『フィスト・ダンス』 第164回 「刃物対策」


<新刊発売のお知らせ>


12月9日発売予定です。
明治の偉人・女傑10人の伝記、生き方の手本としても使えます。
師走に胸と血を熱くする一冊です。
大人買いして、お歳暮として配るのにも最適!?なのでよろしく!

美達大和

<本文>

<決戦への序曲>

「そこだ、みきお。下だ、狙いは下だ。腰から上は危険だ」

「はい」

藤田は翔太の方を見ることなく、一輝かずきの振り回す模造刀の短刀ドスに対処していた。
びきしてある模造刀といっても、まともに当たれば斬れることもあるし、痛みもある。
長さ1尺あまり、30センチの模造刀が銀色に光をき散らす。
藤田は翔太に言われた通り、一輝の下半身、脚だけを狙っていた。
過日、純一に頼まれた「刃物対策」だ。
マーボ、トミーとの夜の椿町つばきちょうの「修行」では、チンピラヤクザがメインの相手ゆえ、時には、「ヤッパ」「ドス」と称する1尺あまりの短刀を持ち出すやからもいた。
初めて遭遇した時、はて、これはどうするんだ?と一瞬、動きが止まったが、自分の体に触れないかぎり、役には立たないと喝破し、腕より長い脚で対応することにした。
その後、今では、こいつは凄い奴なんだ!と敬意を抱くようになった「喧嘩の神様」の御託宣ごたくせんを得るようになり、刃物対策はバッチリ、自信を持って対応できるようになっている。

「そして、相手が振り回してきたらスウェーでかわして、その腕を外側からホールドしろ。内でなく外だ。つまり、体の正面からでなく側面から押さえるんだ。すると刃物は、おまえの方に来ないから。いいか、一回やってみせてやる」

ここから先は

1,793字
書評、偉人伝、小説、時事解説、コメント返信などを週に6本投稿します。面白く、タメになるものをお届けすべく、張り切って書いています。

書評や、その時々のトピックス、政治、国際情勢、歴史、経済などの記事を他ブログ(http://blog.livedoor.jp/mitats…

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?