シンガーソングライターからライターとして
ライターとして2年、編集者として1年のたった今、書籍や雑誌、インタビュー記事などを担当しています。それまでシンガーソングライターとして音楽活動してきたわけなんですが、「書く」ということについては全くちがっていました。
取材から原稿を作る場合では、ただ録音した音声を文字起こしすれば良いわけではなく、どうやって取材対象者のことばや思いを読みやすく「翻訳」するかをいつも考えながら書いています。また、話の順番を変えればスムーズに読めることもありますし、読むときのリズム感もとても大事です。
一方、作詞をする場合は、いかに内容の全てを言葉にしないかだと思っています。作詞では、メロディーにうまくハマらないといけなかったり、韻を踏んだり、どの母音の言葉を頭や語尾にするか考えて作ります。それから曲づくりは「曲先」、「詞先」ということばがあります。
これは、曲から先につくるのか、歌詞から先につくるのかということ。
僕は、曲から先につくることがほとんどなので、「曲先」になるのですが、曲が持つキャラクターによって、その選ぶことばというのも変わってきます。
例えば、バラードなどのスローな曲であれば、自然とやさしいことばを選びます。僕としては、曲に言葉を選ばされている感覚に近いのですが、ライターが取材対象者のことばを翻訳するかのごとく、作曲は、「曲の言語化」なのではないかと思っています。
シンガーソングライターとライターを両方をやっているのは、もしかしたら珍しいのかもしれません。とはいえ、調べてみると、コピーライターが作詞に挑戦するというのは、あるみたいですね。
これからも両側の視点から立ってわかる気づきを書き連ねたい。