日本の観光資源は世界一! 『雑感110 インバウンドの現状』

(5月23日記)

今回のテーマは、「インバウンドの現状と、日本の対応」です。

コロナ禍の後、日本の外国人観光客は急増傾向にあり、観光業界、飲食サービス業界、小売業界、宿泊業界などのインバウンドは急伸しています。
アメリカの大手旅行雑誌の『コンデナスト・トラベラー』が2023年10月に発表した、「世界で最も魅力的な国」で、日本はイタリアを抜いてトップになりました。
参加読者52万人の総意です。
それ以前から、長く世界の観光資源トップの座にあったフランスを抜いて世界一になっていて、知らないのは日本国民だけ、という構図でした。
賢明なる私の読者の皆さんの中には、「知ってました」という人も「多々」いたのではないでしょうか。

日本の観光資源は、悠久ゆうきゅうの伝統文化、歴史、自然環境の良さ、交通や社会インフラ、世界屈指の治安の良さ、これも世界に例がないほどの清潔さ、何よりもモラルある親切で温和な日本人、などなどが偉大な資源です。
欲を言えば、外国語、特に英語ができて、かつ、積極的に外国人をアテンドしてやろうという意欲と行動があればいいですが、それだと、あまりにも観光客が押し寄せて、支障が大きくなるでしょう。

2023年は外国人観光客は推計で2506万6000人で世界12位です。
2019年の3188万人には届きませんが、JTBの推計で2024年は3500万人以上と過去最多になる見通しです。昨年の外国人観光客の日本での消費額は5兆円以上と、GDPの約1%になっています。2024年は8兆円を目標としましたが、今のところ、好調です。

円安の今、「行け、ニッポンへ!」なのです。それに合わせて、日本各地に続々と高級ホテルがオープンしています。
日本は物価が安く、富裕層の観光客を満足させる高級ホテルが少ないからです。
2023年に東京渋谷しぶやの一等地にイギリスのIHGホテルズ&リゾーツが手掛ける「ホテルインディゴ東京渋谷」がオープン、2024年2月下旬に渋谷駅隣接の高層ビルにアメリカのハイアットホテルズ・コーポレーションの「ハイアットハウス東京渋谷がオープン、JR東京駅前の超高層ビル「東京ミッドタウン八重洲やえすの高層階にマリオット系列の「ブルガリホテル東京」がオープンしています。
この「ブルガリ」は一泊20万円以上で、スイートルームは一泊100万円を超えます。
こうしたホテルを利用できる富裕層がつかうカネは、一般外国人観光客の一人あたり36万2300円を、はるかに超え、数百万円が最低で、何千万円単位も普通です。

一人36万2300円のうち宿泊が34.6%、飲食が22.6%、買い物が26.4%です。
百貨店売り上げも久々に増加し、特に高級品が売れています。
皆さん、メディアで統計の記事を見る時、百貨店、それも高級品の売り上げ、注視して下さい。
私が1年前から、「株いいよ」と言ってきた理由の一つに、これがありました。
こうした物が売れる時、一般国民には縁がないとしても経済はいいのです。
これで、また一つ、勉強になりましたね。
もっとミクロで言うと、免税店の売り上げ、百貨店の「外商がいしょう部」の売り上げも重要な指標です。
外商部とは、特別なお得意さんへの訪問販売で、ぎっしりと商品の載った特製カタログを持って、身だしなみの良い、百貨店の営業が家に来ます。それで、こっちは、わざわざ行かなくても物が買えるのです。
ただし、少なくても年間、何百万円、できれば数千万円以上、買ってやる心がけが大事です。

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