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8日
自宅に帰る途中、晴れ着姿の何人かとすれ違った。今日は単なる休日にしか思えなかったが、20を迎える彼女彼らにとっては待ち望んだ日なのだろう。思い返すと僕自身も1年前は、ウキウキで空中散歩していた。1年しか経っていないのに、こんなにも20代であることに感覚が失われていたかと考えると少し悲しくなった。
同時に、これから20を迎える少年少女に誇れる社会を残さなければならないと血が脳みそに集結する。


9日
僕がいつも持っているタンブラーの中身は、コーヒーが詰まっている。それはご丁寧に豆からドリップしたもので、朝の時間を犠牲にして持ち歩いている。ー 図書館に到着して一服すると味に違和感を感じた。上から中身を覗くと、間違いなく色も匂いもコーヒーだと主張している。それでもやはり、薄いコーヒー。本音を言うのであれば、「白湯」に近いものがあった。この日は、水筒の減りが異常に遅かった。


10日
hollow covesの新作アルバムが3月にリリースされることが発表された。ここ最近、シングルを立て続けに公開されて、その伏線を回収するかのように未公開含めた全11曲が収録されている。ぜひ聞いてほしい。本当に、彼らの作る音楽は、人を柔らかくさせる力を秘めている。それは言語の壁を越えられる音楽の可能性そのものだと思う。僕たちは、フィーリングの中で繋がっている。


11日
慣れないことをすると、身体の細胞という細胞から、汗が噴き出てくる。写真を撮ることは好きだし、撮られることも嫌いではない。しかし、かしこまって被写体になるとはまた訳が違った。意識的に筋肉は縮こまって黒目はスロットルのようにぐるぐる回る。その中でもいい写真が撮れたと思う。協力してくれた仲間にはとても感謝している。ありがとう。


12日
散々な日になった。詰め込み過ぎたスケジュールは、心を休ませない。webでのテストが今日はあって、その準備に慌てていた。結果はまだ手元に届いていないが見るのも億劫になってしまう。いまだに心が疲弊している。まるで毒でも食らったように規則的なダメージが少しずつ蓄積されている。そのなか溜まっていた家事を一気に片づけたり、証明写真を撮りに行ったり役所に顔を出したり1日が終わると、僕はすでに棺桶の中にいた。
蘇生をされてベットの上で目覚めると、光が眼球に差し込んできた。電気を付けたままいつの間にか寝ていたらしい。窓も開けっ放しで、しょうもなかった。


13日
地域の新年会に参加した。ジャケットを首いっぱいまで潜り込ましてサビイと嘆く。外は、雨から雪に変わっていた。
アルコールを久しぶりに喉に通す。やはり、アルコールでしか流しきれない何かがあるのだろうか。不純物が押し流されているのを感じる。とても楽しかった。地域で繋がりを結ぶのは簡単なことではない。この環境は、非常に恵まれていていることを実感する。友人とも話し込んで盛り上がれたことが素直に嬉しかった。
よく道端で見かける個人経営のスナックに対する壁は、消えていた。仕切りのない小さな空間は、見知らぬ誰かがカラオケを入力すれば話し声は遮られてしまう。それに続いてどんどん曲が入力されていく。しかし、悪い気はしなかった。久々に脳みそは温かみを感じた。


14日
合同説明会に向かう。そこには多くの人がいて友達になれそうでなれない見えない壁が存在していた。残り数カ月。僕にとっての初めての綱渡り状態での受験だ。荷物は持たないようにして滑り込みたい。
その後は、地元で友人らと集まった。2日連続でのアルコールは、罪悪感で包まれていたが、不純物を取り除く意味では、素敵な時間と空間であった。そっと抱きしめて大事にして、明日に持ち込みたい。できることであればこれから先も抱きかかえていきたい。
しかし、しばらくは自粛しようと溶けた脳みそに染み込ませる。

誰も手を出さないお刺身 心理戦の真っ只中


ドタバタ日記 2024年1月15日

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