『フィスト・ダンス』 第130回 「卒業」
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<本文>
<ひたすら、ステゴロだけに精進せよ>
「それでは加賀先輩、どうぞ」
トミーが司会をしている。
体育館のステージ上に、翔太たち2年生の長ラン、丈次たち1年生の長ランが、3年生の長ランたちと向かい合って各学年ごとに横一列に並んでいた。
いよいよ、3年生の卒業式が終わった当日である。
「後輩たち諸君、俺たちが卒業して、上級生となるが、大中の伝統を守って、常に強く、潔いツッパリであってくれ。幸いなことに今年は菊山という怪物がいるから、俺たち3年は、なんの憂いもなく卒業できる。菊山、こいつらを、もっと強くしてやってくれ。丈次、菊山のあとは、おまえだ。しっかり、伝統を守るんだぞ。OBになっても地元にいる奴が大半だから、なんかあれば呼んでくれ。ま、菊山がいるから、その心配はないだろうけど。後輩諸君、今まで、ありがとうな。そして、頑張れ!以上っ」
加賀らしく爽やかな笑顔で話し終え、翔太たちは一斉に「お疲れさまでした」と唱和し、拍手した。
「菊山、何も言うことはない。おまえらしくやってくれ。楽しかったぞ、おまえとの2年間」
「俺も。先輩、大阪でも頑張って」
「おお、盆と正月は帰ってくるから会おう」
「ええ」
翔太と加賀は、がっちりと握手した。
「菊、いつでも会えっからよろしくな。生学になっても興行は任せよ」
西だ。
進学先は津田と同じく、兄の純一が卒業した暁星だった。
佐野は泉南だ。
加賀だけは家業の料亭を継ぐため、大阪の調理師学校に進む。その後、よその料亭で何年か修行して、家を継ぐ予定である。
翔太たちの拍手に送られて加賀たちは、体育館をあとにした。
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無期懲役囚、美達大和のブックレビュー
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