![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/127473527/rectangle_large_type_2_a40521ea27a619b60a29923038a7743a.jpeg?width=1200)
『天晴!な日本人』 第68回 智謀湧くがごとしの辣腕(らつわん)実務家、児玉源太郎(こだまげんたろう)(1)
<緊急「大」ニュース!?>
来たる2024年2月16日、いよいよ『天晴!な日本人』がワニ・プラス社より満を持して刊行されます。
大久保、小村の他、乃木希典、桂太郎の愛妾の、凜とした美人のお鯉、高橋是清、小野寺信、東條英機、樋口季一郎の、日本人の魂を伝えます。
安倍さんの偉業とメディアについても詳述しているので、今後の参考にして下さい。
超人気のおそれあり?あっという間に品切れとなる前に、アマゾンでの予約をしといた方がいいです!よろしく!
<本文>
<百年に一人の戦略家と称された人>
日本が、日露戦争という明治の一大国難に勝って、一躍、世界の列強の一角に躍進したことは、これまでに再三にわたって叙述してきた通りですが、その立役者となったのが、満州軍総司令部の参謀総長となった児玉源太郎でした。
それ以前、児玉は陸相、台湾総督、内務相という重責を担う立場にありましたが、対ロシア戦の戦略・戦術を練っていた、「今信玄」と称された田村怡与造参謀次長の急逝により、陸軍大将、陸相の身でありながら、2階級も下の参謀次長になることを厭わないどころか、国家危急の折り、自分しかいないと、自ら着任した傑物です。
大将、各大臣、台湾総督は、天皇自ら任命し、直々に謁見した上で辞令を与える親任官で、最上級の役職でした。
対して、参謀次長は陸軍少将の階級の者が就く地位で、天皇の謁見はなく、勅令で任じられる勅任官であり、官吏として高位であっても歴然とした差があったのです。
それを意に介さず「引き受けた!」というのが、児玉の人格を顕しています。
海軍に智謀あふれる秋山真之いれば、陸軍に児玉あり、と呼ばれた大戦略・戦術家です。
明治陸軍の参謀や、戦略・戦術面を教育したのは、1885(明治12)年に来日したドイツ陸軍の戦術家のメッケル少佐でしたが、そのメッケルをして、「日本に児玉がいる限り、ロシアには負けない!」とまで断言させた軍人でもありました。
今回は、その児玉を紹介します。
<生い立ちと苦境>
児玉は長州、今の山口県の出身です。厳密には、毛利の支藩の徳山藩、今の山口県周南市で生まれています。
1852(嘉永5)年閏2月25日、藩士の児玉半九郎忠碩の長男として出生しました。乃木希典より3歳、下です。
閏は、太陰暦なので、調整のために1カ月、余分に入れられた月のことでした。
父の半九郎は早くから尊王論を唱えたことと、狷介な性格で藩内で敵が多く、自死に追い込まれています。
児玉が数え5歳の1856(安政3)年のことで、規則によって中継ぎ養子をとることになり、姉の夫の次郎彦が婿に入りますが、暗殺されたのです。
ここから、武士の子ながら、児玉の貧窮生活が始まります。商家や周囲を頼っての赤貧暮らしでした。
時代背景としては、児玉誕生の翌年にペリーが来航、日本には尊王攘夷の風が吹き荒れていました。
要は、ペリー来航におたおたした幕府を目の当たりにして、諸藩が「幕府、何をやっとるんじゃ、本当の統治者は天子様じゃないか」と、天皇を敬い、ついでに日本に脅威を与える外国に対しても、「なんぼのもんじゃい」と排斥を企図し、こちらの方は軍事力の圧倒的な差で、開国にシフトしたということです。
1865(慶応元)年7月、児玉に25石を与え、次郎彦の養子とするという沙汰が下ります。
児玉は、幼名の百合若から源太郎忠精と改名し、元服しました。新しい屋敷も与えられ、中小姓として出仕します。
1866(慶応2)年6月に、幕府による第二次長州征伐が始まりますが、第一次の時と違って、この年の初めに薩長同盟が成立し、長州は薩摩の斡旋で新式の武器も揃え、「幕府、どっからでもかかってこいやっ!」でした。
難なく撃退し、時代は1868(慶応4)年の戊辰戦争となります。この年9月、明治と改元されましたが、児玉は長州藩の250人からなる献功隊の半隊司令として17歳で初陣を飾ります。
半隊司令とは分隊長のことで、20人の部下を持っていました。その上には小隊司令士、さらに上に中隊司令士がいて、半隊司令は12人でした。
ここから先は
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/93569456/profile_1f4533f3d8d889534f158600c67f2819.jpg?fit=bounds&format=jpeg&quality=85&width=330)
無期懲役囚、美達大和のブックレビュー
書評や、その時々のトピックス、政治、国際情勢、歴史、経済などの記事を他ブログ(http://blog.livedoor.jp/mitats…
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?