも何かの能力に目覚めてしまったのか。どちらにせよ、今となっても少しトラウマになって恐る恐るボタンに触れている。エレベーターの隣には、階段があるがエレベーターを選んでしまう。そうやって徐々に歳を取って老いていく。
23日
街中へ出ると、思わず知り合いに遭遇することがまれにある。見かけた知り合いの親密度的な何かのパラメーターがあるのだとすれば、相当の数字でなければ僕からは声をかけない。あとは単純にそっくりさんだった時の恥ずかしさが僕の脳みそを破壊してしまうことを恐れている。電車の箱では、気まずい空気が僕の口から漏れ出していた。そして、後になって後悔する。
24日
ポットキャストといわれているアプリをダウンロードした。以前、友人が音楽よりラジオという話を聞いた。一駅分先に降りて、散歩のお供にラジオを聴いているだとかで、僕はすごいなと感想を言っていた。それから脳みその中で気になりだしてきて、僕に当てはまりそうなメディアや媒体を探していた。そんな中、ポットキャストに行きついた。もともとiPhoneにインストールされていたらしいが知らず知らず、捨ててしまっていたらしい。最近は、めっきりハマってしまった。しかし、散歩のお供まではならなそうだ。僕の中には、散歩という習慣が身についていない。挑戦してみたいとは思っている。
25日
今日で、学校のテストが全て終了した。あまり力を入れていないにしても、なぜこうも解放感がやってくるのだろうか。解放された勢いで、空を飛んでいた気がする。それでも目には見えない重圧やらなんやらが僕の肩を上から押さえつける。引き戻された僕は、また箱の中に入り戻る。
こうも勉強だらけだと人生のことを考えさせられる。あと何回、月を見上げて息を吐かなければならないのか。
26日
今日も今日とて学校へ向かう。ここまで来たら、目を閉じていても自宅から学校まで行けるのではないかと思ってしまう。しかし、目を閉じると脳みその認知機能は大きく低下する。今日の席を決めて荷物を取り戻すとき、スマホがないことに気が付いた。この瞬間、必要になるものではなかったが、手元にないという事実で焦る理由には十分だった。
急いで窓口に駆け寄ると、誰かが届けてくれたらしい。どこで無くしたかも検討つかないが、架空の人物を想像して感謝を想う。
やはり、目を閉じながらの移動は、危ないということだ。
27日
以前、名古屋に行った時のお土産が今になって発掘された。貰い物ではなかったことに安堵したが、裏側の賞味期限を見ると2か月近く過ぎていた。お土産の中身は、味噌のソースが5つパックに入っていて、ハコの中には、1パックのみしかなかった。大事にちょびちょび食べていたが、揚げ物はめったにしないし使う機会がこれまで少なかった。
封を開けると、これまでのソースとは異なる匂いがする。心なしかドクロのマークが浮かんでいた。それでも食べてみると、いままで美味しく大事に取っておいたソースたちとは別物になって不味かった。
賞味期限の数字には、ちゃんとした意味があることに気づく。この基準を設けた生産者側の人の気持ちを無下にしてしまったことを悔やんだ。
28日
こうして日々を過ごしていると、物欲に飲まれる時期とそうではない時がバランスよく脳みそにプログラムされている。どこかの資本家が商業的に僕たちを操作しているのかと見間違えてしまう。そんな危機感があるにも関わらず、僕たちはそれに従って消費を繰り返している。
幸いにも、店に着く頃には営業時間外であるから一命を止めている。