国策の半導体は、長く持てる銘柄! 『雑感106 半導体産業と、今後の投資』


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(3月23日付)
今回のテーマは「投資と半導体、この業界をミクロの目で分析する」です。
この業界は、雑感の8990(※それぞれクリックすると記事に飛びます)に次いで3回目となりますが、今回は詳述するので、この業界の未来と投資を考える上で参考にして下さい。

2024年の世界の半導体市場は過去最高の5883億ドル、約87兆円に達する見込みです。
以前は「産業のコメ」と称されていましたが、今や国家の競争力、国防に不可欠な重要戦略物資となりました。
近年、脚光を浴びる「生成AI」の爆発的拡大もあり、先進国による半導体投資競争は激しさを増しています。

日本も、ここ3年で約4兆円もの巨額投資をし、さらなる投資をする予定です。
今回の日本の半導体への投資は、これまでとはレベルの違う大きさ、スピードで実行されています。
皆さんも知るように熊本県での台湾TSMCの2つの工場の他、各地で日本企業、韓国企業の工場建設が進み、2030年までに官と民で12兆円超の投資をして、2020年の3倍の15兆円の売り上げにする予定です。
1980年代に、他を寄せ付けない世界一の半導体業界から凋落ちょうらくした日本、ここで一気に巻き返しに出ました。
2024年は日本だけで約7兆3000億円の売り上げにする計画です。

全世界では2030年に1兆ドル、約150兆円になるとも言われていますが、一過性のブームではなく、ずっと必要とされるのが半導体なのです。
現在は自社で開発できる、マイクロソフトM、アマゾンA、テスラT、アルファベットA、エヌビディアN、アップルA、のMATANAが世界をリードしています。
特に画像処理装置のGPUの設計を手がけるエヌビディアは成長著しく、アメリカ株への投資を考えている人は検討するといいでしょう。
2024年2月12日に株式時価総額でアマゾンを超えて世界4位に躍り出ました。
1兆8000億ドル、270兆円はトヨタの6倍以上です。

半導体には、最先端、先端、ミドルクラスと、半導体の性能によって各種ありますが、重複するのでここでは説明しません。前出の89、90を見て下さい。
TSMCの熊本工場は第一が12~28ナノメートルの旧世代工場で、5ナノメートルを狙っていた経産省は、あてが外れましたが、日本には5ナノの市場がありません。ナノについても雑感89、90を見て下さい。
余分な紙数を使わず、なるべく実用的な情報を多く伝えたいのです。
熊本のTSMC第二工場は2027年末の稼働ですが、目指す回路線幅は先端の6ナノメートルです。
二つのTSMCに政府は1兆2412億円を投じています。
現在、工場のある菊陽町は地価、人件費、消費と全てバブルで、大変なにぎわいです。

千歳ちとせに作るラピダスの工場は最先端の2ナノを作る計画ですが、いきなりは無理と言われています。
ここは3兆円の投資を必要としていますが、今のところ1兆円を投じられています。
最先端は中国には作れる、防衛装備品、つまり武器に使う上で、日米英仏など西側諸国にアドバンテージ、有利さがあります。

政府は先端だけではなく、出力を調整・省力化できるパワー半導体、マイコン、半導体材料など、すべての分野の半導体企業に支援をしていますから、今だけのブームではないと、胸に刻んで下さい。
相場の格言には、「国策に売りなし」があり、ちょっと値上がりしたからといって、売って売却益を出すのは、並の投資家にとって愚策です。
瞬発力、反射神経、決断力もない人は、黙って保有を続けろ、ということです。
仮に値上がりのペースが落ちてきても、平生から次の手をきっちり考えてない素人は、余計なことをせず、持ち続けることが負けないコツです!

半導体企業には2024年から税額控除も施行され、至れり尽くせりです。
この業界をリードして、あれこれ決めているボスは自民党の甘利明あまりあきら氏で、この分野ではピカイチの政治家です。
氏は次世代の「光の半導体」を研究しているNTTにも補助金を付けていますが、国防や改憲でも活躍して欲しいです。

ラピダス、アメリカのエヌビディアの製造をする話も出ています。それが決まれば「おおっ!」ですが、エヌビディア、イケイケです!

NTTの研究しているのは、正しくは、「光電こうでん融合技術」を活用した半導体で、後述しますが画期的な技術です。

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