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朔の話 00┃「朔」という日本酒

「朔(さく)」という日本酒

「朔」は、フランスで開催される日本酒コンクール「Kura Master」でプラチナ賞を2年連続で受賞し、国内外のラグジュアリーホテル(オテル・ド・クリヨンシュヴァル・ブランザ・リッツカールトン京都)や京都の旅館(料理旅宿 井筒安)、日本酒サロン()で提供されています。

朔2代目となる「R04BY」


基本的に一般販売はしておらず、当社が運営するWebサイトにて購入が可能です。


「朔」がつくられるのは、日本酒発祥の地(のひとつ)と言われる、兵庫県播磨地方。ひとりの農家(藤本圭一朗さん)が、南北に走る谷の圃場で、平地よりも大きな寒暖差を活かして育てた酒米(山田錦)を100%使用。それを50%まで削り、地域屈指の醸造家である富久錦の稲岡敬之さんに、純米大吟醸酒へと醸していただいています。醸造方法は「生酛(きもと)づくり」という、自然な乳酸発酵を活かした方法を採用。新酒がピークではなく、10年かけて熟成が進んでいくような、ふところが深く旨みの強いお酒に仕上がっています。この2人を中心とする、播磨地域の方々のバトンリレーによって、「朔」はできています。

谷筋にある圃場で、「朔」のお米は育ちます
山が近いため、米づくりに必要な、新鮮で冷たい水を活用することができます


・・・さらっと書くとこのようなことになるのですが、「朔」は少し、特別なお酒だと思います。どのへんが特別なのか。

まず、「酒米の王様」と呼ばれ、各地の酒蔵が求める兵庫県産の山田錦を100%使うという、贅沢の極みともいえる原材料を使っています。ひとつの圃場の米だけを使うという、コーヒーやチョコレートの世界で「シングル・オリジン」と呼ばれる手法は、山田錦の産地である(聖地と言われることも多い)北播磨でしか難しいのではないかな、と思います。

次に、通常の発酵よりも手間と時間のかかるものの、食事の味を引き立てる酸味と味の複雑さを産み出す、生酛づくりを採用しています(生酛づくりの純米大吟醸酒はとても珍しいそうです)。日本屈指の酒米の産地と醸造文化が揃う北播磨という土地の特徴を活かし、万を超えると言われる日本酒の銘柄の中でもおそらく1つしかない「シングル・オリジンの生酛純米大吟醸酒」はつくられています。

「朔」が変わっている点がもう一つあります。それは、企画・販売している当社が、「酒蔵さん」でも「酒屋さん」でもなく、「インバウンド旅行会社」である点です。なぜ、当社が日本酒の企画・販売をやっているのか。どのような経緯でフランスの日本酒コンクールで2年連続プラチナ賞を受賞し、名だたるラグジュアリーホテルで採用されるに至ったのか。これから、文字にしていこうと思います。

書きたいことはざっと以下の通り。


これから書いていくこと

  1. COVID-19(イギリスに帰国した若いカップル)

  2. 日本酒が持つポテンシャル

  3. コロナ禍で思い描いた理想

  4. 鈍い反応

  5. 「朔」の誕生

  6. 目の前の現実(積みあがる段ボール箱)

  7. つらくて楽しいオンライン配信

  8. クラウドファンディング

  9. Kura master受賞

  10. 世界水準の酒蔵見学

  11. チーム

  12. 初代「朔 R03BY」

  13. 2代目「朔 R04BY」

  14. 3代目「朔 2023BY」

  15. 理想と現実を知り、向かう先は


書けるかな。

でも、書いていこうと思います。自分の(経験の棚卸しの)ためでもありますが、僕たちが試行錯誤したことの中に、インバウンド事業をやっている人や、自分でブランドを立ち上げたいと思っている人、自身のプロダクトの価値を高めていきたいと思っている人のヒントがあると思うからです。

農家の藤本さん(左)と醸造家の稲岡さん(右)、そしてまだこれから起こる現実を知らずに笑っている2021年の僕(中央)。


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