未知の技との遭遇 『フィスト・ダンス』 第125回 「洗礼、開眼」
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<本文>
甲南中のメンバーも交えての『テオジニス』、その日の話題は、封切られたばかりの映画だった。
「マンガみてえやつだろ。体は、なんか、すげえっ、だけど、映画だから作りもんじゃん」
「だよな。俺たちと違って実戦で鍛えたわけじゃねえしよ」
マーボと藤田が言うと、一同は、うん、うん、と同意している。
「翔太は、どう思う?」
「うん、やっぱり、俳優が演じる作りもんだろな。筋肉は、へえぇ、だけど」
トミーに促されて翔太は間髪を入れずに応じた。
「でもよ、筋肉なら菊山君の方が凄いよ、胸だって腕だって、ずっと筋肉が盛り上がっているし」
「翔太は筋肉オバケだからな。それ以外の奴からすりゃ、なかなかの体じゃん、あいつは」
トミーの言葉に男たちはうなずいた。
「先輩はもう見に行きましたか?」
「いや、ただの映画だろ、ステゴロっていったって。興味ないな、こっちは本物をずっとやってきたしな」
翔太に問われた天野はカウンターの向こうでかぶりを振った。
「菊山君たちは見に行かないんですか?俺たちは、行くだけ行ってみっかってなってますけど」
伊達が、なあ、と相槌を求めたので、藤田は、おお、と応じた。
「でも、あんな体は普通じゃないよな。どんなトレーニングをしたら、あんな筋肉のつき方になるんだろうか。そこには興味が湧くな」
翔太が言うと、男たちから同意の声があがった。
「見に行こう。大した収穫がなくても面白いかもしれないぞ」
翔太のその言葉で、一同たちは、話題の映画を見に行くことになった。
映画のタイトルは『燃えよドラゴン』である。
主演俳優はブルース・リーだ。
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無期懲役囚、美達大和のブックレビュー
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